OpenAIに日本的表現はできるのか?
はじめに
以前Suno(v3.5)に尺八などの日本的な楽器演奏を求めたところ、日本的な楽器演奏はできず、それに合わせたイメージを作ってくれました。日本的な表現か?と言われると、少し遠のいた結果になってしまい、「このまま海外のLLMに頼っていると日本的な表現はどこへ行ってしまうのだろう」と思ったのが、今回の問題提起です。
Soraに日本を表現できるか?
そこで、本題ですが、今回12Days of OpenAIで発表があったSoraとChatGPTを使って、「日本的な表現」がどこまでできるのか?を検証してみました。
今回検証したのは、「妖怪」、「日本文化」、「日本の景色」です。
Soraに日本的ストーリーを作らせる〜妖怪編〜
まず最初にプロンプトでストーリーボードをChatGPTに英語で書いてもらえるように指示します。今回はSoraで表現するので10秒程度の動画としました。
その上で、日本的なデザインとは何か?を考えた時にパッと出てきたのは「妖怪」です。
「百鬼夜行という日本の妖怪のパレードについて表現して」とお願いをしました。
ちなみに百鬼夜行についてご存知ない方はChatGPTより引用です。
**百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)**は、日本の妖怪たちが夜に行う伝説的なパレードです。伝承や絵巻に描かれる百鬼夜行は、さまざまな妖怪が集まり、一列になって行進する光景として語られています。この行進は、不気味でありながらもどこか幻想的な雰囲気を持ち、人々を魅了します。
パレードの詳細な描写
1. 行進の始まり
• 夜の静けさの中、どこからともなく太鼓や笛の音が響き渡り、妖怪たちが現れます。
• 一行は暗い山道や街道を進み、時には人里近くまでその行進が及びます。
2. 妖怪たちの姿
• 大天狗や小天狗は先頭を歩き、威厳を漂わせながら行列を引き連れます。
• **狐火(きつねび)**が空中で揺れながら妖しい光を放ち、行進を照らします。
• 一つ目小僧や唐傘おばけ、ろくろ首など、妖怪絵巻に登場する個性的な妖怪が続々と姿を現します。
• 巨大な妖怪ぬらりひょんが、群れの中心で悠々と歩きながら行進を仕切る様子が見られます。
• 最後尾には、百足(むかで)や百鬼蜘蛛など、不気味な妖怪たちが列を閉じます。
3. 周囲の雰囲気
• 行進が進む道には霧が立ち込め、視界がぼんやりと曖昧になります。
• 不気味な笑い声や囁き声が聞こえ、見る者を恐怖と興奮で包みます。
• 時折、空を飛ぶ妖怪や、地面を這うものが加わり、行列にさらなる混沌をもたらします。
4. 百鬼夜行の目的
• 百鬼夜行の目的は定かではありませんが、妖怪たちの力を示し、夜の支配者としての存在感を誇示するとも言われています。
• 人間の目に触れると、不幸や災いをもたらすと言い伝えられており、行列を目撃した者は隠れるか逃げるように教えられています。
5. 行進の終わり
• パレードは夜明けとともに徐々に消え去ります。妖怪たちは山奥や異界へ戻り、朝には何事もなかったかのように静寂が戻ります。
いい感じに難しそうな、日本ができましたね。ということで、それをSoraにプロンプトとして読ませてました。なんとなく怪しげな雰囲気を出すため、presetをFilm Noirにしています。
お、いい感じか?
ぬらりひょんなのか?
日本っぽくないマーベルの悪役的な人々
鬼かな?ゴブリンみたいだけど
化け猫ですかね?ティムバートン風の。
ペンギン?傘?何?
うーむ全体的に微妙ですね。
やはり、動画生成でありがちな、言いたいことをそのまま伝えないで日本を表現する努力が必要かもしれませんね。
Soraに日本的なストーリーを作らせる2〜日本文化〜
少しハードルを下げましょう。今度は日本文化にしてみます。
分かりやすい文化、、、相撲とか?と思い、以前私が作った以下の動画を思い出しました。
クリスマスとハロウィンのボクシング(なぜこれを作ったのか)
ということで、今回は、クリスマスとハロウィンというアメリカ的題材をもとに、相撲をさせてみましょう。
そうしてできたものがこちら。
どう見てもプロレス。塩で目潰しするサンタ
塩ですぎだろ。
カメハメ波し始めるサンタ、足ついてる
足ついたので、ハロウィンの勝ち(茶番)
むむ。相撲らしさを表現できているか?は程遠いものになってしまいました。
Soraに日本的なストーリーを作らせる3〜日本の景色編〜
最後にハードルをうんと下げて、日本の景色です。
東京
、、、は流石に作れますね。
札幌
テレビ塔と、雪景色の感じなんですかね。なんとなく雰囲気はとらえている気がします。
名古屋
お城と海沿いのイメージなんですかね。
大阪
こちらもお城ですね。あとは高いビルがちらほらと。
福岡
お、福岡タワーかな?海の感じも出せてますね。
いかがですか?やっておいてなんですが、あんまり土地勘がなく評価できなかったのですが、そんな私からすると「っぽいな」という動画ができました。
おわりに
できたことと、できなかったことがありますが、やはり概ね日本的な表現は簡単にはできなさそうでした。
今後学習やプロンプトの作り方が進んで、日本文化や音楽や芸術が益々フォーカスされるといいですね。
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