入社前にイオンについて学んだコンテンツを紹介
こんにちは。イオンスマートテクノロジー株式会社(以後AST)のCTO室SREチームの林 aka もりはやです。
3月からASTのSREチームへジョインしました!入社から2月弱が経過し振り返ってみると、気の良い同僚氏たちに囲まれ、技術的にも文化的にも新鮮なことばかりで毎日を楽しく過ごしています。
本記事では私がASTへの入社が決まったことを機に、入社前に”イオン”について事前インプットを行った際に触れたコンテンツについて紹介するものです。繰り返しになりますが”入社前”の時期であるため社員のみがアクセスできるような限定されたものはありません。気になったものがあれば是非触れてみてください。
さて一般的に自分の所属する企業について知識を得ることは、企業カルチャーやその歴史などを通して所属する部門のミッションや個人のタスクなどの解像度を高める効果が期待できます。私が在籍するASTが所属するイオングループは、私がこれまで所属してきた企業の中で飛び抜けて規模が大きく長い歴史と情報量があり、その一端でもブログで紹介したいと考えました。
世の中に情報媒体は数多くありますがここで紹介するのは私の好みを反映した以下の2点です。
- 書籍
- ポッドキャスト
書籍には正確さや整理された質の高い情報を、ポッドキャストには気軽さを求めてのチョイスです。
書籍
書籍は以下を紹介していきます。
- 『イオンを創った女 ― 評伝 小嶋千鶴子』
- 『小売業の繁栄は平和の象徴』
- 『イオンが変える流通業界再編地図 急浮上する小売の一大勢力イオンブランドの威力』
各書籍には見つかった物には出版元のリンクと、全国に展開するイオングループの書籍専門店である未来屋書店のリンクを記載してありますのでお近くにありましたら是非お求めください。
『イオンを創った女 ― 評伝 小嶋千鶴子』
- タイトル: イオンを創った女 ― 評伝 小嶋千鶴子
- 著: 東海 友和
- 出版: プレジデント社
- 発売日: 2018-10-31
- リンク:
入社前にイオンについて学ぼうと思い立ち、近場の図書館の検索機でキーワード”イオン”と入力した結果、出版年数が最も新しい2018年10月31日発売だったことを理由に最初に読んだのがこの本でした。
本書はイオングループ創業者であり会長でもある”岡田卓也氏の実姉・小嶋千鶴子氏”を中心に、岡田屋からジャスコ、そしてイオン創業にいたるまでの数々の歴史的経緯について紹介されています。後述で紹介する書籍においても小嶋千鶴子氏は登場しますが、頻度は多くなく読者としてはあまり印象には残らないかもしれません。しかし、本書では小嶋千鶴子氏の半生を軸に、氏の生き様とイオンの成長を具体的な事例とあわせて記述しており、氏がイオンの歴史に燦然と輝く傑物であることがエピソードを交えて紹介されています。
オススメポイント
本書の特徴は読みやすさにあります。プレジデント社が手がける多くのビジネス書と等しく、構成と文章は冴え渡っており面白さにページをめくる手が止まらないほどでした。
加えて本書で紹介される小嶋千鶴子氏の取り組みは、現代提唱されている働き方に通じる数々のエッセンスが込められていました。具体的にはOKR、HRT(心理的安全性)、戦術と戦略(A Philosophy of Software Designより)、アジャイル、木こりのジレンマ、"Done is Better Than Perfect"などが、表現は違えど本質は同じものとして小嶋千鶴子氏が行った社内外への激励や施策として多く登場します。
私が特に気に入った箇所を引用で紹介します。(P100より抜粋)
上からの意思や方針、下からの報告や要請など上下間の遺漏や齟齬のないコミュニケーションこそが最も重要で、それは建物でいえば、「通し柱」であろうか。
この一文が指すのはHRT(心理的安全性)に通じていて、上下双方向で忖度のないコミュニケーションこそが重要だと説いていると読みました。
この他にも良いエピソードが沢山出てきますので、間違いなくオススメの一冊です。
