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【私の実体験】生成AIを業務で活用し、生産性を劇的に向上させた方法

2025/02/21に公開

はじめに

最近、業務の中で 生成AIを活用することで生産性が劇的に向上する ことを実感する機会がありました。
私は2023年6月(GPT-4が登場したころ)から 毎日生成AIを使い続けています。その結果、AIを使うことが 無意識レベルの習慣 になり、業務の中で自然に「どのタスクをAIに任せると効率的か?」を判断できるようになりました。

先日、海外チーム向けのドキュメント作成を行うタスクが発生しましたが、 生成AI登場以前なら数日かかったであろう作業を1時間以内(約40分)で完了 できました。

この記事では、その詳細と、私が生成AIをどのように活用しているのかを紹介し、「なぜAIを使いこなすとこんなに業務が早くなるのか?」について考察してみました。


📝 生成AIを活用し、数日がかりの作業を1時間以内で完了した事例

📌 事例概要

【背景】

海外の開発チームXから、「A業務向けに開発されたWebアプリZを、B業務向けにも使えないか?」という依頼がありました。

この WebアプリZは私が開発したもの ですが、今回は 機能追加自体はXチームが担当するという前提であったため、私は「どういう手順で機能を追加すればよいのか?」を明確に伝える必要がありました。

しかし、開発チームXはこのアプリの設計を 全く知らない 状態でした。

さらに、開発チームXの要件に合わせた 具体的なコードの改修例 までドキュメントに落とし込む必要がありました。
これらを適切にまとめるには、かなりの時間がかかるはずでした。

【現状】

  • アプリの設計書や機能追加手順書は未整備
  • 開発から時間が経過しており、設計の詳細を思い出す必要がある
  • Xチームに英語で手順を説明する必要がある

【従来の作業時間の見積もり】

超ざっくり概算ですが、以下のような作業時間がかかると予想できます。

タスク 従来の作業時間
① 既存アプリの設計を思い出す 数時間
② 機能追加の手順をまとめる 数時間
③ 手順書の作成 数時間~半日
④ サンプルコードの作成 半日
⑤ 日本語の手順書を英語に翻訳 数時間
合計 約1~2日

しかし、実際には1時間以内(約40分)で完了 しました。


📌 タスク分解と最適な方法の選択

改めて深掘りして考えてみると、私の脳内では無意識のうちに『タスクを分解し、それぞれに最適な方法を適用する』ことが、自然と身についていたのです。

サブタスク 実施方法 AI活用 所要時間
① 既存アプリ設計の理解 AIにコードを投げて設計を解説させる ✅ AI活用 10分
② 機能追加の手順を作成 AIにコードを元に手順を作成させる ✅ AI活用 10分
③ 手順書のレビュー 自分で確認 ❌ 自分で対応 10分
④ 手順書の修正依頼 AIに修正点をフィードバックし、再生成を依頼 ✅ AI活用 10分
⑤ 日本語手順書を英語に翻訳 AIで翻訳 ✅ AI活用 5分
⑥ ドキュメント化(HTML変換) 既存の自動変換ツールを使用 ✅ ツール活用 1分

🤔 なぜここまで効率化できたのか?

この効率化のポイントは、 「タスク分解 × AI活用」 の徹底でした。
単にAIに丸投げするのではなく、 サブタスクごとに最適なアプローチを選択 したことで、無駄なく進められました。

特に、生成AIのアウトプットをレビューする時間が最もかかる ため、最初から不要な情報を省き、必要な部分だけを渡す ことを意識。

また、レビュー後に修正が必要な場合は 自分で直さず、AIに再修正を依頼 することで効率化する。

さらに、生成AIに渡す情報のフォーマットを意識する ことも重要です。
例えば、Markdown形式 にすることで、情報の構造が明確になり、AIが適切に処理しやすくなります。

具体的には、見出し(#, ##)を使って内容を整理し、「```, ---, ===」 などの区切りを活用して、情報の範囲を明確に伝えるようにしています。

また、データ形式の変換自体もAIに依頼 することで、作業の手間を大幅に削減できます。

ただし、指示出しは意外とシンプル です。
例えば 「このコードを元に〇〇機能を追加する手順を教えて」 など、簡潔なプロンプトが多く、何十分もかけて精巧なプロンプトを作ることはほぼない です。

また、タスクに応じて 適切なAIモデルを選択 することで効率をさらに向上。
例えば、翻訳や手順書作成 では GPT-4o、コード設計や実装 では Claude 3.5 Sonnet、論理思考系タスク では ChatGPT o3-mini などを活用しています。

