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[Devin/Codex/Claude Code]非同期コーディングエージェントの使い方ガイド

に公開

これはDevinによる公式ガイド Coding Agents 101 の日本語抄訳です。

Coding Agents 101 ―― 実際に成果を出すためのアート

0. はじめに

2025 年現在、「コーディングエージェント」は魔法ではありませんが、最も魔法に近い開発ツールです。特にシニア〜スタッフ級のエンジニアは、この新しい同僚を素早く使いこなし成果を上げています。本ガイドでは、私たちと顧客が得た知見のうち、誰でもすぐに応用できるエッセンスをまとめました。


1. 本ガイドの位置づけ

特徴 内容
プロダクト非依存 Devin・Codex・Claude Code など、どのエージェントでも役立つ原則を扱う
実践的 すぐに試せる具体的なテクニックを紹介
技術者向け エンジニアを想定した技術的 Tips が中心

2. 基本編 — プロンプト設計 5 か条

  1. “何” だけでなく “どう” を伝える

    • 例:「ユニットテストを追加」ではなく「機能 A のエッジケース X/Y をモック付きでテスト」
  2. 開始地点を示す

    • 例:「models ディレクトリに Google 用実装ファイルを新規追加し、公式ドキュメントはこちら」
  3. 守りのプロンプト(Defensive Prompting)

    • 例:「C++ バインディングは変更後に毎回再コンパイルしないとテストが通らないので注意」
  4. CI/テスト/型/リンターを必ず使わせる

    • 型付き Python や TypeScript を推奨し、コマンドの実行方法も指示しておく
  5. 自分の専門性で補完する

    • 最終的な正しさは人間が担保するという姿勢を忘れない

3. ワークフローへの組み込み(Quick Wins)

  • 即応タスクの委任
    Slack で「@Devin バグ修正お願い」で済ませる例
  • モバイルからのコード修正
    通勤中に緊急パッチをモバイル Slack 経由で投入
  • 雑用(ドキュメント更新・ビルドバイセクト)を丸投げ
  • 「両案実装」で意思決定を高速化
    Lexical vs. Slate を両方実装し良い方を採用
  • PR ごとのプレビュー環境自動作成
    Vercel などを利用してフロントエンド確認を楽に

4. 中級編 — 大きめチケットを任せるコツ

  1. 下書きの自動生成で 8 割時短

  2. PRD を AI と共同作成

    • 質問を投げて要件や影響範囲を洗い出す
  3. チェックポイント方式

    • 計画 → DB 変更 → バックエンド → フロント … の各段階で一時停止し確認
  4. 自己検証手順を教え込む

    • テスト手順をメモリに保存し再利用
  5. ホットスポットのテスト網羅

    • AI が大量変更する前にユニットテストを強化

5. 上級編 — ワークフロー自動化

5.1 定型作業のショートカット化

  • フィーチャーフラグ削除、依存アップグレード、テスト生成などをプレイブック化
  • 新規 PR で 3 体の「テスト専用エージェント」を自動起動している事例

5.2 賢いコードレビュー

  • リンターで検出できない “よくある失敗” をエージェントが PR ごとにチェック

5.3 インシデント連携

  • 例外ログを取り込み、「最も怪しい変更」だけを提案

6. カスタマイズと性能向上

テーマ ポイント
環境整備 言語バージョン・パッケージ・pre-commit をそろえる
CLI/MCP 拡張 例:linear-info <ID> でチケット概要を取得させる
ナレッジベース充実 ルールやアーキテクチャ、標準テスト手順を .md や専用 DB に保存

7. 実践的な注意点

7.1 自律エージェントの限界

  • デバッグ力:根本原因候補の列挙までは頼れるが、完全自動修正は難しい
  • 視覚的微調整:Figma SS のピクセル単位比較はまだ苦手
  • ナレッジカットオフ:新ライブラリは必ず最新版ドキュメントを渡す

7.2 時間管理と損失最小化

  • 迷走したら 早めに打ち切り
  • 実験を分散 し、成功パターンに資源集中
  • 最初からやり直し は意外と早い

7.3 セキュリティと権限

  • テスト用アカウント・IAM ロールを発行
  • 本番アクセスは禁止、ステージングに限定
  • APIキーは極力 Read-only

8. まとめ ―― “並列タスク” が当たり前の世界へ

コーディングエージェントの台頭で、エンジニアの役割は 「複数のシステムを横断的に管理しながら深い技術判断を下す」 方向へ拡大します。
専門知識とコードベース理解はこれまで以上に重要です。本ガイドの原則を取り入れ、AI 同僚と協働する未来に備えましょう。

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