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2022 年の振り返りと 2023 年の抱負 〜オープンロジに 1 人目の機械学習エンジニアとして入社して〜

2023/01/15に公開

仕事

株式会社オープンロジに 1 人目の機械学習エンジニアとして入社してだいたい 2 年が経ちました。この間にやってきたことの振り返りと今後の抱負を書いておきます。事業開発との関わりが深く、やってきたことの大部分が守秘義務に触れそうなので、抽象的なことしか書いていません。ご容赦ください。

2021 年 3 月 オープンロジへの入社

一昨年のことになりますが、株式会社サイバーエージェントを退職して、2021 年 3 月に株式会社オープンロジに 1 人目の機械学習エンジニアとして入社しました。オープンロジは従量課金・固定費なしの物流アウトソーシングサービスです。物流業界は歴史が古く、Amazon などの超大手を除く多くの物流・倉庫会社では効率化・データ活用を進めにくい現状があります。オープンロジはデータで物流を革新するというビジョンを掲げており、広範な物流データを蓄積・活用して全体最適を目指そうとしています。

転職活動をしていた際に、Wantedly でメッセージをいただき、以下のような点に魅力を感じて入社しました。

  • ビジネスモデル的にチャレンジできる物流課題・社会課題が広く、最適化の影響が大きい
  • データ利活用に詳しい人が社内にいない、データチームの立ち上げに関わることができる
  • レガシーな業界にデータ利活用を導入する先駆的な取り組みができる
  • あわよくば業界の中で自分の知名度も上げておこう、という魂胆

機械学習エンジニアやデータアナリストという職種は数学的な知識のみならずドメイン知識も極めて重要です。サイバーエージェント時代は広告・RPA・メディアに関わってきたので、物流への転身はドメインの学び直しになります。私にとってこの転職は一つの大きなチャレンジでした。

2021 年 手探りの 1 年間

入社直後は、経営陣を含めて「データ利活用は色々できそうだけど、現実的に何ができるの?」という状況であり、私自身もオープンロジのデータやビジネスへの理解が浅いため何ができるかわかりませんでした。私がやるべきことは明確ではなく、手探りで探す必要がありました。でも、先駆けとして新しい可能性を開拓するというのは、そういうことなので、入社前に考えていた仕事とはズレていません。

まず、全社員にデータを使ったらできそうなことをアンケート形式で回答してもらい、その中からオープンロジの現状を探ることにしました。現場レベルの改善から将来的なアイディアまで色々あり、この中からインパクトがありそうなタスクに着手します。他にも、アンケートとは別に「これを予測したい」とか「最適化したい」みたいな案件のお声がけをいただき、それらも併せて進めることになりました。

いくつかのプロジェクトを進める中で、当初想定していなかった課題が明らかになったりして、ある程度の成果はありました。しかし、事業的な KPI を改善するには至りませんでした。個別の案件の内容は割愛しますが、想定通りに行かなかった原因は以下のように考えています。

  • ビジネス課題が不明確 解決すべきビジネス上の課題を明確に定義できない状態で進めていました。データ収集・素性・予測・最適化はあくまで手段であり、それよりも先に、課題の定義と深掘りを丁寧にやるべきだったと反省しています。大きなビジネス課題を具体的な要素に分解したり、事業的な KPI を設定して、課題を客観的・具体的・シンプルに把握できるくらいまで丁寧に落とし込んで初めてデータ活用について考えても良いのかなと思います。この時は、課題・目的よりも手段が先行していた気がします。課題設定が甘い状態から良い解決策が生まれることはないということを痛感しました。
  • ドメイン知識の不足 既存のデータやその背後にあるビジネス的背景の理解が不足していました。ドメイン知識は前処理やモデルの設計だけでなく、システム全体の設計・運用に関わります。これを補うために、倉庫見学に行ったり色々な人を質問攻めにして、最近は当時より知識がついたと思います。関係者の皆様、ありがとうございます。ちなみに、倉庫見学に行ったことで、データ利活用とは関係ないビジネス上の(より深刻な)課題を掘り起こしてきたりして、それはそれで成果がありました。
  • データ環境 入社前から BigQuery を導入していましたが、ほとんど活用されておらず、整備が不十分でした。アプリケーションの RDB と BigQuery のデータに不整合があったり、必要な情報がスプレッドシートに散らばっている状態です。

2022 年 データ利活用の成果が出始める

データ利活用のアイディアの集約や議論、課題の深掘り、プロジェクト推進を包括的に進めるために、データ活用定例会議を始めました。事業開発に関わっていた役員の方と私を含めた関係者で議論を深める会議体です。これの取り組みで、ビジネス課題が不明確になりがちな問題がかなり解決されました。この会議の中から、1 つのデータ活用プロダクトが日の目を見ることになります。プレスリリース前なので詳細は省きますが、多くの EC や物流会社が構想しつつも断念してきたサービスを、オープンロジの倉庫ネットワークと組合せ最適化により実現しています。議論を重ねて、十分に課題をシンプルにできたため、「機械学習や予測はいらないね」という話になり、かなり単純な最適化問題に落とし込むことができました。最適化問題としてはシンプルですが、複数の取引先が絡んだプロダクトなので、事業的な調整は大変だったと思います。社内外を含めて、多くの方々の尽力によって実現されており、関係者の方々には感謝しています。このサービスはすでに運用に乗っていて、粗利の改善まで確認できています。弊社の独自性を活かしたサービスであることから、今後もオープンロジの付加価値を高めてくれると信じています。

