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現場に生成AIやRPAを導入するだけでは、完全自動化は目指せない

2024/05/23に公開

業務DXをする際、最終的にはHyper Automationや完全自動化を目指していくと思います。
昨今、生成AIの台頭により生成AIを業務現場に適用して効率化を目指すケースが増えていると思います。
この辺について考えていきたいと思います。

既存業務に対する生成AI活用の前提

まず前提なのですが、業務には定型作業とも呼ばれる「ルールベースの業務」のものと、人の判断が必要な「判断が必要な業務」に分けられます。
「ルールベースの業務」はRPAやマクロを使ってすでに自動化が完了していたり推進されている方が多いと思います。
一方で、「判断が必要な業務」ですがデータアナリティクスやAIを活用して将来的には自動化されていくと言われていました。ただ、昨今生成AIが台頭してAIの時代になってきましたが、ふたを開けてみるとAIは判断を間違える可能性があり、結局人が最終判断を下したり、レビューを行う必要があるとわかってきました。つまり「判断が必要な業務」は完全に自動化することが難しいのです。
なので、完全自動化を目指すには、結局はなんらかの方法で「判断が必要な業務」→「ルールベースの業務」に置き換える必要があるのです。

生成AIを活用した完全自動化へのアプローチ 1/2

BPRやDX推進を経験された方はご存じと思うのですが、既存業務を変えることは易しいことではありません。結局最終的には、手作業な業務が残ったり、冗長な業務が残らざるを得ないケースがほとんどです。
このため、最初から完全自動化を目指して業務設計しても、結局うまくいかずに、目標のコスト削減に向けて現場にしわ寄せが来てしまう状況となってしまうのです。
(下記スライドは生成AI活用のありがちな例を記載しています。)

完全自動化を目指す際、ルールベースの業務はRPAやマクロ等を使ってどんどん自動化するのが良いと考えています。
一方で、「判断が必要な業務」は、AIを活用といっても、自動化ではなく協働するイメージが近いと思います。
このため、「判断が必要な業務」が残る以上完全自動化にはなりません。

生成AIを活用した自動化へのアプローチ 2/2

現場レベルのAI活用だけでは足りないと考えていて、経営層にもAIを活用する仕組みが必要と考えています。
経営層がどのように活用するかですが、自動化やAI導入が進んだ現場業務の状況をモニターしながら、次なる一手(ルールベース化)を考える際AIが活用できると考えています。
経営層、部門長、現場リーダが喧々諤々と業務見直しをしている中に、AIの意見も伺うイメージです。

完全自動化を目指すために必要な技術要素

完全自動化を目指すためには、単にRPAを導入したり、AIを導入するだけでは成立しません。
様々な技術要素を組み合わせて実現していかなければなりません。
実現に必要と考える技術要素をあげてみました。
「自動化」「可視化」「協働化」いずれが抜け落ちても完全自動化は目指せません。

いかがでしたでしょうか。
生成AIが台頭して、AIを盲目的に期待して完全自動化された世界観を聞くことが多く、もやもやしていたので、自分の考えを整理する目的も含めて投稿してみました。

Accenture Japan (有志)

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