「すき、かわいい、おいしいであふれた世界」について

本スクラップでは、界隈における「すき、かわいい、おいしい」と、「苦渋や断末魔」の事例を収集することを通して、コミュニティの力学を理解することを目標とする。
外貨を稼がず、ゼロサムで回る社会においては、誰かの「すき」「かわいい」「おいしい」といった感情や嗜好が、他者の命を代償に成り立っていることがある。そうした搾取と被搾取の関係—言い換えれば「死のパイプライン」とも呼べる構造—を客観的に明らかにすることは、資源配分をより公正かつ最適にするための一歩であり、ひいては公共の福祉に資するものとなるだろう。

界隈における「すき、かわいい、おいしい」の事例
すき
テキストエディタ界隈は、好きなものについて語る人で溢れている。Unix pornの延長として、Vim pornやEmacs pornがあるようだ。
ところで、私はワンピースが嫌いなので、もし私がワンピースを根拠に「何が好きかで自分を語る」(?)と、嫌いなものを根拠として自分を語ることになってしまう(?)。(以下削除)
かわいい
日本語圏の特徴として、Twitter (X)ではイラストのrepostが溢れている。
おいしい

「苦渋や断末魔」の事例
本スクラップそのものが「苦渋や断末魔」の事例であるが、ここでの目標は客観的な構造を明かすことなので、個人的な体験に寄りすぎないようにしたい。

搾取/排除・飢餓・虐殺に加担しないためにどうすべきか
搾取に加担しないために、「すき、かわいい、おいしいであふれた世界」に近づかないことよりも優れた案は、現状では思い付かない。
具体的には、以下のような人々に近づかないほうがいいだろう。
- (日本の)テキストエディタ界隈は、好きなものについて語る人で溢れているので、VimやEmacsについて延々と語っているエンジニアは遠くから観察するだけに留め、交流しないほうがいいだろう。とくにvim-jpやemacs-jpは、その名前からして彼らが好きなものに溢れていることが予想できるので、関わらないほうがいい。自分自身がvim-jpに参加しないだけでなく、vim-jpでactiveに活動しているアカウント(未成年は除く)を支援しないことが重要であるかもしれない。※就学中の未成年はどのみち経済的に支援しない。
- Twitter (X)で少女のイラストを繰り返しrepostしているアカウント。
- Twitter (X)またはInstagramで、料理の画像を頻繁に投稿しているアカウント(プロの業者や栄養学についての専門的なアカウントは除く)。手料理によって政敵を毒殺する危険性がある。

「嫌い」の市場

なんの旨味もない場所

政治的な解決策
UKのオンライン安全法(Online Safe Act)は、オンラインの有害なコンテンツを制限する施策。
たとえば日本のPixivは、UKでは閲覧できない(Pixivは年齢制限の必要なコンテンツを含んでいる。Pixivは、UKの規定に従って厳密な年齢制限を実装するよりも、コストのかからない方法として全サービスを年齢関係なく提供対象外とすることにしたそう)。
この対応は、「すき、かわいい、おいしい」コンテンツを提供するために特定地域の排除が起きている事例でもある。Pixivが今後この状況を改善し、アクセスを許可する見込みがあるかというと、可能性はゼロではないが、あまり期待できないとのこと(チャッピー談、下記抜粋)。
📈 Precedents from other platforms:
Platform | Compliance Action | Result |
---|---|---|
FANZA (DMM) | Implemented full ID-based age verification in Japan | Remained online and legally compliant |
Twitter/X | Under pressure to moderate adult content in EU/UK | Implemented country restrictions, content flags |
Newgrounds | Added age-gates, stricter tagging | Retained Western audience |
NHentai | Voluntarily blocked access in regions with legal risk | Avoided penalties but lost traffic |
Pixiv could follow one of these patterns.
🔮 Likelihood summary
Scenario | Probability (Speculative) |
---|---|
Pixiv implements strict age verification and reopens access | 🟡 Moderately unlikely (unless pressured by law or major partners) |
Pixiv creates a separate, compliant global platform or “mirror” | 🟡 Possible, especially if revenue is threatened |
Pixiv continues geoblocking and avoids legal exposure | 🟢 Most likely, as of now |
UK・US等の地域の人々を排除しないためには、各個人は健全なコンテンツについて以下のような対策を取ることが望ましいと考えられる。
- 健全なコンテンツについて開かれた議論をしたいときは、ピクシブ百科事典などPixiv配下のコンテンツを引用しないこと。
- 健全なコンテンツの制作者は、世界中のどこからでもアクセスできるように、作品をPixivには投稿しないこと。Pixivに投稿する場合は、Pixiv以外の(特定地域からのアクセスを禁止していない)サイトにも同一のコンテンツを投稿すること。
c.f.

