生成aiによって実現しているマルチタスクが、不確実性の扱いを助けてくれるのではないか
概要
想定読者:
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開発生産性を生成aiによってどのように上げていると最近考えている方
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生成aiによって手が空く時間によって結局何が変わっているのだろう?生まれた時間を何に使わなければならないのだろうと考えている方
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生成ai便利だが、なんかこれから危ないこと起きるのではないか?とぼんやり感じている方
経緯
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自分は普段、cursorを中心にaiに複数タスクを実行させているが、この結果何を意識しなければならないかを常に考えながら日々の業務に携わらせていただいている。
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その際に以下の本を読みながら連動する点があるのではないかと感じたので記載
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https://www.amazon.co.jp/エンジニアリング組織論への招待-不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング-広木-大地/dp/4774196053
そもそも
- どのようにマルチタスク化しているというと以下(自分はcursorを中心に利用)、8点(もちろん増減あり)をそれぞれのタブで開きながら平行で実施している。自分は週次で実施すると決めたタスクの全てを月曜のうちにはin progress(なんなら in review)にして不確実性の高いタスクを明らかにして、週前半から週半ばで該当タスクの不確実性に集中して向き合うというタスクの進め方を実施している。
- マネジメントその1(レビュー・相談):自分のマネジメント業務をgemini、chatgpt, claudeの3視点でヒヤリング及びレビュー
- マネジメントその2(情報収集・ヒヤリング):自分の気になるマネジメント関連情報をnotebooklmに情報収集及びpodcast風に音声ヒヤリング
- コーディングその1;自分のコーディング業務その1をcursorに実施させる
- コーディングその2;自分のコーディング業務その2をcursorに実施させる
- レビュー業務その1:自分のレビュー業務をcursorのレビュープロンプトにて実施させる
- レビュー業務その2:自分のレビュー業務をcursorのレビュープロンプトにて実施させる
- コミュニケーション業務その1:自分のslackを中心にしたコミュニケーション業務において即答で回答できなかった内容をgptsに0次回答をを作成させる
- コミュニケーション業務その2:余った時間でslackの返信を行う
このマルチタスク化は何をもたらすか
- 上記のようにマルチタスクを実現することは、上述のエンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリングにおける「不確実なものから明らかにするやり方」を容易にすると考えている。
というのも今は以下の状態ではないかと考えている。
- これまでは市場調査をしなければならないような内容が、生成aiによって大まかな内容は整理され情報収集可能となっている
- これまでは1つのコーディングタスクを実施しながら、コミュニケーションツールに対して返答していたのが、複数の生成aiツールによってマルチタスク実行が可能になり先に着手することが容易になっている
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完璧ではないが、複数タスクにおけるある程度が生成aiによって勝手に進めることができ、これまでは実現しなかったマルチタスクの取り組み方が実現可能となっている
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業務が多忙でも、最初の最初で複数のタスクの全体像を同時並行で実施し、全体像をさらい懸念がある箇所を明らかにしやすくなった
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上記の状態により、エンジニアリング組織論への招待にて記載している「不確実なものから明らかにするやり方」への敷居がかなり下がっているのではないか
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敷居が下がったことにより達成したやり方によって生まれた時間を、単なるアウトプットではなく顧客への価値提供となるアウトカムがなんぞやを考える時間に使えるのではないか
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ただ一方で「セーフライン」は敷いておくべきである。
- 以下の記事があるように、生成aiは魔法ではなく、最新の状態において超えてはいけないラインを求めた場合、取り返しにならないような事態を巻き起こす(記事の方は復旧できたらしいが)
- 正しく利用するためにももし生成aiが想定外の挙動をしたとしてもアウトカムとしてクリティカルな事象を発生させないような防御線は敷いておくべきである(記事で言うと、本番DBのパスワード or 本番環境での処理を実行させる権限は人が見れる箇所にしか記載がなければどう足掻いても生成aiはデータを削除できなかったはず)
- では「正しく利用する」状態に自らがなるためには、ただ利用できるのではなく生成aiに対しての深い理解が必要であり、そのためにも最新技術には常に認知・触っていることが重要となると考えている。
- なんならこの最新技術に対して常に向き合うことが、これまでとは違う「不確実なものから明かにするやり方」と結びつくのではないかと考えている
これから
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記載した通り、生成aiによる複数タスクの平行化は、本来考えるべきタスクに集中し、不確実性を扱う上での大切な考え方である「不確実なものから明かにするやり方」をより容易にする
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ただ、これまでとは違う不確実性が間違いなく発生する。セーフラインを飛び越えた譲渡は、アウトカムを生み出すどころか、予期せぬ事態を発生させることに繋がりかねない。
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それらの不確実性に対してはどれだけ最新の生成aiと向き合うことがある意味で「不確実なものから明かにするやり方」と言えるのではないか
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もちろん、成熟した技術をこれまで通り、本質から理解することも重要であり、生成aiが出たからと言って土台を全く理解しなくても良いと言うことではない
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これまでの不確実性とこれからの不確実性の両方と向き合い、改善することでただのアウトプットの量産ではなく顧客に価値をお届けすることができるアウトカムの向上につながるのではないか
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※また、最新技術との向き合いのみならず、これまで向き合えてなかった他者との対話を中心とした「3つのC」が重要になるという以下の記事にもとても感銘を受けた
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