【AI活用のヒント】ノーコードで生成AI搭載接客支援ツール開発
はじめに
近年、Roo Code、Cline、Replit Agent、GitHub Copilotなど、生成AIを用いたアプリ開発ツールが普及しており、プロンプトだけで開発できる環境が整いつつあります。
本記事では、これらのツールを活用して、生成AIとプロンプトのみで全くコードを書かずに、生成AIを搭載した接客支援ツールを開発する挑戦についてご紹介し、実例的にAI活用のヒントを与えて、皆さんに気づきを与えたいブログになっています。
開発目標:スマホ対応接客支援ツール
本記事では、スマホ対応の生成AI搭載接客支援ツールを開発します。
このツールのイメージは以下の通りです。
- 動画からの物体検知:顧客が見ているものを分析します。
- 顧客要望の分析:物体検知結果から顧客の要望を推測します。
- 接客方針の確定:顧客の要望に基づいて、最適な接客方針を決定します。
- 音声認識:接客中に分析結果を音声でリアルタイムで更新します。(※今回は未実装)
これにより、「顧客要望をAIとともに踏まえながら、接客の品質を一定にできるようなツール」を目指します!
開発ツールと選定理由
本開発では、Replit Agentを使用します。選定理由は以下の2点です。
- スマホ操作の容易性:Replitはスマホアプリを提供しているため、忙しいあなたでも、通勤時間などの隙間時間を活用して開発できます。
- Claudeへの対応:個人的な見解ですが、Claudeはコード生成において最も美しい出力結果を得られると考えています。
プロンプト作成と開発プロセス
プロンプト作成における重要なポイントは2点です。
- ステップバイステップでの説明プロンプト :ツールの動作イメージを、段階的に明確に記述します。最初に何を行い、その結果として何が得られるのかを具体的に示すことが重要です。
- 実装方針の明示 :使用する生成AI(今回はGoogle Geminiを使用)など、実装方針を明確に記述します。
開発過程では、プロトタイプ段階でエラーがほぼ確実に発生します。その際は、エラーの内容を正確かつ詳細に記述することで、解決への糸口を見つけることができます。 エラー内容を曖昧にすると、解決に非常に時間がかかってしまいます。
開発結果と考察
上記のポイントを踏まえて開発したツールを作り、自宅の棚を撮影したデモ動画がこちらです。
※スマホ最適化版は以下です
以下の機能を実現しました。
- 動画からの物体検知(若干遅延ありなので改善余地あり)
- 物体検知結果に基づく顧客意図の分析(少しレスポンスが遅めなので改善余地あり)
- 分析結果に基づく接客方針の決定(少しレスポンスが遅めなので改善余地あり)
概ね期待通りの動作を実現しましたが、音声認識機能は実装できませんでした。
これは 一度エラーにハマって、いくら明確にプロンプトで伝えても、そのエラーから抜けられなくなったためです。(具体的には、音声認識の際に、Google Speechに適用した形で音声変換ができず、認識されないエラーがログにいつまで経っても出ておりました)
音声認識機能の実装は、今後の課題として改めて挑戦していきたいと思います。
まとめ
本記事では、プロンプトのみを用いて生成AI搭載の接客支援ツールを開発する過程を紹介しました。
Replit Agentと適切なプロンプト作成により、比較的容易に生成AIアプリを開発できることを示すことができました。
ただし、エラーへの対応など、一度詰まると抜けられなくなるケースもあり、高度なプロンプトエンジニアリングのスキルが求められることも確認できました。
今後も、生成AIを活用したアプリ開発に関する情報を発信していきますので、ぜひフォローをお願いします。
Discussion