さらに、生成AIの扱いに慣れるにつれて、飛躍的に作業効率があがる ことも実感しました。
どんなに便利なツールでも、最初は使い慣れていないと時間がかかるものです。

生成AIも同様で、最初は狙ったアウトプットが得られるまで試行錯誤が必要 ですが、日常的に活用することで、実務でもスムーズに使えるようになります。

大きなタスクが降ってきたときに、普段から使っていない生成AIを活用しようとしてもうまくいかないのは当然。
だからこそ、普段から使い慣れていることが、実務での即戦力につながるのです。


📖 『THINK BIGGER』がもたらした思考の変化

たまたま読んでいた THINK BIGGER 最高の発想を生む方法 という本の影響も大きかったです。

この本には、発想を広げるための 9つの原則 が紹介されています。その中でも、今回のケースに役立ったのは 「課題の分解」と「既存の知識の組み合わせ」 でした。

この本を読んだことで、
AIを単に便利なツールとして使うのではなく、既存のアイデアや知識を組み合わせ、新しい発想を生むために活用できるのでは?」と考えるようになりました。

💡 例えば、「既存の知識の組み合わせ」についても、AIにサポートしてもらうことで、
どんな組み合わせがあるか?
他にどんな発想が考えられるか?
AIに提案してもらう という活用法も有効です。

🔥 生成AIを「無意識レベル」で使うためのコツ

✅ 1. 毎日AIを触り、基本タスクを習慣化

「翻訳」「要約」「コード解説」「手順書作成」 など、簡単なタスクを 日常的にAIに任せる ことで、自然と活用の精度が上がる。

生成AIを日常的に使うことで、無意識に「どのタスクをAIに任せると効率的か?」を判断できるようになる

✅ 2. タスクを分解し、「AIに任せる部分」を瞬時に判断

業務のタスクを サブタスクに分解 し、どの部分をAIに任せると効率的か? を考えるクセをつける。

例えば、
サブタスク①(AI活用) → サブタスク②(AI活用) → サブタスク③(人が作業) のように、
AIを使う部分と人が作業する部分を適切に組み合わせる ことが重要。

普段から使い慣れていれば、タスクを見た瞬間に 「これはAIが得意なタスク」「ここは人間がやるべきタスク」 という判断が瞬時にできるようになる。

✅ 3. シンプルな指示でAIを活用する

生成AIには 短く、明確なプロンプト を心がける。
「このコードを元に〇〇機能を追加する手順を教えて」 など、簡潔な指示を心掛ける。

精巧なプロンプトを作るより、シンプルな指示で試し、必要なら修正を繰り返すほうが速い。

また、情報のフォーマットも意識する ことで、より精度の高い出力を得られる。
例えば、Markdown形式にして「#, ##」の見出しや「```, ---, ===」の区切りを明示 することで、AIが情報の範囲を正確に認識しやすくなる。
こうしたフォーマットを統一することで、AIの応答精度が向上し、指示を出す手間も減る

これも普段から使い慣れていると、「どういう指示をすれば、狙ったアウトプットが得られるか?」 の勘が自然と身につく。

✅ 4. AIの出力結果をレビューし、修正はAIに任せる

最も時間がかかるのは AIのアウトプットをレビューする時間
修正が必要な場合は、自分で直さず、AIに「〇〇を改善して再生成して」と依頼 することで、手戻りを最小限にする。

このように、AIを使いこなすためには 「AIのアウトプットの調整もAIに任せる」 ことがポイント。
また、データ形式の変換もAIに依頼 することで、手間をさらに削減できる。
例えば、CSV → JSON、Markdown → HTML への変換 などもAIに任せることで、手作業を減らし、スムーズに業務を進められる。

普段から試行錯誤していると、どのように指示を変えれば より良いアウトプットが得られるか のパターンが分かるようになり、調整がスムーズになる。

✅ 5. AI+ツール+人の組み合わせを最適化

AI だけ に頼らず、既存の自動化ツールや人間の判断が必要な部分と組み合わせる ことで、最も効率的なワークフローを実現。
生成AIを活用して作業を効率化する便利ツールも普段から作っておく。


「生成AIを無意識レベルで活用する」 とは、AIを意識せず自然に業務フローに組み込むこと
そのために、日常的に使い、適切なタスクを選び、シンプルな指示と修正依頼を徹底するのがポイント。


🎯 まとめ

✅ 生成AIを活用することで、 数日かかるであろう作業を1時間以内(約40分)で完了 できた
「タスク分解と最適な方法の選択」 が効率化のカギ
普段からAI活用を習慣化し、自動化ツールも整備しておくとよい

あなたも 生成AIを日常の一部 に取り入れてみてください。生産性が劇的に変わるはずです。

Accenture Japan (有志)

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