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負荷分散について
負荷分散とは
負荷分散(Load Balancing)は、複数のコンピュータ、ネットワークリンク、CPU、ディスクドライブなどのリソースに対して、負荷を分散させることによって、システムの可用性と応答性を向上させる技術です。サービスへのリクエストが集中した際に、単一のサーバに過度の負荷がかかることなく、処理を分散することで、システム全体のパフォーマンスを保持します。
リクエストを振り分ける負荷分散
概要
リクエストレベルでの負荷分散は、着信リクエストを複数のサーバーに分散させることによって行います。これにはいくつかの方法があり、ラウンドロビン、最少接続、IPハッシュなどのアルゴリズムが使用されます。
メリット
- パフォーマンス向上:単一サーバーへの負荷が軽減され、応答時間が短縮されます。
- 可用性の向上:一つのサーバーがダウンしても他のサーバーが処理を引き継ぐため、サービスの中断が少なくなります。
- スケーラビリティ:需要に応じてサーバーを追加・削減することが容易です。
デメリット
- 管理の複雑さ:サーバーが増えると管理が複雑になります。
- セッション維持の問題:ステートフルなアプリケーションではセッション情報を各サーバー間で共有する必要があります。
キャッシュサーバーを利用したサーバーの負荷分散
概要
キャッシュサーバーを使用する負荷分散では、頻繁にアクセスされるデータやコンテンツをキャッシュしておき、リクエスト時にはキャッシュから直接コンテンツを提供します。これにより、バックエンドのサーバーへのリクエスト数を減らすことができます。
メリット
- レイテンシの低減:データがキャッシュされているため、バックエンドまでの往復時間が不要になります。
- バックエンドの負荷軽減:キャッシュが応答することで、バックエンドサーバーのCPUやメモリなどのリソースを節約できます。
- スケーラビリティの向上:キャッシュを増やすことで、容易にシステムをスケールアウトできます。
デメリット
- キャッシュの管理: キャッシュの状態を適切に管理する必要があります。古いデータが提供されないように注意が必要です。
- コンテンツの種類に依存: 動的コンテンツにはキャッシュが効きにくいため、すべてのコンテンツには適していません。
コンテンツ配信サービスの概要
コンテンツ配信サービス(CDN: Content Delivery Network)は、世界中に分散した複数のサーバーにコンテンツをキャッシュし、ユーザーに最も近いサーバーからコンテンツを配信することで、レスポンスタイムを短縮し、バックエンドの負荷を軽減します。これにより、ユーザーに対する高速なコンテンツ提供が可能になります。
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