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RubyKaigi 2022の感想

2022/10/06に公開

hachidori株式会社というところで バックエンドエンジニアをしている @a-kubotera です。
Ruby歴は4年ほど。主に業務で Ruby / Ruby on Rails を扱っています。
今回、三重で開催された RubyKaigi 2022に参加してきました。
とても充実した3日間でしたので、簡単にではありますが振り返りつつ感想をシェアできればと思います。

初のオフライン参加

RubyKaigi自体は昨年のtakeoutで初めて参加しました。
今年は久しぶりのオフライン開催ということでしたが、仕事もあるしオフラインでの参加は難しいかな?と思ったのですが、会社のサポートもあり、初のオフライン参加が叶いました!

RubyKaigiとは

RubyKaigiは 世界最大級のRubyに関する国際カンファレンスです。
Rubyに関する様々な講演や、言わずとしれたRubyの産みの親であるMatz氏の基調講演、
毎年恒例の Committers vs The World,今年数年ぶりに行われる謎イベントのTRICK 2022 などなど、3日間最後まで見どころたくさんなイベントです。

内容に関してはかなり難解なものが多く、理解できるか不安だったのですが主催者曰く、
「むしろちょっと聞いて全員が全員理解できるような簡単な内容は採用されない!」とのことで、安心して(?)参加しました。。

内容

https://rubykaigi.org/2022/schedule/

3日間、Aホール,Bホール行き来しつつ(英語がわからないので主にJP)こ参加しました。
どれも興味深い内容でしたが、その中で個人的にいくつかピックアップしてみます。

  • Ruby meets WebAssembly

https://rubykaigi.org/2022/presentations/kateinoigakukun.html#day1

kateiさんによる、記念すべき初日1発目のkeynote。kateiさんは学生ながらRubyだけでなくSwiftのコミッターでもあるつよつよな方。
Ruby3.2から WASMに対応し、なんとブラウザ上でRubyが動く! すごい(小並感)
前半はデモを中心に実際に動くところを見せてもらい、後半はゲキムズパートで、実装には大きな壁があってそれをどう解決したかというお話でした。
Rubyが様々なプラットフォームで動くようになるというのは夢があって良いですね。
今後の動向がとても楽しみです。

  • Making MaNy threads on Ruby

https://rubykaigi.org/2022/presentations/ko1.html#day1

ささださんによる、「Rubyで10万スレッドの処理をしたい」という講演でした。
こういった処理はRubyよりもGo言語が向いているという話は聞いたことがありますが、M:MモデルをRubyでも使うことで、同じように並列処理につよつよになれるのでは?とのこと。
業務アプリでも並列処理はキーワードのひとつなので、個人的にもなかなか熱いテーマです。
(とはいえ例にもれず難解な話で内容おいきれてないので、アーカイブを見て復習しないと・・)

  • Why is building the Ruby environment hard?

https://rubykaigi.org/2022/presentations/hsbt.html#day3

hsbtさんによる、環境構築の際によくあるエラーとその対処法についての講演でした。
ここ最近、環境構築に苦労することが多かった自分にはなかなか刺さるテーマでした。
「ソフトウェアは何もしないと壊れる」という言葉はそっと胸に刻んで、社内に共有していきたいと思います。

  • String Meets Encoding

https://rubykaigi.org/2022/presentations/ima1zumi.html#day3

ima1zumiさんによる、CSV.readの String Encodingのボトルネック及びそれの高速化のお話でした。
CSV.readは業務で毎回使っているので、かなり気になる内容で、
ボトルネック箇所の調査からその対処までを step by stepで わかりやすくまとめられていました。
(といって油断しているといつもなにかC言語の話に・・ 噂によるとRubyKaigiあるあるらしいです)
業務でこのレイヤーで高速化することは中々ないのですが、こういうアプローチは自分でもやってみたいので、
今度個人的になぞってみたいなと思います。

  • TRICK 2022 (Returns)

https://rubykaigi.org/2022/presentations/tric.html#day1

Rubyの超絶技巧プログラミングコンテスト。
アイデア、芸術性の他、コードの読みにくさも評価基準という謎イベント。
4年ぶりの開催ということで、自分は今回初めて存在を知りました。

受賞作品はどれもコードを見てもさっぱり意味がわからず、ただただすごい!と言う感じで圧倒されるばかり。。
Rubyコミュニティの面白さがつまっているような、そんな楽しいイベントでした。
作品は全て github に上がっているので、自分で動かして楽しむことができるので2度美味しい。

