Unity1週間ゲームジャムの評価基準について考える
これは何?
unityroomさんで定期的に開催されるイベント、「Unity1週間ゲームジャム(以下、Unity1Weekと呼称)」における私なりの評価基準の記録です。
あなたは誰?
最近、エンジニア・ゲーム開発者を自称しだしたフリーランスのおじさんです。IT系の専門学校で情報工学、プログラミング、アプリやゲーム開発の講師もしています。ロジカルに物事を考える性分。
今回、Unity学習半年の成果という形でUnity1Weekに新参者として挑戦、作品を初めて投稿してみました。今はゲーム相互評価期間と呼ばれる時期に入ったところで、自身の作品が他者から評価されるということで非常にドキドキしています。
Unity1Weekって何?
Unity1Weekは日曜日の24時にテーマを発表し、翌日曜20時までの1週間でテーマに沿ったゲームをゲームエンジンUnityで作成し、互いに投稿、互いに評価をしよう!というイベントです。GameJamと呼ばれるタイプのイベント(もしくはコンテスト)ですが、中身はだいぶゆるふわで、
- テーマはこじつけOK
- 楽しむ!!
- 締め切りオーバーしても誰も怒りません
- 能力(プロorアマ)、年齢、人数(個or複)、機材などUnity以外の強い縛りなし(良識の範囲内で)
ということが主軸となっており、言わばお祭り騒ぎなイベントです。
しかし、投稿されるゲームはどれもユニークで、中には技術的な面で関心するゲームなどもあり、存在を知った時はすごく衝撃的だったことを覚えています。
なぜ書いた?
仕事上、他者を評価する側に立つことが多い立場にいます。
成績の評価というものは、「どういった基準、項目に対してなぜそういった評価になったのか?」と説明する必要がたびたび発生します。(あまり気にしない学生さんもいますが・・・)
今回、これから私も他者作品を遊んで評価を残すことへ臨むにあたり、「適当は良くない!」と思いその方針を記録に残すことにしました。
また、それ以外にも「皆どう考えて評価しているんだろ?知りたいなー」と思っていましたが、他の参加者に突然ふっかけるわけにもいかず、言い出しっぺの法則?となりますが、まずは自分からということで書くことを決意しました。
なぜZennで書いた?って・・・Zennでmarkdownすることに全振りしたんやっ!!
記事を読む前に
後に続く記載内容に決して悪意はありません。あくまで、そういう人もいるんだな!という参考程度に捉えてください。逆に、高い評価が欲しい!という方は次回参加の際に考慮していただければ、少なくとも私一人の評価は上がるかもしれません(確実に遊ばれる保証はありませんが・・・)。
- 運営にこうしろ!とは思っていません
- 他の評価者に私と同じ評価方法を迫るわけではありません
- 開発者の方々が私の意見を真に受けてしまい、評価の仕方に合わない私なんて・・と、創作意欲が削がれてしまうことは本意ではありません
評価項目
では私自身の評価基準を説明する前に、そもそもUnity1Weekではどういった内容を評価するのか再確認しておきましょう。この辺りの項目を選出した理由については公式サイト上にパッとみたところありませんでしたが、イベントの概要+ゲームというコンテンツの性質などからある程度納得のいくものであると私は考えています。
- 楽しさ(Fun)
- 絵作り(Graphics)
- サウンド(Audio)
- 操作性(Control)
- 雰囲気(Mood)
- 斬新さ(Innovation)
私の評価基準
ここからが私の評価基準になります。項目1つにつき、星1~2個相当のような感じです。基準ですので、恐らくゲームを遊んだ時の気分でここからさらに上下すると思いますし、MAXは星5なので、星5になりやすいかもしれません。途中、「テーマの捉え方」という言葉が登場しますが、これはテーマからどんな言葉を連想してゲーム作りに至ったか?というものです。(例:ちゅう→ネズミ、ちゅう→中 etc)
楽しさ(Fun)
何気にロジカルに判断するのが一番難しい項目。次みたいな感じでつけようと思っています。プレイ中にどこかで「あ、ここ残念だなー」と感じた場合は、おそらく評価が下がります。
- 想定したプレイ時間で高い満足感を得られたか
- 想定したプレイ時間以上に夢中になれる要素はあったか