『小売業の繁栄は平和の象徴』
- タイトル: 小売業の繁栄は平和の象徴
- 著: 岡田 卓也
- 出版: 日本経済新聞出版
- 発売日: 2013-10-25 (注意:文庫の発売日で原著は2005-03-01)
- リンク:
本書はイオン創業者の”岡田卓也氏”が、岡田屋からジャスコ、そしてイオンに至るまでの半生を日本経済新聞の”私の履歴書”コーナーへ連載した記事を編集して書籍化したものです。
当初このタイトルを見た私は”平和の象徴”の言葉について少々大仰しい印象を持ちましたが、本書を読み進める上でこの言葉に込められた想いと歴史の一旦に触れることで、今では納得感と感慨を持って”平和の象徴”を眺められます。
地方(三重県)の大きくはない問屋である岡田屋が、太平洋戦争や親類の不幸などの様々な苦難を乗り越え、国内の小売企業と合併を繰り返しながらジャスコとして拡大し、グローバル展開もしながら国内外でも有数規模の小売企業として成長していく様が幾つもの印象深いエピソードと共に綴られています。
オススメポイント
(私を含む)少なくない方にとって、日常的にお買い物に訪れるお店であるイオンの、苦難と発展の歴史を創業者自身の目線で語られた内容は、読んだ前後で近くのイオンへ訪れた際の印象がガラリと変わる点で大変良い体験でした。
エピソードの中でも私が深く印象に残ったのを厳選して2つ紹介します。
1. 本書のタイトルにもなった小売業と平和の繋がりを体現するエピソード
1つ目のオススメポイントは第二次世界大戦が終結し、焼け野原から商いを復活する中で岡田卓也氏が学生社長として初仕事でセールを行った際のエピソードです。
一人の婦人がチラシを手に涙して私に話しかけてきた。「やっと平和が来ましたね」。小売業は平和の象徴だ!小売業のフィロソフィー(哲学)は平和であることを感じた。私の運命は決まった。小売業を一生涯の仕事にしよう。
「小売の商店でセールが行われる」といった現代日本ではありふれた事柄が、戦後間もない当時のお客さまにとって涙を流すまでの感動的な出来事であったことと、その様に対して岡田卓也氏が信念とも呼べる決意を持ったことを語るこのエピソードは強烈な印象を残すものでした。
2. トップバリューにつながるプライベートブランド生誕エピソード
2つ目は合併によるジャスコ設立から数年後の1974年に、オイルショックの影響で”即席カップめん”の値上がりをメーカーから一方的に通告を受けた中でのエピソードです。
当時最高の売れ筋商品だったが、一方的な値上げだったので、十一日に取引停止に踏み切った。このため他のメーカーと組み、商品開発に乗り出した。(中略)商品名はJカップ。初年度の売上高は八億円というヒット商品となった。
これがジャスコのPB(プライベートブランド=自主企画)商品のはしりとなった。今は「トップバリュ」というブランドでお客さまに親しんでいただいている。
引用部分の値上げへの対抗としてプライベートブランドの開発契機だけでなく、当時のメーカーと小売業の力関係にも触れた気付きと痛快さすらある事柄でした。
『イオンが変える流通業界再編地図 急浮上する小売の一大勢力イオンブランドの威力』
- タイトル: イオンが変える流通業界再編地図 急浮上する小売の一大勢力イオンブランドの威力
- 著: 梛野 順三
- 出版: ぱる出版
- 発売日: 2007-08-01
- リンク:
こちらは2007年に出版されたもので、著者の梛野 順三氏はフリーライターであり、様々な業界や企業について本を執筆されています。
内容はイオン単体というよりは当時の小売業界全体に焦点を当て、国の政策から世界情勢までを俯瞰した上で、著者の所感も堂々と交えながら具体的な数字を用いた業界の解説本といった内容でした。
オススメポイント
特徴として著者の第三者視点からの容赦の無い辛辣とも言えるツッコミが時折出てくる点です。その正当性については読者の判断に委ねられますが、具体的な結果や数字をベースに表現されるため説得力もあり、時折苦笑いしながらも面白く読むことができました。
