🗂

Code Index MCP v0.3.0 アップデート深掘り：パフォーマンスの飛躍と機能拡張(Create By LLM)

に公開
Model Context Protocol
MCP サーバー
tech

Code Index MCP v0.3.0 アップデート深掘り：パフォーマンスの飛躍と機能拡張

はじめに

code-index-mcp は、大規模言語モデル（LLMs）向けに設計されたコードインデックスおよび分析ツールであり、モデルコンテキストプロトコル（MCP）を介してインテリジェントなコード検索と分析機能を提供します。ソフトウェア開発において、特に複雑な大規模コードベースを扱う場合、効率と正確性は極めて重要です。今回の v0.1.5 から v0.3.0 へのバージョンアップは、これらのコア機能を大幅に強化するために行われ、多くの画期的な新機能と最適化をもたらしました。

本記事では、code-index-mcp v0.3.0 の主要な変更点を深く掘り下げ、高度な検索戦略の導入、内部管理メカニズムの最適化、およびサポート範囲の拡張を通じて、開発者により強力で効率的なコード理解ツールがどのように提供されるかを明らかにします。

コア変更点の概要

v0.3.0 バージョンの主なハイライトは、高度なコード検索機能の導入です。これにより、外部の高性能コマンドラインツール（ugrep、ripgrep、ag、grep など）との統合を通じて、検索効率と機能が大幅に向上し、より多くのファイルタイプがサポートされるようになりました。同時に、コード構造も最適化され、定数の一元管理と設定ロジックの簡素化により、プロジェクトはより堅牢で保守しやすくなりました。

詳細な変更点分析

1. バージョン番号の更新

  • pyproject.toml：プロジェクトのバージョンが 0.1.5 から 0.3.0 に更新され、今回の主要なアップグレードを示しています。
  • src/code_index_mcp/__init__.py：内部バージョン識別子 __version__ も "0.3.0" に同期して更新されました。
  • uv.lock：依存関係ロックファイル内の code-index-mcp のバージョンも対応して更新され、依存関係の一貫性が保たれています。

2. 高度な検索機能 (search_code_advanced)：パフォーマンスと柔軟性の飛躍

これは v0.3.0 で最も重要な改善点であり、code-index-mcp の検索能力を根本的に変えました。

新しい src/code_index_mcp/search/ モジュール

プラグイン可能な検索戦略を実現するために、プロジェクトは新しい search ディレクトリを導入し、以下の主要なコンポーネントを含んでいます。

  • src/code_index_mcp/search/base.py：

    • すべての検索ツールに統一されたインターフェース（name、is_available、search メソッド）を提供する抽象基底クラス SearchStrategy を定義しました。これにより、将来的に他の検索ツールを簡単に追加できるようになります。
    • 新しい汎用関数 parse_search_output() を追加しました。これは、さまざまなコマンドライン検索ツールの出力を解析し、統一された (line_number, line_content) 形式に標準化することで、結果処理を大幅に簡素化します。
    • 汎用関数 create_safe_fuzzy_pattern() を導入しました。これは、安全なあいまい検索正規表現パターンを生成するために使用され、検索の柔軟性を高めるだけでなく、特殊文字のエスケープにより潜在的な正規表現インジェクション攻撃を効果的に防ぎます。

  • 外部ツール統合戦略：
    v0.3.0 は、複数の高性能コマンドライン検索ツールを統合し、それぞれに特化した戦略実装を提供します。

    • src/code_index_mcp/search/ugrep.py (推奨)：ugrep (ug) に基づく UgrepStrategy を実装しました。ugrep はその優れたパフォーマンスとネイティブのあいまい検索サポートで知られており、最高のあいまいマッチング体験を提供します。
    • src/code_index_mcp/search/ripgrep.py：ripgrep (rg) に基づく RipgrepStrategy を実装しました。ripgrep は高速なコード検索ツールであり、今回のアップデートではその特性を活用して効率的な検索を行います。
    • src/code_index_mcp/search/ag.py：ag (The Silver Searcher) に基づく AgStrategy を実装しました。ag も人気のあるコード検索ツールであり、高速な検索機能を提供します。
    • src/code_index_mcp/search/grep.py：標準の grep コマンドに基づく GrepStrategy を実装しました。最も普及しているツールとして、他の高度なツールが利用できない場合の基本的な互換性を保証します。
    • src/code_index_mcp/search/basic.py (フォールバック)：純粋なPythonで実装された BasicSearchStrategy。これは重要なフォールバック戦略であり、システムに外部検索ツールがインストールされていない場合でも、code-index-mcp が基本的な検索機能を提供できるようにします。