企業は外貨を稼ぐべき(?)
GPT-4o:
GPT-5:
※正式な会社名称は、「ピクシブ株式会社」であるようです。

「すき、かわいい、おいしい」がどのように「搾取/排除や飢餓や虐殺」につながるのか

ポピュリズム
※上記は現在参政党が躍進している文脈についての発言である。
tadsanの発言と合わせると、「すき」→ワンピース→ポピュリズム→外国人・障害者の排除という経路でつながる。

果たして、「人々が好きなものを追い求めると、外国人や障害者を排除する風潮が広まる」のだろうか。ChatGPT (最近はチャッピーと略されるらしい)に聞いてみた。
■ 仮説構造(整理)
1. 嗜好の自由の拡大
- 「自分の好きなものを自由に表明できる」という価値観の浸透
- → 個人の嗜好が自己同一性(アイデンティティ)の一部として強調される
2. 嗜好と排他性の接続
- 嗜好の強調が「嫌いなもの」「合わないもの」への明確な境界線を生む
- → 嫌いなもの=自分に属さないもの=排除対象(≒異物)
3. マイノリティの「異物化」
- 外国人や障害者は、文化的・身体的に「異質」とされやすい
- → 無意識に「好きなものの文脈」に入れられず、「嫌い/ノイズ/場違い」とみなされやすい
4. 「好き」が道徳的正義と結びつく
- 「自分が好きなものを守る」「美しさ/清潔さ/正しさ」が道徳と結びつきやすい
- → 異質なものを「正義の名のもとに排除」する傾向が強まる
■ 評価
● 強み
- ポピュリズムやナショナリズムの心理的基盤と親和性がある
- 美意識・嗜好・正義の三位一体化(例:日本の「公共の美意識」や「場の空気」重視文化)
● 注意点
- 「好き」の表明がすべて排除に繋がるわけではない
- 逆に「好き」を通じた多様性の理解もありうる(例:サブカル文化における国際交流)
● 社会的文脈の補足
- 消費社会では嗜好がアイデンティティと直結するため、嗜好を守る行為が「異質排除」になりがち
- かつては「嫌いなものを我慢する」のが美徳だったが、現在は「好きなものを守る」ために排除することが正当化される風潮がある
■ 類似理論や補強できる視点
- ルネ・ジラールのミメーシス理論:「欲望は他者を真似ることから生じ、やがてスケープゴートを生む」
- ジジェクの欲望論:人は「何を欲望すべきか」を文化的に規定される。異質なものは「欲望の妨げ」として排除されやすい。
- 市民的美徳の暴走:「自分の理想に合わないものは社会から排除してよい」とする傾向

