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共有シーケンサー(Shared Sequencer)とロールアップ

2024/10/06に公開

この記事は、以下の動画の内容のまとめです。
https://youtu.be/l7FSZligBDM?si=qpXGSrwOoc4c-3yx

はじめに

共有シーケンサーは、複数のロールアップが利用できる共通のトランザクション順序付けレイヤーです。この記事では、共有シーケンサーの重要な技術的側面と、それがブロックチェーン生態系にもたらす影響について解説します。

共有シーケンサーとは

共有シーケンサーは以下の特徴を持つシステムです:

  • 複数のロールアップに対して、トランザクションの順序付けサービスを提供
  • 高速なファイナリティを実現
  • トランザクションの順序付けを分散化
  • MEV(Maximal Extractable Value)の制御を可能にする

なぜ共有シーケンサーが必要か

従来のロールアップでは、以下のような課題がありました:

  1. 各ロールアップが独自のシーケンサーを必要とする
  2. トランザクションの順序付けが中央集権化されている
  3. ユーザー体験(特にレイテンシー)の最適化が困難

共有シーケンサーは、これらの課題に対する解決策として登場しました。

共有シーケンサーの主要な技術的特徴

1. コンセンサスメカニズム

共有シーケンサーは、独自のコンセンサスメカニズムを持ち、以下の特徴があります:

  • 高速なファイナリティ(数秒レベル)
  • 大規模なバリデーターセット(数千ノード)をサポート
  • 可用性よりも高速性を重視

2. MEVの制御

共有シーケンサーは、MEVの制御に関して重要な役割を果たします:

  • オーダーフローオークションの実装が可能
  • トランザクションの順序付けを公平に行うメカニズムの提供
  • プログラマブルなMEV捕捉メカニズムの実装

3. Base Rollupとの関係

Base Rollupは共有シーケンサーの重要なコンポーネントです:

重要な考慮点

  1. 決定論的な処理

    • ロールアップの状態遷移関数は決定論的である必要がある
    • トランザクションの順序付けルールは明確に定義される必要がある
  2. 価値捕捉メカニズム

    • ロールアップ自体が価値を捕捉する方法の設計が重要
    • MEVの再分配メカニズムの実装が必要
  3. セキュリティとプライバシー

    • 閾値暗号化などのプライバシー保護機能の実装
    • 検証可能なシーケンシングルールの適用

今後の展望

共有シーケンサーは、以下のような可能性を秘めています:

  • より効率的なクロスロールアップ通信
  • 改善されたユーザー体験(低レイテンシー)
  • より公平なMEV分配メカニズム
  • スケーラビリティの向上

まとめ

共有シーケンサーは、ロールアップの実装をより簡単にし、ユーザー体験を向上させる重要な技術です。MEVの制御や効率的なトランザクション処理など、多くの利点をもたらす一方で、実装には慎重な設計と考慮が必要です。

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