  • Matz Keynote

https://rubykaigi.org/2022/presentations/yukihiro_matz.html#day2

Rubyは毎年死んでいるらしいです(笑
結構そういう話はあるなぁとは思ってましたが、やっぱりそういう声は届くんですね。。
他の言語を知らない自分は、よくあるそういった声に踊らされてしまう側ではあったのですが、
生みの親であるMatzの声を直接聴けたので、もう振り回されることはありませんね。
コミュニティの大切さ、価値を生み出していくことの大切さを説き、
Rubyは価値を生み出し続けているしこういった多くのコミッターの力添えで進化し続けていっているから大丈夫!
といったエモいお話をきけました。

その他取り上げだすときりがないですが、JITの話、RBS話など、興味深いお話が満載でした。
特にJITの話は基本的に英語で内容も難しく、そもそもJITをよく知らない問題があるので、
過去のRubyKaigiのアーカイブから見直しつつ、もうちょっと掘り下げていきたいなと思います。

参加してみての感想

「楽しかった!」の一言につきますね。
やはり話の内容は非常に難解なものが多く、なるほどわからんっ なことが多々ありましたが、
そういった最先端な話を聞いているとなんかモチベーションも上がってきます。

今まで業務でRubyを扱っていたとはいえ、なかなか「RubyはC言語で書かれていて〜」ということをあまり意識することもありませんでした。
発表を通してそういったアプローチにふれることで、低レイヤーな部分にも興味がわきました。
自分はRubyしか書いたことが無いのですが、これを機会にRubyを通してCやRustも少しさわってみたいです。

またRubyコミッター,コントリビューターさんがどういう人なのかを発表を通して知ることができたのも良かったと思います。
普段使っているRubyという言語はこういった人たちの努力で支えられているんだなぁと。
自分はまだまだ使うばかりの人ですが、ただ口を開けて待っているだけでなく、
こういったコミュニティーに参加したりして、もっといろいろなことを知っていかないとなと感じました。

オンラインも気軽で悪くはないと思うのですが、こうやっぱりオフラインで目の前で聞けるほうがいいですね。
臨場感があってより印象にも残ります。
お祭り感もあるし、美味しいものも食べれるし

課題

言語の知識面での課題も多々感じましたが、今まであまりコミュニティーに参加してこなかったというのもあって周りはほぼ知らない人ばかり。。
少し交流できたものの、いろんなコミュニティに参加して顔を広げておければもっと楽しめたのかなぁと思いました。

あとは英語力の無さが痛い。。
講演はスライド見ながら追いかけたもののやっぱり何言っているのかはさっぱりわからず、
会場には外国の人もたくさん来ていたのですが、ほとんど交流することはできませんでした。

お釣り切れの自動販売機でコーヒー買おうとしてお金入れてボタン押しても買えないって困っている外国の方に
「釣り銭が切れているから買えないのでこの小銭使ってください」って伝えたかったのですが、
全く何言えばよいのかわからず笑顔で30円渡すだけに・・(でもなんとなく伝わったのか無事にコーヒー買えて解決)
coinとかempty とか use this とかいえばよかったのに、とっさになると声に出ないですね。
少しでいいから英語力を・・
※ ちなみに釣り銭切れは「use correct change」って言うそうです。

まとめ

初のRubyKaigiオフライン参加。冒頭でも書いたとおりとても充実して楽しい3日間でした。
発表されたコミッター,コントリビューターの方々、それに運営に携わったスタッフの皆様方大変お疲れさまでした。
途中インターネットが死ぬというまさかの出来事もあり大変だったかと思いますが、最後まで本当にありがとうございました。

また、今回は会社のサポートで勉強会の一環として参加させてもらいました。
三重という中々の遠方にもかかわらず、快くOKしてくれた会社はもちろん、時間が迫る中
急ぎでチケットや宿などを手配してくれた なこじさん、忙しい中3日間ほど抜けた中でフォローしてくれた同僚のスタッフ様々な方々の助けがあって、素敵な3日間を過ごすことができました。
ちなみに来年は長野県松本市で開催だそうです。(チラっ)

最後に

hachidori 株式会社では、現在フロントエンジニア(TypeScript/vue,react)を募集中です!
「弊社は、すべての人が、人間にしかできない価値ある仕事に集中できる世界を作りたい。」
Rubyでそんな思いを実現すべく、現在チャットボットプラットフォーム,シフト管理アプリ,ビデオメッセージツールの開発,運用を行っています。
カジュアル面談もOKですので、興味のある方は是非お声がけください。
詳細はこちらのTwitterへ!
https://twitter.com/nakojiki

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