📍

【AI開発体験向上】CursorのProject Rulesとは?Rules周りの機能について徹底解説

2025/02/09に公開
7

「もっとスムーズにNext.jsの開発を進めたい」「AIエージェントが思い通りに開発を進めてくれたら/規約を守ってくれればいいのに」——こんな思いを抱えたことはありませんか?

CursorのProject Rulesなら、あなたのプロジェクト固有のスタイルやタスクをAIに“覚え込ませる”ことで、面倒な手順を自動化し、チーム全員の作業を一貫性のあるものへと導いてくれます。

ビルドのやり忘れやテストコマンドの入力ミス、Pull Request時の手順漏れなど、従来は「人間が気をつけないと起こるトラブル」も、ルールとして明記しておくだけでCursorが率先してサポート。
プロジェクトの規模が小さくても大きくても、必要な作業が抜け落ちることを最小限にし、結果的に品質とスピードの両方を引き上げます。

ここでは、そんなProject Rulesを最大限に活用するための方法を、従来のRules for AIや .cursorrules との違いも含めて解説していきます。
Next.jsプロジェクトでの実践例もご紹介しますので、「エンジニアの最強アシスタント」を手に入れたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

1. ルール設定の全体像

1.1 ルールの種類

  • Rules for AI
    グローバルルール。Cursorアプリ全体に適用される。

  • .cursorrules
    プロジェクト単位で1ファイルにまとめる旧方式。

  • Project Rules (v0.45〜)
    推奨されるプロジェクト単位のルール。
    .cursor/rules/ フォルダに .mdc ファイルとして保存し、フォルダや拡張子ごとに細かく指定可能。

1.2 選び方・使い分け

Rules for AI .cursorrules Project Rules
適用範囲 Cursor全体(ユーザーの全プロジェクトで共通) プロジェクト全体(1ファイルに集約) プロジェクト内の特定ファイル・フォルダ単位で細かく
設定場所 Settings > General > Rules for AI プロジェクトルート直下 .cursorrules .cursor/rules/*.mdc
主な用途 文体や敬語、言語スタイルなど個人設定 チーム全体の方針やコーディング規約の大枠 フォルダ/拡張子ごとにルールを細分化し自動適用

2. Rules for AI


Cursorアプリ自身に設定するため、どのプロジェクトを開いても常に適用されます。
例として、コードスタイルや敬語設定、ReactではなくNext.jsを推奨するかなど、個人的な好みをまとめるのに最適です。

ワンポイントコメント

「プロジェクト固有のルール」というより、「自分がCursorをどう扱いたいか」を書きます。
他のチームメンバーと共有するものではないので、個人の開発環境に合わせて自由にカスタムして問題ありません。

2.1 設定場所

Cursor > Settings > General > Rules for AI で設定可能。

2.2 サンプル

- 全文体を「ですます調」で統一
- 提案時にはReactではなくNext.jsの最新機能を積極的に案内
- 英語と日本語が混在しないように注意

3. .cursorrules


.cursorrules はプロジェクトのルート直下に配置する旧来の形式です。
1つのファイルにチーム内のコーディング規約や方針をまとめて書くことが多いですが、今後はProject Rulesへの移行が推奨されています。

ワンポイントコメント

手軽に1ファイルで管理できるメリットはありますが、複数のルールを細かく書きたい場合にはやや煩雑になります。
既存プロジェクトをすぐに対応させたい場合に、とりあえず .cursorrules を置く…というケースはアリです。

3.1 サンプル

# .cursorrules

このプロジェクトでのルール:
- Next.js 14 以上を利用します。App Routerを使用します
- ESLint + Prettier を必須
- テストフレームワークはJestを使用

コミットルール:
- Conventional Commitsを採用
- 1コミット1修正を心がける

4. Project Rules (v0.45〜)


.cursor/rules/ 以下に .mdc ファイルを複数作成でき、ファイルパターン (globs) や説明、具体的なルールを粒度細かく設定できます。
これは最も推奨される方式で、Next.jsなどのフロントエンド開発でも、pages/ や app/、components/ ディレクトリごとに最適化したルールを作りやすい点が魅力です。

ワンポイントコメント

たとえば「pages/*.tsx に適用するルール」と「components/ 配下のファイルに適用するルール」を分けることが可能。
ルールが増えても1ファイルに詰め込まず、目的別に .mdc ファイルを増やせば管理しやすくなります。

