Nuxt.js プロジェクト(2系)に後から部分的に TypeScript を導入する方法
こんにちは、AIQ株式会社のフロントエンドエンジニアのまさぴょんです!
普段は、Outputは個人ブログでしていますが、Book機能などもあるZennでの情報発信に興味があったので、こちらでも執筆してみます。
Nuxt公式のTypeScript導入DocのとおりにやってもErrorになる・・・
タイトルのとおり、Nuxt.js プロジェクト(2系)に後から部分的にTypeScriptを導入する必要が、現在commitしている プロジェクトにて発生しました。
導入の際に、Nuxt公式のTypeScript導入Docのとおりにやっても Errorになってしまうので、、、
その対応も含めたNuxt.js プロジェクト(2系)に後から部分的に TypeScript を導入する方法を説明していきます。
今回の TypeScript導入の経緯と、導入の要件定義
元々は、誰もが知る某大手ベンダーが作成したNuxtプロジェクトだったのですが、
そこから私の所属する会社が引き継ぎ、プロジェクトの新機能開発やデザインのバージョンアップなど大規模な改修を担当することとなりました。
外から見ると、ある程度ちゃんと動作するプロジェクトですが、中身を見てみると、VuexのState管理がルール無視の状態で、localhostで平気で、
vuex do not mutate vuex store state outside mutation エラー が発生するような状況だったり、
Bugをまあまあ内包していたり、ViewとLogicが密に結合していたりと、中身は引き継ぎ時点から、ヤバい状態でした。
そこで、このままJSベースでやっていくよりかは、この大規模に改修しているこのタイミングで、TypeScriptを導入したり、State管理を見直すことになった、というのが、ことの経緯になります。
TypeScript導入の経緯の説明が長くなってしまいましたが、今回のTypeScript導入の要件定義をまとめると、次のとおりです。
-
JSベースで作成してきた Nuxt.jsプロジェクト(2系)に、後からTypeScript を導入する。
-
全体ではなく、改修するComponentやJSファイルなど部分的に適用するようにしたい。
環境情報
- Nuxt.js: v2.15.8
- Node: v16.15.1
Nuxt公式Doc: Nuxt 2 向け TypeScript サポートを実践する
ここからは、Nuxt Org の Nuxt・TypeScript イントロダクション を参考に、Nuxt・TypeScript 環境をセットアップしていきます。
(この先に、悲劇が待っているとは、知らず。。。)
Nuxt・TypeScript のための 3 つの Package
Nuxt の TypeScript サポートは 3 つのパッケージからなっています。
-
@nuxt/types
- Nuxt TypeScript の型定義が含まれています。
-
@nuxt/typescript-build
- layouts、components、plugins および middlewares で TypeScript を使用するための Nuxt モジュールです。
-
@nuxt/typescript-runtime
- nuxt.config ファイル、ローカルの modules および serverMiddlewares で TypeScript ランタイムサポートを提供する Nuxt の Wrapperバイナリ。
これらのパッケージは Nuxt 2.10 またはそれ以上のバージョンで使用されることを想定しています。
Nuxtプロジェクトに追加でTypeScriptを導入する
- 次のコマンドで、install を実行する
yarn add --dev @nuxt/typescript-build @nuxt/types
-
TypeScript を設定する
- 必要なことは、
nuxt.config.ts
内のbuildModules
に@nuxt/typescript-build
を追加することです。
- 必要なことは、
import type { NuxtConfig } from '@nuxt/types'
const config: NuxtConfig = {
buildModules: ['@nuxt/typescript-build']
}
export default config
-
tsconfig.json
ファイルを作成する
{
"compilerOptions": {
"target": "ES2018",
"module": "ESNext",
"moduleResolution": "Node",
"lib": ["ESNext", "ESNext.AsyncIterable", "DOM"],
"esModuleInterop": true,
"allowJs": true,
"sourceMap": true,
"strict": true,
"noEmit": true,
"baseUrl": ".",
"paths": {
"~/*": ["./*"],
"@/*": ["./*"]
},
"types": ["@nuxt/types", "@nuxt/typescript-build", "@types/node"]
},
"exclude": ["node_modules"]
}
現時点では ESNext が Optional Chaining と Nullish Coalescing をサポートしていないようです。これらの機能を使えるようにするためにターゲットに ES2018 を指定する必要があることに注意してください。
-
vue-shim.d.ts
に次の型宣言を追加し Vue ファイルの型を提供する必要があります。
declare module "*.vue" {
import Vue from 'vue'
export default Vue
}
