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【卒論作成】PDFからTEXに変換して、簡単に編集できるのか?!

2025/01/18に公開

記事の背景

卒業論文を書く際、先輩が執筆したPDF形式の論文を引き継ぐことがあります。しかし、TeXのソースコードがない場合、一からTeXで書くには手間がかかります。そこで、「PDFからTeXに変換して編集し、再度PDFにすれば簡単に卒論を作成できるのでは?」 と考えたことがあるかもしれません。

しかし、結論から言うと、PDFからTeXに変換して編集することはおすすめできません。その理由と、より効率的な方法を紹介します。


PDFからTeXに変換するツール

PDFからTeXに変換するツールはいくつか存在します。
今回は、以下を実際に使用してみた結果をレビューします。

  • ASPOSE
  • ConverterApp
  • GROPDOCS
  • FILEFORMAT

上記ツールの問題点

非効率で編集しにくいコードが生成され、編集の手間が大きい

柔軟性の欠如:
変換されたコードは、特定のレイアウトに固定されており、新しい内容を追加したり、既存の内容を修正したりするのが難しいです。


具体例1: 文章の記述

生成されるコード:
文章が1文字ずつ絶対座標と共に記述されており、文章の編集によりレイアウトが崩れてしまう。

\put(93.10402,-316.941){ptm}{m}{n}\selectfont\color{color_29791}}
\put(104.6765,-316.941){ptm}{m}{n}\selectfont\color{color_29791}}
\put(116.2375,-316.941){ptm}{m}{n}\selectfont\color{color_29791},歩}
\put(139.3136,-316.941){ptm}{m}{n}\selectfont\color{color_29791}}
\put(150.8746,-316.941){ptm}{m}{n}\selectfont\color{color_29791}}

適切なコード:
文章をまとめて記述。

\fontsize{11.5035}{1}\usefont{T1}{ptm}{m}{n}\selectfont\color{color_29791}
近年,歩容と呼ばれる人の歩き方の特徴を用いた生体認証である歩容認証が主に防犯・科学捜査の場面で利用されている。

具体例2: 画像とキャプションの記述

生成されるコード:
画像とキャプションが別々のコードで絶対座標(\put(100, 200))が記述されているため、どちらかの位置を変更するとそれに合わせて、もう一方の位置も変更する必要があります。

\put(100, 200){\includegraphics{image.png}}
\put(150, 250){\text{This is a caption.}}

適切なコード:
画像の位置に応じた適切な位置にキャプションがつくようになっています。

\begin{figure}[htbp]
    \centering
    \includegraphics[width=0.5\textwidth]{image.png}
    \caption{This is a caption.}
    \label{fig:example}
\end{figure}

具体例3: フォントや文字の読み取りエラー

変換ツールがフォントや特殊文字を正しく認識できない場合、以下のような問題が発生します。

  • 文字化けや欠落が発生する。
  • 手動でフォントを指定する必要がある。

具体例4: コードの膨大さ

50ページの論文が24,000行のTeXコードに変換されることもあります。これでは、chatGPT等で上記の記述方法の問題を解決するにしてのも、非常に困難となります。


結論

PDFからTeXに変換するツールは存在しますが、生成されるコードは編集が難しく、卒論や修論の作成には適していません。


追伸

研究室にいる他の先輩からTeXコードをもらうことができれば、レイアウトの面で大きなアドバンテージがあります。内容は自分で書く必要がありますが、レイアウトの手間が省けるのは大きなメリットです。ぜひ、先輩に相談してみてください!

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