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うさぎでもわかる Google Next 2025 - AIの新時代を切り拓く主要イノベーション

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うさぎでもわかる Google Next 2025 - AIの新時代を切り拓く主要イノベーション

こんにちは、みなさん!今回はラスベガスで開催されたGoogle Cloud Next 2025の主要な発表内容をうさぎさんでも理解できるように解説していきます。Google Nextは毎年開催されるGoogleのクラウドコンピューティングに関する最大のカンファレンスで、最新技術や戦略が発表される場です。2025年のイベントは4月9日から11日までラスベガスのマンダレイベイコンベンションセンターで開催され、AIの世界に大きな変革をもたらす数々の発表がありました。

ぴょんぴょん飛んで見ていきましょう!

1. 革新的なハードウェア:Ironwood TPU

Googleは第7世代となる新しいテンソル処理ユニット(TPU)「Ironwood」を発表しました。これはただの性能向上ではなく、AIの「推論時代」に向けて特別に設計された革新的なチップです。

Ironwood TPUの概要

Ironwoodの特徴は以下の通りです:

  • 1ポッドあたり9,000以上のチップを搭載
  • 42.5エクサフロップス(1秒間に42.5京回の計算能力)
  • 前世代と比較して10倍以上の性能向上
  • 高帯域幅メモリ容量が6倍に増加
  • 推論処理に特化した設計

「うさぎさんにとっては数字が大きすぎてピンとこないかもしれないぴょん。でも簡単に言うと、とっても賢いAIを超高速で動かせるチップってことだよ!」

これまでのTPUがAIの「訓練」と「推論」の両方を目的としていたのに対し、Ironwoodは特に「推論」に特化しています。これはAI開発の焦点が複雑なモデルの訓練から、既存モデルの効率的な展開と実行へとシフトしていることを示しています。

Google CloudのCEOであるThomas Kurianは「Ironwoodは単なる性能向上ではなく、AIの基盤インフラが大きく転換する節目となる技術」と説明しています。これにより企業は、より少ないコストと電力消費で高度なAIモデルを運用できるようになります。

2. Gemini 2.5モデルファミリーの進化

Google Next 2025では、進化したGemini 2.5モデルファミリーについても詳しく紹介されました。特に注目すべきは「思考モデル(thinking models)」としての新たな位置づけです。

Gemini 2.5モデルファミリー

Gemini 2.5には以下のバリエーションが発表されました:

  • Gemini 2.5 Pro: 精度に最適化されたモデルで、複雑なコード作成やデバッグ、医療文書などからの重要情報抽出に優れています。
  • Gemini 2.5 Flash: 低レイテンシとコスト効率に最適化された「ワークホース」モデル。リアルタイムの顧客対応や文書要約など、日常的なユースケースに適しています。

「うさぎさんも考える前に答えるより、ちょっと考えてから答えた方が正確だよね。Gemini 2.5もそうやって『思考』してから応答するから、より賢い返答ができるんだぴょん!」

Gemini 2.5の最も革新的な点は、「思考による推論」機能です。従来のAIモデルが即座に応答を生成するのに対し、Gemini 2.5は応答する前に「思考」プロセスを経ることで、より正確で論理的な回答を提供します。また、プロンプトの複雑さに応じて思考の深さを調整し、ユーザーの予算に合わせてパフォーマンスをコントロールすることも可能になりました。

3. マルチエージェントエコシステムの展開

Google Next 2025の大きなハイライトの一つが、マルチエージェントエコシステムに関する一連の発表でした。AIエージェントがお互いに連携して複雑なタスクを実行できる基盤が整いつつあります。

マルチエージェントエコシステム

主な発表は以下の通りです:

  • Agent2Agent(A2A)プロトコル: 異なるAIエージェント間の通信を可能にするオープンソースのプロトコル。
  • AI Agent Development Kit: エージェント開発を容易にするツールキット。
  • Agentspace: エージェントの発見、作成、採用を容易にする更新されたプラットフォーム。
  • AI Agent Marketplace: Googleのクラウドマーケットプレイス内に新設された、パートナー企業のAIエージェントを簡単に閲覧・購入できるセクション。