このファイルはプロジェクトのルートディレクトリか types という名前のディレクトリに配置できます。カスタムディレクトリにも配置できますが、その場合は tsconfig.json ファイルに typeRoots を設定する必要があります。
これで layouts、components、plugins と middlewares で TypeScript が使えるように設定できました。
とのことですが、Errorが発生。。。
Nuxt公式Docには、記載のないTypeScript導入手順
ここからは、Nuxt公式Docには、記載のなかったError対応も含めたTypeScript導入手順です。
ERROR Cannot find module 'typescript'が発生
上記までのマニュアル通りの作業で、ERROR Cannot find module 'typescript'が発生。
typescript Moduleが見つからないというErrorなので、
yarn add -D typescript
を実行して解決する。
require() of ES Module xxxxx dynamic import() which is available in all commonjs modules エラー
続いて、CommonJS のモジュールから ESM を 読み込もうとしているため Error 発生
require() of ES Module xxxxx dynamic import() which is available in all commonjs modules エラー
require()
で ES Modules を使用しようとしているために発生するエラーになります。
最初に作成したtsconfig.json
ファイルの"module": "commonjs"
を修正しましたが、効果なし。。。
{
"compilerOptions": {
"target": "ES2018",
"module": "commonjs",
"moduleResolution": "Node",
"lib": ["ESNext", "ESNext.AsyncIterable", "DOM"],
"esModuleInterop": true,
"allowJs": true,
"sourceMap": true,
"strict": true,
"noEmit": true,
"baseUrl": ".",
"paths": {
"~/*": ["./*"],
"@/*": ["./*"]
},
"types": ["@nuxt/types", "@nuxt/typescript-build", "@types/node"]
},
"exclude": ["node_modules"]
}
さらに、調べてみると、これは、Nuxt・Vue内部のPackage内で発生している 互換性Errorだったので。。。
- 【Nuxt.js】プロジェクトに後から自前で TypeScript を導入する方法【yarn でサクッと簡単】 の内容を元に、Package を追加します。
yarn add -D @nuxt/typescript
yarn add ts-node
yarn add -D vue-property-decorator
上記の3つのPackageを追加することで、Errorは解決しました。
これで、Nuxt公式Docにも記載のないTypeScript導入手順は、完了しました。
各ファイルをTypeScript化していきます。
-
各JSファイルをTSファイルに変更していきます。
-
Vueファイル(VueのComponentファイル)をTypeScript化していきます。
- VueのComponentファイルに TypeScriptを導入する方法は、いくつかありますが、今回は、Vue.extendの方法で、TypeScriptを導入していきます。
-
script
タグにlang="ts"
を追加する。 -
import Vue from 'vue'
を追加する。 -
Vue.extend()
でexport default
の{}
を Wrapする。
<script lang="ts">
import Vue from 'vue'
export default Vue.extend({
name: 'Robotama',
components: {},
data() {
return {
robotama: true,
}
},
})
</script>
-
Projectで使用する型定義を追加します。
-
.tsファイルに必要な型定義を追加します。
-
これにより、IDEが正しい型チェックや補完を提供できるようになります。
-
プロジェクトの要件に応じて、必要な型定義を手動で作成するか、既存の型定義をインストールすることができます。
-
たとえば、Vue.jsの型定義を追加するには、次のコマンドを実行します。
-
yarn add -D @types/vue
番外編: WebPack を拡張して、TypeScript 導入する方法もある
・ Nuxt の Package を使用して、TypeScript を導入することができない場合は、WebPackを拡張して、TypeScript導入する方法もあるようです。
・今回は、NuxtのPackageで、何とかなったので、その手段は使用せずに済みました。
参考・引用
-
CommonJS と ES Modules の違いとは?互換性や require() と import文 の違いについて
-
[Vue+TypeScript] Vue.extend で Vue らしさを保ちつつ TypeScript で書くときの型宣言についてまとめた
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採用技術 (一部抜粋)
- FrontEnd: TypeScript, JavaScript, React.js, Vue.js, Next.js, Nuxt.js など
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