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AWS ECSの「クラスタ・サービス・タスク」の違いを調べてみた

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はじめに

最近、AWS DVA(Developer Associate)の勉強をしています。
その中で出てきた Amazon ECS「クラスタ」「サービス」「タスク」 という用語の意味がよくわからなかったので詳しく調べてみました。

個人のメモがてらですが、調べた内容をまとめてみます。

クラスタ・サービス・タスクは何が違う?

以下のように説明されることが多いです。

  • タスク:コンテナを実行する単位
  • サービス:タスクを維持・管理する仕組み
  • クラスタ:サービスをまとめて動かす基盤

ですが私は疑問を持ちました。

  • コンテナ ≠ タスク?じゃあ何が違う?
  • サービスがタスクを維持管理し、クラスタがサービスをまとめている...そもそもなぜそんな構造になっている?

ということで詳しく調べてみました。

タスクとは?

タスクとは タスク定義をもとに実行される、1つまたは複数のコンテナの集まりです。
タスク定義には 「どんなコンテナを、どんな設定で動かすか」 が定義されており、アプリケーション実行に必要なすべての情報を含んでいます。

タスク定義では以下のような内容が定義されます:

  • 使用するコンテナイメージ
  • 環境変数やコマンド引数
  • CPU / メモリ割り当て
  • ポート番号
  • ログ設定
  • 必要な IAM ロール
  • ネットワーク設定(Fargateの場合)

サービスとは?

サービスは タスクを継続的に実行・監視し、必要数を常に保つための仕組みです。
例えば Web アプリで「常に2つのタスクを動かしておきたい」といった要件がある場合に、サービスがそれを保証します。

具体的には以下のようなことをしてくれます:

  • タスクの実行タイプ(Fargate or EC2)の指定
  • タスクが停止したときの自動再起動
  • オートスケーリング(負荷に応じたタスク数の増減)
  • ロードバランサとの統合(ALB / NLB)

なお、タスクはサービスを使わずに単発実行することも可能です(バッチ処理や一時的なジョブなど)。

クラスタとは?

クラスタとは、ECSでタスクやサービスを実行するための
実行環境(FargateやEC2)をまとめた論理的なグループです。
クラスタ内には以下のような「実行環境(キャパシティ)」が存在します:

  • Fargate(AWSが実行基盤を完全管理する)
  • EC2インスタンス(自前でインスタンスを用意・管理する)

クラスタはこの実行環境を提供し、タスクが実際にどこで動くかを決定づけます。
1つのクラスタに FargateとEC2のタスクを混在させることも可能です。

クラスタの分け方は自由なので、以下のような構成が可能です:

  • アプリケーションごとにクラスタを分ける
  • 環境(開発 / 本番)ごとに分ける
  • 1つのクラスタで複数アプリを共存させる(マルチテナント構成)

どの順番で作成する?

実際に AWS コンソール上で ECS の構成を作る場合、以下の順番になります:

  1. クラスタの作成
    → どこで動かすかを決める

  2. タスク定義の作成
    → どんなコンテナを、どのように動かすかを決める

  3. サービスの作成
    → どのクラスタ上で、タスクをどう運用するかを決める

つまり、「動作環境 → コンテナの仕様 → 管理と運用」の順で決めていくイメージです。

FargateとEC2の違いは?

ECS の実行タイプである FargateEC2 には以下の違いがあります。

特徴 Fargate EC2
管理 サーバーレス。インフラ管理不要 EC2インスタンスを自分で管理
柔軟性 カスタマイズの制限あり 自由度が高い
コスト タスク単位(CPU・メモリ・秒単位) EC2 インスタンス単位(常時課金)

具体的なユースケースはそれぞれ以下の通りです。

Fargate

  • 小規模なアプリケーション
  • 短期間の利用(従量課金で無駄な稼働コストが出にくい)
  • 運用に手間をかけたくない

EC2

  • 大規模なアプリケーション
  • 長期間の利用(リザーブドインスタンスでコスト削減可能)
  • 実行環境のカスタマイズが求められる

おわりに

クラスタ・サービス・タスクの関係性がよくわからなかったのですが、こうして言葉の意味と構成順を整理したことで、ようやくわかってきました。

とはいえECSを実際に使ってみるのが一番理解が深まりそうだと感じたので、個人開発でも使える機会があれば積極的に取り入れていきたいです。

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