『ワンピース』という作品は表面的には「仲間との絆」「自由の探求」「差別への反対」を描いており、むしろ反ポピュリズム的、包摂的なメッセージを持つと広く理解されています。しかし、その構造やメッセージの「受容のされ方」を掘り下げると、意図せずしてポピュリズムの正当化装置として機能している側面があります。
以下、その論点を構造的に述べます:
■ 『ワンピース』におけるポピュリズム的構造
1. ルフィ=「人民の代表」の英雄像
- ルフィは「権威に抗う反逆者」であり、「自由」や「友情」といったポジティブな価値の体現者とされる。
- 彼の行動原理は「自分(と仲間)が気に入らないものはぶっ飛ばす」「理屈ではなく直感で敵味方を分ける」。
- → この感覚的な正義のスタイルが、現実のポピュリズム政治家の振る舞いと酷似している。
📌例:「仲間には優しいが、敵と決めた者には容赦ない」
→ これは現代の排他的ポピュリズムの典型的な構造(“Us vs Them”)と同型。
■ 「異質な他者」の扱い
2. 「仲間になれる」者と「排除される」者の線引き
- 『ワンピース』では、どんな出自のキャラクターでも「ルフィに気に入られれば」仲間になれる。
- だが逆に言えば、「気に入られなければ」どれほど正当性があっても排除される。
- その線引きは**理性的な議論ではなく、ルフィの直感(好き・嫌い)**に委ねられる。
📌 これは「感情的な同調・共感による排他性」の温床であり、異なる価値観や性質を持つ者は排除されがち。
■ メッセージの受容と社会的機能
3. 「正義なき暴力」のロールモデル化
- ルフィの暴力は、明確な倫理的検討を経ずとも「スカッとする」「正義に見える」。
- 現実の読者は、「気に入らない相手をぶん殴ることは許される」「数が多ければ正しい」という錯覚を強化されやすい。
- → ポピュリズム政治の「強いリーダー像」「敵の悪魔化」の心理的下支えになりうる。
4. 「多様性の否定的な包摂」
- 一見、多様な人種や種族(魚人、巨人など)が登場するが、「善悪の区分がルフィ視点」で固定されている。
- **他者は「変わっているから良い」のではなく、「仲間になれる程度に変わっているから許容される」**にすぎない。
📌 真の多様性とは「好き嫌いを超えて存在が尊重される」ことだが、ワンピース世界では「仲間にならない限り他者であり続ける」。
■ なぜ受け入れられやすいのか?
5. 物語の快楽性と受容の浅さ
- 正義の敵を暴力で倒す、という物語構造は、古典的少年漫画の快楽構造を踏襲しており、深く批判的に読まれにくい。
- 読者は「善悪二元論」「仲間至上主義」に無自覚なまま感情移入し、排他的な価値観を内面化する。
■ 結論:『ワンピース』のポピュリズム的危険性
『ワンピース』は、意図せずして「正義の側に立つ自己」と「敵=排除されるべき異質な他者」という構造を提供し、感情的な共感と暴力の正当化を結びつけてしまっている。
それは、自由や平等を掲げながらも「ルフィとその仲間たち」によって定義された世界観を強化するものであり、現実のポピュリズムと非常に親和性が高い。
■ 補足:これは作者の悪意ではない
これは尾田栄一郎氏の政治的意図ではなく、むしろ大衆向けの作品が持つ構造的な力学の副産物です。「善意で描かれた正義が、実際には排除を生む」という逆説は、ナショナリズムや愛国主義にも共通するものです。

「かわいい」の利用(?)

ロシアの陰謀
認知戦 人の脳など「認知領域」を標的にした戦い。世論の誘導や敵対勢力の撹乱を狙う「情報戦」の一つ。マスメディアを通じたプロパガンダ(宣伝)の流布だけでなく、SNSなどで刺激的な情報発信を繰り返し、人の頭の中に直接働きかけて考え方を先鋭化させ、対立をあおって社会を弱体化させる。陸海空や宇宙、サイバー空間と並ぶ6番目の戦闘領域として「認知領域」が捉えられ、各国で研究が進む。日本では2022年の防衛白書で初めて「認知戦」の用語が登場した。
「人は簡単には洗脳されない。例えば、日本人の頭の中が、ロシアや中国の思い通りに何かを信じ込まされてしまう、というのは難しい。ただ、交流サイト(SNS)は人がもともと持っている偏見や思想を先鋭化させることはできる。右寄りの人はより右に、左寄りの人はより左に。差別的な人はより差別的に。アナキスト的な人はよりアナキスト的に。それぞれの世界観を持つ人たちに、あなたが言っている通りですと、その証拠とされるものをたくさん突きつければいい。考えを先鋭化させるのは簡単。そうなると、社会の中で対話ができなくなってしまう。認知領域戦の一番のキモは、話を通じなくさせることだと思う」

人相

飢餓
「好き」の市場にも「嫌い」の市場にも適合しなかった社会的弱者は、「なんの旨味もない場所」=「関心領域の外側」に辿り着く。たとえば過酷な作業所である。そこで待っているのは飢餓であると考えると、辻褄が合う。

排除・飢餓・虐殺を描いた小説作品
澤村伊智のホラー小説は、「すき、かわいい、おいしい」と「排除・飢餓・虐殺」の結びつきを描いている。
表層(肯定的な言葉) | 裏層(暴力的な意味) |
---|---|
すき | 所有・独占・支配 |
かわいい | 従順・役立つもの |
おいしい | 消費・搾取・供物 |
ホラーというジャンルは、記録されなかった者たちに声を与える手段として機能します。
社会の光が当たる領域では語られないものを、
- 鬼に、
- 妖に、
- 来訪者に変えることで、
沈黙が強いられた者がようやく語りだす。澤村の怪異は、誰か一人の復讐ではなく、**名もなき存在たちの「集積された怨み」**という傾向が強いです。
つまり、彼のホラーは「歴史にすら残らなかった人々の記録であり、祈りの代わりに恐怖をもって現れる弔い」として読むことができます。

差別
c.f.