- 爽快感はあったか(アクション重視のゲーム)
- 戦略性はあったか(パズル、対戦系、戦略重視のゲーム)
- ひらめきを感じたか(パズル、クイズ系のゲーム)
- 緊張感、スリルはあったか(ホラー、時間制限を伴うゲーム)
- 不必要な繰り返しはないか
- 一方通行でないか、遊びに余白があるか
絵作り(Graphics)
以下が絵作りについてのおおよその基準です。
- アイコンに惹きつけられるものがあったか
- タイトル画面に惹きつけられるものがあったか
- ゲーム中の画像表現を魅力的と感じたか
- カメラに違和感がないか
- 光、影、エフェクトなどの演出を効果的に使っているか
- 絵を魅力的に見せる、活用している要素はあったか
- 統一感、一貫性があるか
- 自作か
サウンド(Audio)
以下がサウンドについてのおおよその基準になると考えます。他にもサウンドまわりにバグがあるのではないか?と感じたら減点すると思います。
- BGMをゲームプレイ全体を通して満遍なく盛り込めている(無音演出を除く)
- BGMを適切なタイミングで適切なイメージのものを流せているか(意図的な演出を除く)
- SEをゲームプレイ全体を通して満遍なく盛り込めている(無音演出を除く)
- SEを適切なタイミングで適切なイメージのものを流せているか(意図的な演出を除く)
- BGM,SEについて音量設定をはじめとした遊び手への配慮がなされているか
- BGM,SEによってゲームへの没入感が深められたか
- 特別、もしくは高度なBGM,SEの演出が存在したか
- 自作か
操作性(Control)
操作性について思い浮かぶのは次のものでしょうか。
- 「違和感」を感じなかったか
- 理不尽さはないか
- 操作説明と不一意がないか、言葉が足りていないか、抜けがないか
- 遊び手への配慮がなされていたか(複数デバイスへの対応など)
- 操作説明〜ゲームプレイまでの導入がスムーズだったか
雰囲気(Mood)
こちらは中々言葉で表現することが難しい項目ですね。言ってしまえば、雰囲気って「絵作り」も「サウンド」も含めた総合的なものになってしまいがちなので、単独で雰囲気を説明しにくいと感じます。あえて挙げるならば次のような形になると思います。
- 「テーマの捉え方」とゲーム全体の雰囲気がマッチしていたか
- 感情に訴えるものはあったか(壮大さ、優雅さ、陰湿さ、ギャグさ、シュールさ)
- プレイ前からワクワクはあったか
- 説明文からゲームにのめり込ませるような工夫があったか
- ゲームの導入にゲームの没入効果を高める工夫があったか
- 何を説明せずとも、「テーマの捉え方」がどんなものか判断がつくか
斬新さ(Innovation)
いかにもUnity1Week1っぽい項目です。集客や売上に拘らない、GameJamだからこそ産まれたアイデアには高い賞賛を送るべきだと考えます。そんな前提で、あえて挙げるなら次の内容でしょうか。
- 過去に見たことがない
- 他者と重複しない「テーマの捉え方」か
- 要素の組み合わせが秀逸か
- 「そうきたか・・・」と驚いたか
ここまで書いてみて
さて、ここまで色々と新参者が偉そうに書いてきましたが、では私自身がこれを全て守れているのか?と言えば、そんなことは決してありません。実はこれらの項目を整理した真なる目的は、もっと良いゲームを開発・投稿できるように日々精進するための私自身への「戒め」です。
もちろん、それぞれの項目について異論・反論おおいに認めます。逆に、その項目どういうこと?っていう方が多いようでしたら気が向いたときに続きを書きたいと思います。
またよろしければ拙作、「愛、御中」をプレイしていただけますと幸いです。
※「テーマの捉え方」がちょっと人を選んでしまうものだったと提出した後で反省しました。ルール説明〜プレイへの導入も今ひとつでしたし。もっと多くの人の心をガツッと掴む奴考えるぞー。
最後に
Unity1Week参加にあたり企画のブレインストーミングにご協力いただいた友人の方々、教え子の皆さんに感謝を。また、貴重な場を提供していただいているunityroomの運営ならびにUnity1週間ゲームジャム主催の@naichilab様へ最大の謝辞を。
もっともっと面白いゲーム作っちゃる!! 開発たのしぃー!!
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