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現役の開発SEが敢えて『ITパスポート』を取るとしたら?

2024/11/11に公開

記事の概要

非IT業界向けには薦められているが、IT業界では必要ではないという意見が多い『ITパスポート』について、現役の開発SEの視点で考える。

対象者(開発SE)

  • ITパスポートは不要という認識を持っている。
  • 上流工程でシステム企画要件定義をやっている、またはやりたいと考えている。

この資格って?

今やネットで調べれば、いくらでも情報が出るのでここでは簡潔とする。
割と有名と思われるIT系の国家試験であるが、レベルは低めとされている。
IT業界よりも、非IT業界で働く人々向けにITリテラシーを身に着けてもらうための入門資格である。

ネットやSNSで見かけた扱い

例えばこんな感じ・・・
「IT業界でこの資格を持っています! と言うのは、むしろ恥ずかしい

なんとも刺激的な意見だが、完全に否定し切れないのが悲しい;
持っているのは良いけど、それをスキルシートに書くのは・・・ということかと思われる。
基本情報技術者試験以上が、SEとしての標準とみなされるのが現実か。

こんな使い方は?

IT業界的にはあまり必要とされない傾向のITパスポートだが、他の資格との組合わせで別の証明が出来たり、他の資格の一部試験免除が出来るのをご存じだろうか?

その1:DX推進パスポート

これはデジタルリテラシー協議会が推進する『Di-Lite』の対象資格を取得することで貰えるバッジ。
DX推進パスポート デジタルバッジ』である。
ITパスポートの他にG検定DS検定リテラシーレベルが対象であり、どれか1つ合格でもバッジは貰えるが、3つとも合格のバッジが最上位となる。

尚、基本情報応用情報高度試験対象ではなく、あくまでITパスポート対象であるのがポイントである。

筆者もバッジは持っている。
【ブログ】『DX推進パスポート3(最上位バッジ)』の対象者でした!

まだ知名度はこれからという感じに思えるが、様々な分野の企業でDXが推進されるので時代に合わせたニーズに対する『もうひと押し』的な感じで持っておくと、プロジェクトメンバーとして頼りにされたり、更に企画コンサルへ関わる要素にもなり得ると考えられる。

また、考え方次第ではこのバッジを目標にすれば、自ずとG検定DS検定を勉強するきっかけにもできる。

その2:ITコーディネータ

ITコーディネータ協会の民間資格である。
DX推進パスポートと同様、やはりDXが関係しているがこちらは更に経営コンサル寄りな面が強い(と、筆者は思う)

詳細は上記のリンクからHPで確認して頂ければ良いので省略するが、驚く点がいくつかある。

『ITSS レベル4』

ITSSが何なのかご存じ無い方向けに言うと、要はIT資格の難易度一覧的なものである。
なんとITコーディネータは、IPA高度試験と同じレベルである!!
ITSSのキャリアフレームワークと認定試験・資格とのマップ Ver12.2 (2024年2月29日現在)

試験の一部に免除がある!

詳細は省略してざっくり紹介するが、この資格は研修と試験合格の両方が必要となる。
その内の試験について、実はITパスポートに合格していると100問中の40問が免除され、受験料がその分だけ安くなる

免除対象の資格は、IPA高度試験や他にも様々な難関資格が対象となっている。
ちなみに、情報処理技術者試験を対象とする注意点は下記の通り。

  • 基本情報や応用情報は対象ではない!(あくまで高度試験の合格)
  • 情報処理安全確保支援士は『合格』だけではなく『登録』まで済ませないと対象ではない!
  • ITパスポートは750点未満は対象ではない!

費用と維持が・・・

取得には試験合格と併せて研修を受ける必要があるが、結構な費用がかかる。
また、維持するためのコスト(時間も費用も)他のIT資格よりもかかるものとなっている;
詳細はITコーディネータ資格 FAQを見て欲しい。

・・・という感じである。
ITSS レベル4』は魅力的に思う人も居るのではないだろうか?
筆者はIPA高度試験にどうしても合格できない場合に、勉強がてら一度挑戦してみようかと考えている。
ただ、維持はせず期間限定で勉強させて頂く、といったところだろう;

コンサルとしての知識・スキルの証明に有効かなと考えられるが、DX推進パスポート同様に知名度がまだこれからな気がするのと、コンサルであれば難関資格の中小企業診断士があるので、どうしてもやや弱く思えてしまうところは否めない;

中小企業診断士を目指す、または早くコンサルとして何か身に付けたいというのなら挑戦するのも1つの手だろう。
たとえ維持しなくても、とっかかりとして利用するのは全然アリだと筆者は思う。

ITパスポートの勉強方法

おそらく、この記事を読んでいる方々は基本情報や応用情報、高度試験に1つは合格しているのではないかと思う。
もしそうでなくても、開発SEであれば基本情報以上の知識は持っているだろう。

であれば、やることはただひとつ
ITパスポート過去問道場

結論

ということで、途中からITパスポートそっちのけだった気もするが、結論は下記の通り。

  • ITパスポート試験合格を、他の資格取得の材料として活用する!

おまけ

資格取得目的でなくても、他にも活用出来そうな気はする。
例えば、教える側の立場になることである。

  • 非IT企業向けの講師
  • 学生向けの講師
  • 教材の作成(UdemyやYouTubeなどなど)

持っている知識だけでなく、実際に資格を受験した実績があれば説得力は増すだろう。

最後に

いかがだっただろうか?
今回は、開発SEには『不要』と言われがちな意見に対する、ややアンチテーゼ気味な内容にしてみた。

ただ、あくまで開発SE限定されるのは残念だ。
少なくとも、筆者にはインフラSEに活用できる点は見つけられなかった
「いや、見つけなくていいよ」という声が聞こえて来そうだがw

それでは、今回は以上にて締めようと思う。
ここまで読んで頂き、多謝!!m(_ _)m

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