非エンジニアに向けたPCの選定の記録
はじめに
エンジニアをしていると「パソコンの選び方がわからないからおすすめを教えて」と質問された経験があると思います。正直使い方によって良し悪しはそれぞれなのですが、それをそのまま伝えるわけにもいかず、私なりのPCの選び方をまとめておくということで記事にしてみます。
前からZennに興味があったので、せっかくならZennを使用してみようという魂胆もあり、ドキュメント化しました。Zennを活用される方にとってはこの程度は常識レベルだと思いますので、悪しからず。
要求事項(ヒアリング結果)
■対象
両親(非エンジニア)
■背景
Windows7時代から8→10へとアップデートをしていたPCだが、ついに買い替えを決心。
Windows7から10へのアップデートも昔私がしましたが、当時から悲鳴を上げていたので、
よく生き永らえたと感心している次第です。
(CPUが10年以上前のceleronでした。ほんとすごいよ...)
■用途
ネットサーフィン・ブログの更新、エクセルによるデータ入力など
■その他
・ノートPCの購入を希望
・OSはWindows
・Officeはなし。(Microsoft社が出している無料利用の範囲内で利用)
選定の観点
ノートPCを希望していたので、デスクトップPCは除外しました。
普段私がPCを購入する時、まず中古or新品かを検討しますが、中古PCは保証も薄くギャンブル要素も高いため、素直に新品のPCの購入方針で進めていきます。
またドスパラなどのBTOパソコンはどうしても高性能になってしまい、予算オーバーになることが目に見えているので今回は対象外としています。
以下が私が普段PCを選定するときに確認する観点です。今回は対象者に合わせてアレンジして設定してみました。購入するときは下記内容は最低限確認するようにしています。
| カテゴリ | 今回選定する PC |
備考 |
|---|---|---|
| CPU | 1.6 GHz 2 コア以上 |
使用したいソフトウェア、アプリケーションの必要要件によって選定します。今回はOffice Home & Business 2024 の必要要件を参考にしました。 (正直このスペックを満たさない新品PCなどないと思います) |
| GPU | 選定なし | CPU同様使用するソフトウェアの必要要件によって選定します。 今回はGPU搭載PCは不要と判断し除外しています。 |
| メモリ | 8GB以上 | 少し前までは4GBで十分だと思っていましたが、ブラウザ起動がかなり もっさりするので8GB信者に改心しました。最近はオンボード型PCが ほとんどでメモリ増設ができないことから多めに持っておいたほうが良いと思います。 |
| ストレージ | SSD or HDD 128GB以上 | 個人的には500GB以上ほしいですが、こまめに外付けHDDに移動させるため問題ないと思います。あと予算が許すならSSDにしたいです。 OSの起動時間が段違いなので。 |
| I/F | USB3.0 TypeC HDMI |
TypeCとマウス用があれば十分かと思います。必要であれば外付けを使用すれば良いですし。 |
| サイズ | 14インチ以上 | 小さすぎるとキーボードのタッチがストレスになり、個人的には△です。使用用途的に持ち運ぶことはないため、大きいものを選定予定です。 |
調査メーカー
シェアの高い、Lenovo,NEC,富士通,HP,DELL,Dynabookを候補として調査を行いました。
個人的にはHPとDELLが好みです。

https://mbp-japan.com/saga/pc-pro/column/5138354/ より参考
調査1 LENOVO
選定したPCは以下。もう少し値段を抑えたい印象
PC名 : Lenovo V15 Gen 4 AMD
値段 : ¥68,970

調査2 NEC
選定したPCは以下。ほかのPCに比べて少し値段が高いので、今回は見送り予定。
PC名 :LAVIE Direct N15 Slim
値段 : 89,980円
調査3 富士通
選定したPCは以下。最安で選びましたが、CPUがCeleronを使用しており、若干不安があります。
CPUのベンチマークは後ほど比較しますが、値段にやや釣り合っていないと思います。
PC名 : FMV Lite WA1/J2
値段 : 89,800円
調査4 DELL
選定したPCは以下。一番安価で必要要件を満たしていると思いますので、一番の推しです。
PC名 : DC15255
値段 : 55,228円

調査4 HP
選定したPCは以下。メモリが4GBでオンボーディング型なので増設不可なのが気になります。
PC名 : 14-em0002AU
値段 : 49,800円
調査5 Dynabook
選定したPCは以下。富士通同様CPUに懸念があります。
値段にあっていないので今回は見送りでよいと思います。
PC名 : KZ20/Y
値段 : 76,780円
調査 ベンチマーク比較
パソコンの性能を一番決定づけるのはCPUなので、ベンチスコアを比較しておきます。
参考にしたベンチマークソフトはPassMarkです。メモリによってもスコアは異なるのですが、ざっくりした目安として参考にしています。
(データがなかったりするので、シングルスコアの評価は割愛します。)
| メーカ | CPU型番 | マルチスコア |
|---|---|---|
| LENOVO | AMD Ryzen™ 5 7430U | 17065 |
| NEC | AMD Ryzen™ 5 7535HS | 17425 |
| 富士通 | インテル Celeron プロセッサー 7305 | 2247 |
| DELL | AMD Ryzen™ 3 7320U | 9384 |
| HP | AMD Athlon™ Silver 7120U | 4978 |
| Dynabook | インテル Celeron N4500 | 2049 |
まとめてみるとLenovoとNECが飛び抜けていることがわかります。個人的に良い予感がしなかったCeleronはやはり性能的に見劣りしていました。参考までに今回のPassMarkの目安は以下になります。
(あくまで記事を作った人の主観による目安です。)
用途的に考えるとLenovoとNECはややオーバースペックな印象ということになります。

まとめ
いろいろ調査した結果をまとめてみます。
| メーカ | CPU性能 | メモリ | ストレージ | 値段 |
|---|---|---|---|---|
| LENOVO | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 |
| NEC | ◎ | 〇 | 〇 | △ |
| 富士通 | × | 〇 | 〇 | △ |
| DELL | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
| HP | △ | △ | △ | ◎ |
| Dynabook | × | 〇 | ◎ | △ |
値段の評価は私の個人的な主観マシマシで評価しています。
予算に余裕があればLenovoでよいと思いますが、使用用途と値段的から、DELLのPCが
一番ちょうどよいと結論付けました。
この記事をそのまま公開して両親に読んでもらい、購入を検討いただきます。結果は後述します。
結論
本記事を公開して両親に読んでもらい、DELLのPCを即決して購入する運びとなりました。
先日無事に納入されてセットアップもスムーズに完了し、現在機嫌よく動作しているみたいです。
特にPCの立ち上がり時間が爆速になっていたことを喜んでいました。
HDDではなく、SSDをおすすめしてよかったです。

振り返り
今まで何となくで選定していたPCを改めて言語化してみました。
PassMarkをもとにベンチスコアを一覧化するなど1つ1つ丁寧に比較していく中で、CPU性能の差を再認識することができました。同じようなスペックでも値段がかなり異なっていたので、パソコン問わずですが、相見積もりは大事だということも学びました。
(私が重要な仕様を見落としている可能性はありますが...)
タイミングによっては別のメーカのパソコンが良い場合もあると思います。購入するときは主要メーカのサイトを回って比較してみることをお勧めします。今回の記事で値段の安いPCを購入し後悔してしまう人が1人でも少なくなれば幸いです。
また、今回調査していた時はどこのメーカもセールをしていました。この手の調査をしているときは、たいていセール中であり、年中セールをやっているイメージですが、結局一番安いシーズンはいつなのでしょうか?
参考資料
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