ShuttleがSerenityの0.12に対応したぞ!!(ただし自分に関わりのある部分のみ紹介)
TL;DR
- DB使う場合のエントリポイントの関数の引数の仕様変更
- Serenity0.12をデフォルトに
- CHANGELOG、大事
破壊的変更とは
よく英語ではBREKING CHANGEなんてかかれている。読んでそのまま昔のコードのままだと動かなくなる変更の事。Conventional Commit(コミットログ規約みたいなもの)においてはPrefixに!
を追記する。
自分の作成しているプログラムを継続して開発していく場合、つまり運用や保守をする場合、使っているライブラリやクレートは、最新のものを使うのが好ましい。(この理由に関しては様々あると思う、脆弱性の対応やパフォーマンスの改善、全体的に見た場合の書きやすさとか)
新しくなっていく際に、そのライブラリの開発メンバーたちが「こうしたほうがいい!」というもとで、既存のコードが使えなくなる変更が生じることがある。それが破壊的変更だ。
現時点でそうしたリリースを行っているOSSは基本的にはチェンジログといってリリース時の変更をまとめたものを出してくれる。その中にBREAKING CHANGEなどとかかれたものがあればそれが破壊的変更で、最新バージョンのライブラリを使う場合それに追従する必要がある。
今回はメンテする中でライブラリの破壊的変更に対応したのでその話。
Shuttle 0.37の(自分に関わりのある)変更点
GitHubはエンジニアのSNSなんて言われているが、ぶっちゃけ私はそんなに見ない。
なので今回気づいたのはShuttleの公式DiscordコミュニティのEveryoneメンションで「0.37リリースしたから確認してチョ!」というものだった。
そのメンションを見たときはホーンという感じだったが、リリースノートにかかれていた文言が私をやる気にさせた。
shuttle-serenity now uses 0.12 by default. Using 0.11 is still possible with a feature flag. More info in the crate docs.
(リリースノートより)
ShuttleはRustでかかれたプロジェクトをホスティングしているサービスで、Discrod API用のライブラリであるSerenityについてもサポートしている。
ただ、前のバージョンの0.36まではSerenityの0.11
までをデフォルトのサポートとしており、私も0.11
に合わせて開発をしていた。[1]
今回のバージョンリリースでついに最新のSerenityのメジャーバージョンを使える用になったわけなので、早速対応をしよう、というのが今回のことの始まりである。
また今回先に述べた破壊的変更として、shuttle-shared-db
などのDBに接続する時の引数をPoolにしていたのが今回の変更で接続先のロケーターの文字列を渡すようになったのが変更点。
以下はリリースノートからの引用↓
// Use the connection string
#[shuttle_runtime::main]
async fn main(#[shuttle_shared_db::Postgres] conn_str: String) -> ... { ... }
// 🚨 Add the "sqlx" feature flag to get a PgPool like before
#[shuttle_runtime::main]
async fn main(#[shuttle_shared_db::Postgres] pool: sqlx::PgPool) -> ... { ... }
今回はfeature-flag
の変更で対応。今回この変更に真っ向から追従する、つまり上の実装に変更するのが面倒そうだと感じたので、Cargo.tomlのshuttle-shared-db
部分を変更して対応した。
shuttle-shared-db = { version = "0.37.0", features = ["postgres", "sqlx"] }
Serenity 0.12の(同上)変更点
こちらも一部だけ抜粋。ちなみこっちの変更も破壊的変更(のはず)。
The closure-based API for constructing requests using the builder pattern has been ripped out and replaced. In place of closures, users must now pass in builder types directly.
(リリースノートより)
これまでメッセージを送信する際に使っていたCreateMessage
のビルダーのAPIがクロージャベースの設計を廃止し、普通のメソッドチェーンのような書き方ができるようになった。
書き方としてはかなり直感的になったので今回の変更は現時点では個人的にはいい変更だと感じた。
クロージャって?
- .send_message(&_ctx.http, |message| {
- message
+ .send_message(
+ &_ctx.http,
+ CreateMessage::new()
.reference_message(&msg)
- .allowed_mentions(|mentions| mentions.replied_user(true))
- .add_embed(|embed| {
- embed.description(description).timestamp(msg.timestamp)
- })
- })
+ .allowed_mentions(CreateAllowedMentions::new().replied_user(true))
+ .add_embed(
+ CreateEmbed::new()
+ .description(description)
+ .timestamp(msg.timestamp),
+ ),
+ )
.await,
こうした変更の対応はどうすればいいのか
Rustの場合、VSCで開発していると拡張機能のCratesがバージョンが最新かどうかを判定してくれるし、 mend.ioのrenovateなどの依存更新ツールもあるため最近の開発においては察知するのはあまり難しいものではない。ただ、日本語話者にとってはだいたい有用なプロジェクトは英語なので、とっつきにくい印象もある。まぁLLMの要約に入れたりなんだりかできる世の中にもなったので、キャッチアップのアンテナだけきちんと張っておけば実装自体はきちんと変更点を読めばいい。
おまけ
今回対応したRepoのPRをおいておきます。
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