優れたチームにパフォームしないチームの仕事を押し付けてはならない。
アクセンチュア株式会社テクノロジーコンサルティング本部金融サービスグループ プリンシパル・ディレクターの青柳雅之です。
既存のスキルベースでプロジェクトの要員を集めてはならない。
この人たちはこういうスキルを持ってるからこういうチームにしよう、となるとたいていはスキルを持った人が足りなくて、社内を探し回ってそのスキルを持つ人を探したり、優位な人間関係があれば強引にそのスキルを持つ人を引っ張ってくるということをしがちです。その場合、いつまでも社員は「今持ってるスキルベース」でプロジェクトにアサインされることになり、スキルの幅は広がりません。また、そのスキルを持ってない人はその仕事にアサインされないので、やはりスキルの幅が広がりません。ホットスキルであれば、人がアサインできなくてプロジェクト運営に支障が出ます。
優れたチームにパフォームしないチームの仕事を押し付けてはならない。
チームをいくつか作ったら、パフォーマンスに違いが出てきます。優れたチームリーダーのチームは仕事が早くおります。一方で、ぱったくパフォーマンスの出ないチームも出てきます。チーム全体を見る立場の人は、優れたチームを分解してパフォーマンスの出ないチームに人を出したり、優れたチームにパフォームしていないチームの仕事の一部を割り振ったりしがちです。これは絶対にしてはなりません。
理由としては、
優れたパフォーマンスを出している人たちは日々努力をしてきた人たちです。彼らは自らの仕事が終わったら早く帰宅できるようにすべきです。自分の仕事が終わったら仕事が遅い人のフォローをするのはせいぜいチーム内だけにしましょう。それでも早く終わると思います。あるマイルストーンが終わった際に、ここはスキルの高い人が固まっていてパフォーマンスが高いとみなされてチームとして仕事量を増やされたりパフォームしないチームのフォローをさせられると、この人たちも残業が増えます。つまり、スキルが高い人でも残量をせざるを得ない状況になってしまいます。その結果、スキルの高い人たちは長時間労働を避けるために出来るだけスキルの高い組織に異動したがり離職につながります。これは悪貨が良貨を駆逐するとも言えるでしょう
理想としては、困難なプロジェクトでも、うまくパフォームしているチームはこのチームを分解せずに、パフォーマンスが高いまま維持することです。彼らの残業時間は少なく、高く長時間労働で健康を害されることはありません。自分のスキルが高ければ楽が出来る、これがあるから皆がスキルを高める努力をするのです。いつもスキルが高い人が助けてくれるなら誰も勉強しません。
では、パフォームしないチームはどうすべきでしょうか。江戸時代の火消しは火が上がっている建物の周りの建物を延焼を防ぐために壊しますよね。そういう感じでパフォーマンスが悪いチームの影響をそのチーム内で閉じなければなりません。
パフォームしないチームのスキルを上げ、パフォームするようにする方法
まずはプロジェクトチームのジョブ ディスククリプションを作る。
各チームの作業内容とその作業を行うために必要なスキルを定義します。これをジョブ ディスクリプションと言うことにしましょう。スキルの不足するメンバーが参画したら、このスキルを身に着けるためのレディネス計画を作り、キャッチアップしてもらいます。これにより、スキルにマッチしてないメンバーも参画可能です。
パフォームしないチームを特定し、改善策を作る
パフォームするチームが支援をすることはないので、このチーム内で何とかするしかありません。プロジェクト管理がだめなのか、メンバーのスキルがないのか。この原因と対策は無数にあるのですべては記載しませんが、ジョブ ディスクリプションを作り、不足するスキルを特定してメンバーがスキルを身に着けるか、可能であればプロジェクトの外からそのスキルを持つ人を持ってきます。ただし、上記のような理由により、パフォームしているチームから人をはがして持ってくるのではなく、別のプロジェクトを離任した人などから持ってくるとよいでしょう。
他のチームに支援をさせたり人を異動させたりすると、いつまでもスキルの高い人は不可が高く楽が出来ません。これではその人たちが空いた時間をスキルアップに使ったり、プライベートを充実させることが出来ません。
まとめ
スキルが高い努力をした人は楽が出来るべき、そうではない人はスキルを上げよう、ではないでしょうか。
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