初心者は実況しろ
はじめに
AIエージェントの時代が到来し、プログラミング初心者でも見ず知らずの言語を扱えるようになりました。
ChatGPTやClaude、Copilotなどのツールを使えば、文法を理解していなくても、なんとなくの感覚(vibe coding)で実用的なアプリケーションを作ることができる時代です。
つまり、初心者でも、アイデア次第で多くの人に使われるようなアプリケーションを開発できるのです。
したがって、vibe codingの時代では、実用性が重視されます。
誰も使わないToDoアプリを作って満足している場合ではありません。
しかし、そんな便利な時代だからこそ、初心者の学習方法も見直す必要があります。
アプリケーションに需要が求められるなら、学習でも需要があることをしましょう。
そして、実はその学習方法は初心者にしかできない特別なものなのです。
初心者だからこそできる初見実況
実況動画や海外の反応動画で、初見の反応を見るのが好きな人は多いでしょう。
あの「初めて見る驚き」や「リアルタイムの感想」には独特の価値があります。
実は、これと同じことがプログラミング学習でもできるのです。
学習の実況を始めてみませんか?
学習実況とは何か
学習実況とは、学習の様子をリアルタイムに記録に残すことです。
具体的には以下のステップで進めます。
1. 学習目標を決める
まず、明確な学習目標を設定します。
例えば、
- Next.jsでフルスタックアプリケーションを作る
- RustでCLIアプリケーションを作る
- Arch Linuxをインストールする
- Vimの設定をカスタマイズする
などです。
2. 進捗と学びを逐一記録する
学習を進めながら、進捗と学んだことを記録していきます。
記録場所は、Zennのスクラップがおすすめです。
そして、以下の3つの要素について記録することを特に意識してみましょう。
- What
- 何につまづいたか
- どんなエラーが出たか
- どこで理解が止まったか
- 何につまづいたか
- How
- どのように調べたか
- どのようにググったか
- どのようにAIに聞いたか
- どのドキュメントを参照したか
- どのように解決したか
- どのようなコードになったか
- どのような手順で進めたか
- どのように調べたか
- Why
- 何故つまづいたのか
- 解決前と後で何が違ったか
- なぜそのエラーが発生したのか
- なぜその方法で解決できたのか
- 自分はどのような思考だったのか
- 何故つまづいたのか
なぜ初心者の学習実況に価値があるのか
学習実況は、初心者にしか書けないコンテンツです。
- フレッシュな視点: 経験者にとっては当たり前のことでも、初心者には新鮮な発見
- リアルなつまづきポイント: 実際に初心者がハマるポイントが生々しく記録される
- 同じレベルの人への価値: 同じような初心者が同じ問題で困ったときの解決策になる
学習実況の効果
この方法には以下のような効果があります。
- 記憶の定着: 書くことで学習内容が記憶に定着しやすくなる
- 問題解決能力の向上: つまづきから解決までのプロセスを意識化できる
- 他者への貢献: あなたの記録が他の初心者の助けになる
- 成長の実感: 過去の記録を見返すことで成長を実感できる
実例
私は以前、Nixの入門をしたときに実際に実況を行いました。
このときはWhyについてあまり整理できていませんでしたが、記録を行ったことで、似たような事例に遭遇した際に効率よく解決することができました。
また、地味に読まれているようで、他の方がNixに入門した際の参考文献に挙げられているのを複数件観測しました。
このように、リアルタイムで学習の様子を残しておくことで、自分のためにも他に人のためにもなるのです。
まさに、実用的で需要なある学習ですね。
さあ、学習実況を始めよう
AIに頼ることも大切ですが、自分の学習プロセスを意識的に記録することで、より効率的に成長できます。あなたの初見の反応やつまづきは、誰かにとって価値のある情報になるのです。
今日から、学習の実況を始めてみませんか?
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