また、データ活用定例とは別件で、機械学習プロダクトの開発に関わることができました。GCP の Vertex AI というマネージド機械学習サービスを使っており、非常に勉強になり良い経験ができたと思っています。リリース前なのでビジネス的な成果はまだ確認されていませんが、オープンロジのビジョンを実現する布石の一つになることを祈っています。しかし、やや個社対応っぽい仕組みにしてしまったことが悔やまれます。もう少し汎用性を意識するべきでした。

ついでに、年末に 会社の LT 会 で Unipos ポイントを稼ぐ方法について発表したところ、Unipos 社の田中社長に興味を持っていただき、CEO Blog に掲載していただきました(褒める社員は活躍する社員?オープンロジさんの分析をきっかけにとても面白い示唆が生まれた話)。LT で軽く発表したはずが、結構大ごとになってビックリした出来事です。

https://zenn.dev/akabe/articles/unipos-analysis

オープンロジに入社して早 2 年、やっとデータ利活用の目が出始め、とても嬉しく思います。「データを使えば何か面白いことできそう」という状態を抜けつつあり、「データって実際役に立つ」という実感をいろいろな人に感じていただけた年になったと思います。でも、ここまで来るのに思ったより時間がかかっていて、もう少し効率良い進め方はなかったのかな、と自問しています。1 人目の機械学習エンジニアにとして入社しましたが「1 人目ってこういうことなんだな」ということを噛み締めています。

2023 年の抱負

昨年のデータ利活用を進める中で、データ環境が未整備であることの弊害が多数観測されるようになりました。スプレッドシートや kintone で管理されているデータの信頼性が低いことや、セキュリティ常の懸念、社内外に展開するダッシュボード等の品質管理ができないことなど、いろいろな課題があります。そのため、2023 年はデータ利活用のタスクを減らし、データ基盤の刷新に注力することになりました。年明けからは、データ整備の課題整理や計画を進めています。

私はこれまで機械学習エンジニアやデータアナリストとして仕事をしてきており、データ基盤管理の経験はほとんどありません。実力不足ですが、挑戦させてもらえるうちが華なので、今年はデータ基盤刷新を頑張ろうと思います。データ関連の職種は比較的新しいため、役割や技術スタックが頻繁に入れ替わります。最近は生成モデルが鬼のような進化を遂げていたり、MLOps という新たな分野が生まれたりして、数年後の業界や技術は不透明です。今後生き残っていくことを考えると、機械学習やデータ分析以外にもキャリアの幅を広げるのが良さそうな気がしています。

また、今年から新たにデータエンジニアを募集することになりました。2 年間、データ専業のエンジニアは私一人でやってきましたが、そろそろ限界が近づいてきました。データ基盤の構築や運用をお願いする予定です。

https://herp.careers/v1/openlogi/aeyl62hM-JZP

何度かカジュアル面談や面接に会社側として出たことはありますが、採用は素人同然です。今年は面談・面接を上達できるように頑張りたいです。応募者の方に「来てよかったな」と思ってもらえるようにしていきたいですね。

私生活

2022 年の振り返り

7 月に結婚しました。そして、入籍 4 日後に祖母が帰らぬ人になりました。入籍前から体調を崩していましたが、もしかしたら待っていてくれたのかもしれません。去年は両家両親への挨拶や手続き、葬儀など忙しかった記憶があります。

また、結婚を機に新居に引っ越しました。引っ越し先を探すときにデータ分析を使ってみましたが、実際に住んでみると、やや不便で反省点があります。家賃は安いものの、やはり都市部の方が QOL は高いですね。コスパしか見てなかった(笑)。

https://zenn.dev/akabe/articles/house-rent-analysis

また、引越しの際に仲介業者が虚偽の書類を作ったり、旧居の管理会社に妙に高い退去費用を請求されたりしました。責任者にガチギレクレームを入れたり、初めて消費者生活相談センターを使いました。仲介料や退去費用の減額で結果的にトータル 10 万円以上安くなりましたが、精神的には消耗しました。ちなみに、普段は値切るようなことはしません。面倒だし、基本的にはサービスや商品に見合った対価を支払うべきだと思っています。今回はどうしても適切な対価とは思えなかったから抗議しただけです。

昨年はいろいろなことがあり、気持ちの起伏が激しい 1 年でした。妻は私よりもメンタルが強いので、いつも助けてもらっています。

2023 年の抱負

  • 有料記事 Zenn にブログを移行したので、有料記事を書いてみたいと思っています。普段の PV をみていると、そんなに売れる気がしませんが、ものは試しにチャレンジしてみようかと。ネタは「不動産の分析と予測」と「Python ではじめる型レベルプログラミング入門」で考えています。どちらも入門的な内容です。
  • 資格取得 応用情報の勉強をしていて、秋の試験を受けるつもりです。世の中的には中堅レベルの知識だと思うので、取っておけば箔が付きそう。もともと情報系の学部出身なので、理論的なことは結構わかるのですが、マネジメントなどは難しいですね。
  • 不眠治療 昔から寝つきが悪く、不眠症ぎみで薬を飲んでいます。ストレス性のものではなく、単に寝るのが下手くそなだけだと思っています。いい加減、まともに眠れるようになりたい。

あと、資産の現金比率が高いので、徐々にリスク資産に移していきたいですね。ただ、一気に移すのはリスクがでかいので、今年の目標というよりは継続的な目標になりそうです。来年から新 NISA が始まるので、今年は余計なことしない方がいいのかも。

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