ボラティリティとは
目次
- ボラティリティとは
- ボラティリティを生かした投資について
- ボラティリティを見る際の注意点
1. ボラティリティとは
ボラティリティとは、簡単に言うと株価の値動きの幅(大きさ)を表しています。
基本的にはパーセントで表し、値動きの幅が大きいほどボラティリティは高く、値動きの幅が小さいほどボラティリティは低いです。
ボラティリティの算出方法
ボラティリティは以下の計算式で求めることができます。
当日のボラティリティ(%)=当日のTR(①)/当日のTP(②)×100
①TR(トゥルー・レンジ)
TRは次の3つのうち値が最大のものを適用します。
- 当日の高値-当日の安値
- 当日の高値-前日の終値
- 前日の終値-当日の安値
②TP(ティピカル・プライス)
TPは高値、安値、終値の3つの平均値です。
ボラティリティは、5%以上であればその日のボラティリティは高いと判断します。
ある事象で株価が急騰したりすると、ボラティリティは10%以上に上昇することがあります。
2. ボラティリティを生かした投資について
短期トレード
ボラティリティが高いと、
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「デイトレード(1日のうちに売買を行う)」
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「スキャルピング(数秒で売買を行い、それを1日に何回も繰り返す超短期売買)」
などの短期トレードを行うトレーダーにとって有利に働きます。
というのもこれらの短期トレードの場合、売買する株の値動きの変動幅が激しくないと短期間で利益を上げることが難しくなるからです。
つまり、短期トレードを中心に行っているトレーダーはボラティリティの高い(〇%以上と決めておくといい)銘柄を選ぶ必要があります。
投資配分
ボラティリティが高いと、予想通りに株価が動き儲かることができた際にはその分利益が大きくなりますが、もし予想に反して株価が動くと大きな損失を招くことに繋がります。
例えば、あらかじめ決めている投資金額100万円全額をボラティリティが高い銘柄1つだけに投じていたらどうでしょうか。
もしその株価が2倍になれば投資金額は2倍になりますが、業績が悪化して半値になれば投資金額は半分になってしまいます。
つまり、ボラティリティが高い株はハイリスク・ハイリターンであるといえます。
エントリーするタイミングを間違えてしまうと、大きな損失を被る可能性もあるでしょう。
そうした状況にならないためには、株価チャートを分析して根拠を持ったエントリーができるようになることが大事です。
3. ボラティリティを見る際の注意点
ボラティリティだけでは株価の方向が判断できない
ボラティリティの数値を見ただけでは、その銘柄の株価の方向を判断することはできません。
あくまでも値動きの変動幅が分かるということなので注意が必要です。
よって実際に売買をする際は、ボラティリティを活かすと同時にテクニカル指標を用いて銘柄を分析する必要があります。
株価が低い銘柄はボラティリティが高くなる
株価が100円以下であるなど安い銘柄の場合は、値動きの変動幅が小さくてもボラティリティが高くなります。
例を見てみましょう。
・TR=5円、TP=100円の場合
ボラティリティは 5 / 100 × 100 = 5%
・TR=5円、TP=1000円の場合
ボラティリティは 5 / 1000 × 100 = 0.5%
2つの銘柄でボラティリティを求めてみました。
どちらもTR(3つのうち最大であった値動きの変動幅)は5円ですが、ボラティリティは大きく違っています。
それはTP(高値、安値、終値の3つの平均値。つまりおおよその株価)の違いによるものです。
どちらも株価の変動幅が5円で同じような価格変動をした銘柄のように思えますが、株価に対しての変動幅のパーセンテージは全く違います。
つまり株価が5円の変動をするということは、①のように株価が100円前後の安い銘柄にとっては大きな変動(5%のボラティリティ)であり、実は②のように株価が1000円前後である②の銘柄にとってはたいして大きくない変動(0.5%のボラティリティ)ということです。
このように、同じ値動きの変動幅であっても株価が安い銘柄だとボラティリティが高くなるので知らず知らずのうちにリスクを許容している場合があります。
特に株式投資初心者の方は、大金を投資するのに抵抗があり安い銘柄をチェックしがちかと思いますがボラティリティをしっかり考慮することが大切です。
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