【解説】Gemini 2.0 Flash × bolt.diy で超低コスト&制限フリーなAIエージェント開発を始める方法
bolt.diyとは何か?
AI搭載Web開発ツール「Bolt.new」のオープンソース版。ローカル環境やDockerで自由に構築可能。自前のAPIキーを差し替えて使えるのが最大の特徴。
Gemini 2.0 Flash
Googleが提供している言語モデルの一つ。今ホットなAIの1つ(主に個人開発などに適応しやすい意味でも)
「高速応答」や「コスト面での優位性」「100万トークンの巨大コンテキスト」が強み。
- 入力トークン上限が非常に大きく、かつ推論速度も早い
- 料金体系が安価かつ細かいステップで課金される(無料枠も存在)
本記事では、この二つを組み合わせて利用し、「安く」「爆速」でAI支援の開発を行う流れをざっとご紹介します。
bolt.diyとは? なぜオープンソース版を使うとお得なのか? bolt.newとの違い
bolt.new
ブラウザでフロントからバックエンドまで書ける革新的なAI開発プラットフォーム。月額制サブスクが存在し、有料プランだと大きめのトークン枠が使える。
bolt.diy
そのbolt.newの「オープンソース版」。リポジトリをクローンしてローカル実行し、APIキーさえ手元にあればどんなLLMでも使えるというメリットがある。
独自に用意したLLM(例: DeepSeekやOpenAI GPT-4o、Gemini2.0など)を選択可能
費用:実行にかかるのは自分が契約している各LLMのAPI料金のみ。
bolt.new本体のサブスク費用は不要。
- 公式リポジトリをクローンして、Docker Composeで一発起動が可能
- または、Node.jsとpnpmを直接インストールしてローカルで起動もできる(WindowsならWSL利用推奨)
事前準備
- Docker(またはNode.js + pnpm)をインストール
- Windowsの場合はWSL経由でDockerを導入するとスムーズ
- Git のインストール
- git cloneを使うために必要
bolt.diyのセットアップ
- リポジトリのクローン
git clone https://github.com/stackblitz-labs/bolt.diy.git
cd bolt.diy
- pnpm で依存関係をインストール
npm install -g pnpm # pnpmが未インストールの場合
pnpm install
- Docker利用の場合
npm run dockerbuild # Development用
docker-compose --profile development up
- ローカル(Node.js)起動の場合
pnpm run dev
ブラウザでアクセス
通常http://localhost:5173などが表示されるので、そこにアクセス
Gemini 2.0 FlashのAPIキーを設定
- Google Cloud(Vertex AIやGenerative AI Studio)でプロジェクト作成
- Googleアカウントでログインし、AIモデル開発のダッシュボードにてGemini 2.0 Flashを選択
- APIキーを取得を選択
bolt.diyのLLM設定画面を開く
ページ左上か右上あたりに「LLMを選択」あるいは「APIキーを入力」ボタンがある(UIによって異なる)
-
Geminiを選択し、取得したAPIキーを入力
例)Model: “Gemini 2.0 Flash” -
API Key欄に発行したキーをペースト → 保存
以上で、Gemini 2.0 Flash × bolt.diy の連携が完了。
あとはbolt.diy上でプロンプトを入力するだけで、Geminiモデルを使ったチャットやコード生成が可能になります。
実際に試す:コード生成のデモ
サンプル:Next.jsでTodoアプリを作る
Next.jsでシンプルなTodoアプリを作成。タスクの追加・削除ができ、全タスクを一覧表示する機能を追加。
- 実行すると、右ペインにてGemini 2.0 Flashが高速でコード生成を開始
- 生成完了後、プレビューを開き確認
- 必要に応じて、「削除したタスクの復元機能を追加」など追記し、より機能を充実
実際の使用感
生成スピード
Gemini 2.0 Flashは「出力速度がかなり高速」で、笑ってしまう。deepseekと比較するとかなりの差を感じる
価格面
大規模なコード生成・大量のトークン使用でも、思った以上に課金額が抑えられる
品質
流石にClaude3.5Sonnet等の現在の主流モデルと比べれば劣る印象はあるが、前モデルGemini1.5flashと比べれば全然いい感じ。
料金の目安と注意点
Google側の料金体系
2025年2月時点で、Gemini 2.0 Flashはインプット・アウトプットともに非常に安価なレートが設定されている。
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無料枠も一定数あり:1日数百~数千回のリクエストなら追加コストゼロで使える可能性も
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bolt.diy自体は無料
- 課金が発生するのは接続先のLLM API分のみ
-
トークン使用量モニタリング
- 大規模データを一度にプロンプトとして投げる場合、利用上限(コンテキスト100万トークン)に注意
- APIキーのレート制限・リクエスト上限にも注意が必要(Google Cloudコンソールで確認)
Gemini 2.0 Flash × bolt.diyはこんな方におすすめ
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コストを極力抑えたい
APIコストがかなり節約できるのが最高。使い放題でも他のサービスなどと比べれば安く使うことができる。使用制約を読む必要があるが無料モデル(実験版)を使って動かすこともできるのはいい -
高速で開発を回したい
Chatリクエストやコード生成がサクサク動くので、試作→修正の反復がスピーディ -
自前環境で自由に動かしたい
bolt.diyはオープンソースかつDocker対応。会社PCでも個人PCでもセットアップしやすい
まとめ
LLMの性能が向上しコンテキストデータも増えてくれば来るほど、このboltなどのツールも強力になるわけですから今後が楽しみですね
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