加えて出版当時の2007年周辺の小売業界のトピックが多く紹介されるため、当時の業界の空気を感じられる歴史的な観点からも面白い本でした。
他にも読んだ関連書籍たち
他にもイオンに関連することを理由に以下の書籍に目を通しました。個々の紹介は避け書名の表記に留めますが、どの書籍も何らかの学びがあり面白く読みましたため、著者の皆様には感謝を申し上げます。
ポッドキャスト
ポッドキャストはインターネットラジオとも言われ、散歩、ジョギング、移動中などのタイミングで”ながら聴き”ができるため個人的にお気に入りのメディア媒体です。私は日頃からポッドキャストの視聴にSpotifyを利用しており、Spotifyの検索機能でキーワード”イオン”を調べて表示されたいくつかを聴いた感想を以下に紹介します。リンクもSpotifyのものです。
上京ボーイズ - 俺たちのホームはいつもイオンだった
本ポッドキャストはその名前の通り、地方から東京へ上京してきた経歴のお2人のトーク番組です。
前半はお2人が自分の街にあって欲しいお店について、お気に入りのチェーン店やオシャレな個人商店などについて語っていきます。イオンについては中盤で名前が登場し、後半では「モール論」として実家的に落ち着ける空間の延長として「何が欲しいっていうかイオンが欲しい」のフレーズが飛び出します。
ゲイと女の5点ラジオ - 「イオンは遊ぶ所」【地味に買って良かったもの】
2人のパーソナリティのうち、お1人は趣味が「イオンに遊びにいく」の方と、それが全く理解できないもう1人の掛け合いが大変楽しい番組です。イオンとイオンモールとイオンスタイルの違いについて解説や、実家帰りに2日連続で別のイオンへ両親と一緒に訪れるエピソード、独自のイオンランキングなどイオン愛が溢れる軽快なトークが大変楽しく聴けました。
Homecomings Radio 「RUSHMORE MORE」 #29 みんな大好きイオン
Homecomingsは海外ツアーや、5度に渡る「FUJI ROCK FESTIVAL」へ出演されている精力的に活動する日本のバンドです。全国にライブツアーに行く途中で道の駅やイオンに訪れることが大好きといった2人が、ユーモアを交えながら訪れたイオンモールの特色や違いを挙げたり、ジャスコで過ごした思い出を交えたトークが楽しく、途中では「ありとあらゆる県のイオンを視察したいだけ」「独特なイオン」「老舗なイオンモール感を出しつつも入っている店は最新」といったワードが飛び出して大変楽しく拝聴しました。
ピアノバーイノウエ #423
イオンの前身であるジャスコは1969年から2001年の長い歴史を重ねています。パーソナリティのイノウエさんの最初の記憶を語る回で、引っ越しを経験した後に広島のジャスコに祖父と訪れた際に見えた風景の壮大さについて衝撃を受けたエピソードが紹介されます。途中では番組タイトルの”ピアノバー”の名の通り、ジャスコの歌を流麗なピアノの弾き語りで聴くことができ、番組の最後ではイオングループのザ・ビッグにも足繁く通った思い出が語られました。美しいピアノの伴奏も相まって郷愁を感じるしっとりとした良い番組でした。
終わりに
以上、イオンについて入社前に触れた様々なコンテンツを紹介しました。
書籍からはイオングループの壮大な歴史と根底に流れるカルチャーの一端を教わり、ポッドキャストからはイオンに対する様々な想いを自分の観点には無い角度から知ることができました。
こういった学びはITエンジニアでSREチームに所属する私の業務に直接関わるものでは無いかもしれませんが、日々の業務を通して今のイオンに貢献していく中でモチベーションの一端となっています。
イオングループで、一緒に働きませんか?
イオングループでは、エンジニアを積極採用中です。少しでもご興味もった方は、キャリア登録やカジュアル面談登録などもしていただけると嬉しいです。
皆さまとお話できるのを楽しみにしています!
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