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OpenAIから自動操作系エージェント「Operator」が登場!どのような機能を持ち・どのように使えそうかを解説します

2025/01/24に公開

1. Operatorとは?

Operatorは、OpenAIが2025年1月に研究プレビュー版として発表した「自動ブラウザ操作」型のAIエージェントです。
通常のChatGPTが「会話で回答を返してくれるチャット型AI」なのに対し、Operatorは自分専用のリモートブラウザを動かし、実際に人間のようにWebサイトをクリックしたり入力したりすることができます。

これにより、たとえば下記のような作業を自動化できます。

  • オンラインでのフォーム入力やアンケート回答
  • ネット予約サイトでのレストランやチケット手配
  • ネットスーパーや通販サイトでの買い物
  • SNSや検索エンジンを利用したリサーチや投稿

既存のサービスがAPIを提供していなくても、画面インターフェイスを読み取って操作できるのが最大のポイントです。

以下はOperatorのイメージ図

サクッと見れるように動画版解説もあるので、よろしければどうぞ

https://www.youtube.com/watch?v=Pji1-5wtAws


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2. なぜすごいのか?「Operatorの核となる「CUAモデル」」

Operatorの中核にあるのは 「Computer-Using Agent(CUA)」 と呼ばれる新しいモデルです。
CUAはOpenAIの大規模言語モデル「GPT-4o(ジーピーティーフォー・オー)」の視覚認識機能(画面を見る力)と、強化学習による推論力(タスクをどう進めるか考える力)を組み合わせています。

具体的には、

  1. 画面を見る(スクリーンショットを解析)
  2. 考える(どこをクリックし、どう入力すべきか手順を検討)
  3. 行動する(実際にマウスクリックやキーボード入力を行う)

といったフローでタスクを進行。
もし途中で誤操作があっても自動で修正を試み、ユーザーに確認やヘルプを求めるよう設計されています。


3. Operatorで何ができる?

3.1 具体的な使い方イメージ

レストラン予約

「○○レストランを19時に2名で予約して」と指示すると、自動で予約サイトを開き、空き時間をチェック。必要に応じてユーザーに「19時は埋まっているので19:45でもいいですか?」などと確認してくれます。

ネットスーパーで食材注文

商品リストの画像をアップロードすると、Operatorが画像認識で内容を読み取り、指定のスーパーや通販サイトでカートに商品を追加し、金額などを計算してくれます。最終的な「購入してもいいですか?」という確認を待ってから実行するため、誤注文を防止できます。

3.2 並行タスクの実行

ChatGPTのように「1対1」のやりとりではなく、**複数のスレッド(タブ)**を立ち上げて並行処理ができるのも特徴。
たとえばレストラン予約を進めながら、同時にチケットの購入やスーパーマーケットの買い物を進める、といったマルチタスクが可能です。


4. どんな人に役立ちそう?

  • 忙しい社会人
    日常の細かな雑務(チケット購入・予約・買い物)を任せることで、時間を節約して本来の業務や趣味に集中できる。

  • 小規模事業者やフリーランス
    見積もり作成や顧客データ管理など、Web上での定型作業を自動化して、作業効率を上げられる可能性がある。

  • 海外サイトをよく使う人
    海外予約サイトや海外通販サイトなど、APIが公開されていないサービスでもUIを直接操作できるため、手続きがスムーズになるかもしれない。

  • ITが苦手な家族のサポート
    家族の代わりにオペレーションをしてあげる使い方も想定できる。ただし、ログイン情報などは慎重に取り扱う必要がある。


5. 安全性とプライバシーへの配慮

Operatorは「リモートブラウザ」を自動操作する仕組みなので、ユーザーの代わりにネット決済なども行えます。
当然ながら、安全性とプライバシー保護が重要となるため、OpenAIは下記の対策を行っています。

  • ユーザー確認(コンファーム)
    予約や注文など実害が大きい操作を行う際は、ユーザーに「最終OKですか?」と必ず確認する。

  • Take over機能
    途中でAIの操作がうまくいかなかった場合、ユーザーがいつでも手動で操作を引き継げる。

  • ブロックリスト・モニタリング
    有害サイトや不正タスクを検知し、実行をブロックする仕組み。

  • データ削除・プライバシー設定
    リモートブラウザのCookieや履歴データを一括クリアする機能を用意。
    ユーザーがオプトアウト設定をすると学習用のデータに利用されない。

欧州などの規制が厳しい地域では、提供に時間をかけながら慎重に進めると発表されています。


6. 使うときの注意点

  • まだ研究中
    成功率のベンチマークは上がってきているものの(58〜87%など)、人間の操作と比べると不十分な部分も。誤操作もあり得るので、チェックは欠かせない。

  • 機密データや金銭関連は慎重に
    銀行取引などのセンシティブな操作は限定的で、Operatorが扱える範囲に制限がある。とはいえクレジットカード情報などのやり取りには注意が必要。

  • ログインや支払いの場面ではユーザーが操作
    Operatorはパスワードやカード情報などの入力を勝手にするのではなく、あくまでユーザーが「自分で入力してAIに引き継ぐ」フローが求められる。
    ここを誤るとセキュリティリスクが高まるので、慎重に扱うことが大切。


7. 今後の展望

OpenAIは、Operatorをはじめとする「自律エージェント」の研究・開発を今後も進めるとしています。
特に下記のようなアップデートや拡張を計画中です。

  • CUAのAPI提供
    他社や個人開発者も同様のエージェントを作れるようになると、業務効率化や新サービス創出が一気に加速しそうです。

  • 特化型エージェント
    ホテル予約や営業事務サポートなど、特定の業務に特化したエージェントも登場すると言われています。

  • チャット型AIとの完全統合
    今は独立している「Operator」が、将来的にはChatGPTなどに統合され、普通に会話しているだけで自動操作が動くようになるかもしれません。


8. まとめ

Operatorは、Web上でのブラウザ操作をAIに任せられるエージェント。
どんなボタンも自動クリック可能で、人間が使うインターフェイスをそのまま扱える。
まだ研究中で失敗もあるが、将来的に幅広い自動化の可能性を秘めている。

安全面では最終確認の徹底や手動引き継ぎ機能などが実装されており、OpenAIは段階的に拡大を検討中。
今後、ネット予約や買い物といった「少し面倒な作業」をAIに任せる時代が訪れるかもしれません。日常的にWebサービスを使っているなら、Operatorは 「時間を浮かせてくれる頼れるアシスタント」 になり得るでしょう。ただし、まだまだ不完全な面はあるので、大事な作業はしっかり最終チェックをすることが必要です。

新しい技術は使い方次第。興味のある方は、今後のOpenAIの動向やユーザーのフィードバックを追いつつ、試せるタイミングが来たら一足先に触れてみてはいかがでしょうか。


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