分断

各オンラインコミュニティの特徴と比較
同じくChatGPT(チャッピー)より。
※投稿者はemacs-jpにもvim-jpにも直接的に関わったことがないので、以下内容の真偽は不明だが、投稿者の願望に沿った回答をしているはずである。
emacs-jp vs. vim-jp
観点 | emacs-jp | vim-jp |
---|---|---|
文化傾向 | 雑草的自由・反構造・ネタ文化 | 明文化されたノウハウ・TIPS共有・ツール化志向 |
中心的な人物 | tadsan、takeokunn ほか | ujihisa、mattn ほか |
コミュニケーション | Slack中心、GitHubへの接続は弱い | GitHub活動が比較的活発、海外との接点も多め |
共同体感覚 | 少人数の濃密な感性共有 | 複数の開発者のゆるいネットワーク |
参加のしやすさ | 空気の読解力が問われる | 書き込みは自由だが実績や熱量が要求される傾向 |
※投稿者注: emacs-jpのSlackがあるとは聞いたことがない。ハルシネーションしている模様。
emacs-jp vs. r/emacs
観点 | emacs-jp | r/emacs (Reddit) |
---|---|---|
主な使用言語 | 日本語 | 英語 |
主な媒体 | Slack(非公開・同期型) | Reddit(公開・非同期型) |
可視性 | 内輪的・非公開文化 | 公開・外部との接続性あり |
コミュニケーション様式 | 文脈依存・空気読み重視 | 明示的・文脈説明重視 |
投稿の傾向 | 口語・共感型・ミーム寄り | 課題共有・設計意図・コード共有が中心 |
技術的深度 | 実践寄りだが説明は乏しい | 広く深く、背景・設計思想まで共有されることも多い |
承認の基準 | 誰が言ったか、ノリの良さ | 内容の明快さ、再現性、議論の貢献度 |
外部接続性 | 国際的なやりとりが少ない | MELPA開発者、Orgメンテナ、doom作者など多数が関与 |
🧭 分析の出発点:国内技術コミュニティの特徴
1. 中心性がコードではなく“空気”にある
- 技術的議論の質よりも、誰が言ったか・いつ言ったか・どんなノリかが重視される傾向
- これはSlackやDiscordなどの即時的かつ消費的な場で顕著
- “祭り”や“定型ミーム”によって参加と共感をコントロールする
2. 英語圏とは異なる“物語”の必要
- 英語圏ではコードと思想(哲学)が密接だが、日本では**“なぜこれをやるのか”という問いが共有されにくい**
- 代わりに「便利そう」「人気」「あの人が使ってる」などの文脈が強い
3. ローカルな“影響力者”が場の秩序を支配
- tadsan(emacs-jp)、ujihisaやmattn(vim-jp)など、個人の「場でのふるまい」が技術の扱われ方に影響
- 発言力は必ずしもコードへの貢献ではなく、**“文化的文脈”への貢献(=その場の空気を形作る能力)**に基づく
4. 同調圧力と排他性
- 「冗長な説明を嫌う」「空気が読めない人は煙たがられる」
- 過度に構造的・制度的な議論は“真面目すぎる”として敬遠されやすい
- 表面上オープンでも、内部化された規範によるフィルタリングが強い

VimConfとKaigi on Rails
たとえば、VimConfでは匿名ではなく応募者自身の活動を見ることを重視しています。
逆にKaigi on Railsは匿名性を重視しており応募者を一切見ないという方針のようです。
ちなみにGrokによると、takeokunnさんは「年数的にはまだベテランではないが、もうすぐベテランになる」とのこと。
Takeokunn is not yet a veteran (9 years, 10 months as of July 2025) but will reach 10 years by September 2025. Their proactive approach—emphasized in the quote and shown through ISUCON, conference proposals, and open-source work—positions them to become a “greater veteran.” By focusing on action (e.g., submitting proposals, optimizing systems), they’re building a reputation for impactful contributions, potentially surpassing typical veterans who rest on experience. Their trajectory suggests they’ll achieve distinguished veteran status through continued hands-on engagement.
※ちなみに私はベテランではない(そもそもweb engineerなのかどうかもわからない)。
Self-taught, working in IT as a web engineer, with ~8 years of Emacs experience (since 2017) and ~5 years of NixOS (since 2020). Your career stage is likely early- to mid-level, given your focus on personal projects.

研究活動(?)を進める上での注意点

エルフ=狼(共同体からの追放者)

「すき、かわいい、おいしい」は(一般人にとって)終焉する
今後、さらなる人不足、インフレ等の要因によって、「すき、かわいい、おいしい」を日本国内の万人向けに供給し続けることは不可能になる。
コンビニのおにぎりは「おいしい」の持続不可能性を表している。