ProjectSettings と検索ツール管理

  • src/code_index_mcp/project_settings.py：
    • subprocess モジュールをインポートし、Pythonで外部コマンドラインツールを実行するために使用します。
    • 新しい関数 _get_available_strategies() を追加しました。これは、システムで利用可能な検索ツールを検出し、事前設定された優先順位（ugrep > ripgrep > ag > grep > basic）に基づいて、順序付けられた戦略インスタンスのリストを返します。これにより、code-index-mcp は常に最適なツールを選択できます。
    • ProjectSettings クラスに available_strategies 属性を新たに追加し、初期化時に refresh_available_strategies() メソッドを呼び出すことで、検索ツールの遅延ロードと動的な更新を実現します。
    • 利用可能な検索ツールの設定情報と現在の優先ツールを取得するための get_search_tools_config() および get_preferred_search_tool() メソッドを追加しました。

server.py：MCPツールレベルでの変更

  • src/code_index_mcp/server.py：
    • 旧バージョンの search_code を削除：メモリベースのシンプルな文字列マッチングを行っていた旧バージョンの search_code ツールは完全に削除され、より強力な新しいツールに置き換えられました。
    • search_code_advanced ツールの導入：この新しいMCPツールは、直接検索ロジックを実行するのではなく、ProjectSettings で検出された最適な戦略に基づいて、検索タスクを対応する外部検索ツールに委任する調整役として機能します。pattern、case_sensitive、context_lines、file_pattern、fuzzy など、豊富な検索パラメータをサポートしています。
    • set_project_path ツールの戻り値に、現在有効な高度な検索ツールの名前が追加され、ユーザーに直感的なフィードバックを提供します。
    • 新しいMCPツール refresh_search_tools を追加しました。これにより、ユーザーは新しい検索ツールをインストールした後でも、サーバーを再起動することなく、利用可能なツールリストを手動で更新できます。

3. 定数定義の一元化：保守性の向上

  • 新しい src/code_index_mcp/constants.py ファイル：
    • プロジェクトは、SETTINGS_DIR ("code_indexer")、CONFIG_FILE ("config.json")、INDEX_FILE ("file_index.pickle")、CACHE_FILE ("content_cache.pickle") などの主要な定数をここに一元的に定義しました。
    • この変更により、ハードコーディングが排除され、これらの共通パスとファイル名のプロジェクト全体での管理が一貫して便利になり、コードの保守性が大幅に向上しました。

4. 設定管理の最適化：よりシンプルで効率的に

  • src/code_index_mcp/project_settings.py：
    • クラス内の重複する定数定義を削除し、constants.py からインポートするように変更され、「単一の情報源」の原則に従うようになりました。
    • 一時ディレクトリとプロジェクト設定ディレクトリの作成ロジックが簡素化され、README.md ファイルの自動生成操作が削除され、ディレクトリ構造がよりシンプルになりました。
    • clear_settings() メソッドは、.gitignore ファイルを保持または復元しようとせず、設定ディレクトリ内のすべてのキャッシュデータを直接クリアするように簡素化されました。
  • src/code_index_mcp/server.py：
    • set_project_path ツールから、.gitignore に .code_indexer/ エントリを自動的に追加するロジックが削除されました。これにより、ユーザーは手動で、または外部設定ツールを介してこの設定を管理できるようになり、より大きな柔軟性が提供されます。
    • 一時ディレクトリパスに関わるすべてのツール（get_settings_info、create_temp_directory、check_temp_directory）は、constants.SETTINGS_DIR を使用するように統一されました。

5. サポートファイルタイプの拡張：より広範な開発シナリオに対応

  • README.md と README_zh.md：ドキュメントが更新され、新たに追加されたサポートファイルタイプが詳細にリストアップされています。
  • src/code_index_mcp/server.py：内部の supported_extensions リストも同期して更新され、サーバーが以下の新しいファイルタイプを正しくインデックス化し、処理できるようにしました。
    • プログラミング言語：Zig (.zig)
    • JavaScript/TypeScript：mjs, cjs (モジュール型JS)
    • フロントエンドフレームワーク：Vue (.vue), Svelte (.svelte), Astro (.astro)
    • スタイルシート：less, sass, stylus, styl (CSSプリプロセッサのサポートを拡張)
    • データベースとSQL：さまざまなSQLファイル（.sql, .ddl, .dml）、データベース固有の形式（.mysql, .postgresql など）、データベースオブジェクト（.proc, .function など）、および移行ツール（.migration, .liquibase など）に対する広範なサポートが新たに追加されました。

6. Claude Code 関連設定：深い統合への展望

  • 新しい .claude/settings.local.json ファイル：
    • この新しいファイルは、Claude Code のローカル権限を定義し、特定のBashコマンド、例えばPythonスクリプトやMCP Inspector CLIツールの実行を許可します。
    • これは、code-index-mcp と Claude Code の統合が深化していることを示唆しており、将来的にはこれらの権限に基づいたより高度なインタラクション機能が期待されます。

結論

code-index-mcp v0.3.0 は、プロジェクトを基本的なコードインデックスツールから高性能で拡張性の高いコード分析プラットフォームへと進化させる画期的なアップデートです。外部検索ツールの導入により、特に大規模なコードベースを扱う際の検索効率と精度が大幅に向上しました。同時に、内部構造と設定管理の最適化も、プロジェクトの長期的な発展のための強固な基盤を築いています。

開発者およびLLMユーザーにとって、v0.3.0 は以下のことを意味します。

  • より高速な検索速度：ugrep などの専門ツールの強力なパフォーマンスを活用。
  • より柔軟な検索機能：あいまいマッチングとより詳細なファイルフィルタリングをサポート。
  • より広範な言語サポート：より多くの種類のプロジェクトファイルを処理可能。
  • より安定したシステム：最適化された内部管理メカニズムにより、潜在的な問題を軽減。

すべてのユーザーに最新バージョンへのアップグレードを推奨し、これらの画期的な改善点を体験していただくとともに、code-index-mcp が将来さらに多くの革新をもたらすことを期待しています。

Discussion