4.1 特徴

  • フォルダ/拡張子単位での自動適用

    • globsを活用し、例えば pages//*.tsx や components//*.tsx などを指定。
  • 複数ファイルに細分化

    • .cursorrules のように1ファイルで管理する必要がないため、ルールを用途ごとに分割可能。
  • メンテナンスしやすい

    • 新しい機能を追加するときは、新しい .mdc ファイルを作ればOK。

4.2 作成方法

  1. コマンドパレットから
CMD+SHIFT+P → New Cursor Rule → ファイル名を指定
  1. メニューから
  • Cursor > Settings > General > Project Rules > Add new rule
    → ファイル名を指定すると、.cursor/rules/xxx.mdc が生成されます。

5. Project Rules の具体例 (Next.js向け)

ここでは、Next.jsでよく使われるディレクトリ構成を例に、Project Rulesのサンプルをいくつか紹介します。

5.1 ESLintルール・スタイルガイド(例)

---
description: "Next.jsのeslint設定に準拠したスタイルガイド"
globs: "pages/**/*.tsx"
---

## Next.js ESLint 規約

1. `eslint-config-next` を使用し、不要なimportやLinkコンポーネントの警告を管理
2. ページコンポーネントはデフォルトエクスポートを使用
3. styled-jsx ではなくCSS ModulesやSassを推奨

pages/**/*.tsx に限定して適用。  
ページコンポーネント固有のルール(デフォルトエクスポート必須など)を記述。

5.2 テスト実行ルール(Jest想定)

---
description: "Jestテストの実行ルール"
globs: "**/*.test.{ts,tsx}"
---

# Jest テスト実行のガイド

- **基本コマンド**  
npm run test
or
yarn test

ファイル命名ルール
.test.ts / .test.tsx を使う

1ファイル1機能単位でテストを分割し、カバレッジを上げる

Snapshotテストを利用する場合は __snapshots__ フォルダに保存

対象: //*.test.{ts,tsx}**
AIに対して「テストファイルを実行して」と言えば、ここで定義したコマンドやガイドが提案される。

5.3 Pull Request 作成ルール(GitHub CLIの例)

---
description: "GitHub Pull Request作成ガイド"
globs: ""
---

# Pull Requestの作成手順

1. **ブランチをプッシュする**  
   ```bash
   git push origin HEAD

2. PRを作成する

gh pr create --title "feat: 変更内容" --body "概要や背景" --web

3. レビュー完了後
- Squash Mergeを推奨

4. 実行前の確認
- ローカルで必ずテストが通ることを確認

6. ルール作成・改善のポイント

どこまで細かく書くか決める

  • ルールが細かすぎるとメンテナンスが大変になる。
  • 必要最低限+αで始め、足りない部分は後から追記するのがコツ。

実際に試しつつブラッシュアップ

Chat/Composerで「pages/index.tsxを編集してnpm run build後に動作確認して」と指示し、思ったとおりにAIがルールを参照するか確認する。
うまく働かない場合は、globsの設定を見直す。

チームメンバーとの共有

Project RulesはGitリポジトリ内で管理されるため、Pull Requestなどで更新内容を共有すると良い。

7. ComposerやAgentモードとの連携

ComposerのAgentモードで指示を行うと、Cursorが参照するファイルに合わせて該当するルールを自動で組み合わせます。 例えば、「components/Header.tsxを修正してテストを実行し、PRを作成してほしい」と依頼すると、

  • components/**/*.tsx → Next.jsコーディング規約のRule
  • **/*.test.{ts,tsx} → JestのRule
  • Pull Request作成 → PR作成ガイド

が統合され、スムーズに作業が進行します。

8. まとめ

  • Rules for AI: 個人設定としてCursor全体に適用。
  • .cursorrules: 旧来の単一ファイル方式。簡単だが今後は非推奨。
  • Project Rules (v0.45〜): .cursor/rules/*.mdc で細分化できる最新方式。
    Next.jsのようにフォルダ構造がはっきりしたプロジェクトでこそ、最も威力を発揮。

一度ルールを整備してしまえば、「あれ?どのコマンドでビルドするんだっけ?」という初歩的なつまずきや、Pull Request時の情報漏れ をAIがカバーしてくれるようになります。
無駄な時間を削減し、チームや個人の作業効率を大幅に向上させるためにも、ぜひProject Rulesを活用してみてください.

7

Discussion