「複数のうさぎさんがチームワークで仕事するようなものぴょん!一匹だけじゃできないことも、みんなで協力すれば解決できるよね!」

このマルチエージェントエコシステムは、企業がより複雑なビジネスプロセスを自動化し、AIをより深く統合するための重要な一歩です。例えば、あるエージェントがデータ分析を担当し、別のエージェントがその結果を基にレポート作成を行い、さらに別のエージェントがビジネス意思決定を支援するといった連携が可能になります。

Cohesity、Gordon Food Services、KPMG、Rubrik、Wells Fargoなどの企業がすでにこのテクノロジーに大きな関心を示しています。
https://zenn.dev/acntechjp/articles/20250410_agent2agent
https://zenn.dev/acntechjp/articles/20250410_firebase_studio

4. クラウドインフラストラクチャの進化

AIの革新的な応用を支えるため、Googleはクラウドインフラストラクチャも大幅に強化しました。

クラウドインフラストラクチャ

主な発表は以下の通りです:

  • Cloud Wide Area Network (CWAN): グローバルに分散したAIワークロードを効率的に処理するための新しいネットワークインフラ。
  • Google Distributed Cloud (GDC)の強化: Geminiモデルをオンプレミスで展開できるようになり、規制の厳しい環境でも高度なAI機能を利用可能に。
  • AI Hypercomputerスタックの強化: 最も要求の厳しいAIワークロードを支えるための総合的な改良。
  • セキュリティ機能の強化: Mandiantの専門知識を活かした、インテリジェンス駆動型のセキュリティオペレーションとAIによる強化。

「うさぎの巣穴をより広く、より強く、より安全にしているようなものだぴょん!どんな大きなAIも快適に動かせる環境を作っているんだよ!」

これらのインフラ強化により、企業はより高度なAIモデルをより効率的に、そしてセキュアに展開できるようになります。特にGDCの強化は、金融や医療など厳格なデータ主権要件を持つ業界にとって大きな意味を持ちます。

5. 生成メディアモデルの統合

Google Next 2025では、様々な種類の生成AIモデルが統合され、より包括的なメディア生成能力を提供することも発表されました。

生成メディアモデル

主な発表は以下の通りです:

  • Lyriaの追加: GoogleのVertex AIプラットフォームに音楽生成AIであるLyriaが追加され、映像、画像、音声、音楽の生成AIモデルを提供する唯一のプラットフォームとなりました。
  • Workspaceへの統合: Geminiの新機能がGoogle Workspace(Docs、Sheets、Meet、Chatなど)に統合され、日常的なビジネスツールでAI機能を活用できるように。
  • 統合メディア生成: 複数のメディア形式を横断した生成AIの連携により、より豊かなコンテンツ制作が可能に。

「うさぎさんが絵も描けて、歌も歌えて、ダンスもできるようになるみたいなものぴょん!様々な表現方法を一つのプラットフォームで実現できるんだよ!」

これらの統合により、企業はマーケティングコンテンツの作成からカスタマーエクスペリエンスの向上まで、様々な場面で生成AIを活用できるようになります。特にWorkspaceへの統合は、多くのビジネスユーザーが日常的にAIを利用する機会を大幅に増やすことになります。

6. 業界への影響と今後の展望

Google Next 2025の発表は、AI技術の未来と業界全体への影響を示しています。

業界への影響

注目すべき点は以下の通りです:

  • AI採用の加速: すでに多くの企業がGoogleのAIソリューションを採用しており、月間20億以上のAIアシストがビジネスユーザーに提供されています。
  • 実世界のユースケース: Google Cloudは601の実世界の生成AIユースケースを紹介し、具体的な成功事例を示しました。
  • 競争状況: MicrosoftやAmazonなどの競合他社に対して、特にマルチエージェントエコシステムやAIチップの分野で差別化を図っています。
  • 持続可能性: 高効率なTPUと最適化されたインフラにより、AIの環境負荷を抑制する取り組みも強調されています。

「うさぎの世界でも競争は大事だぴょん。でも、みんなが協力して、より良い未来を作ることも大切なんだよ!」

シンガポール政府、マクドナルド、メルカドリブレ、サムスンなど、500以上のグローバル企業がすでにGoogle Cloudのテクノロジーで業務を変革しています。企業がGoogleのAI技術を活用するためのカギは、明確なビジネス目標の設定、適切なユースケースの選定、段階的な導入戦略の策定にあります。

まとめ

Google Next 2025は、AIが「推論時代」へと移行する重要な節目を示すイベントでした。IronwoodのようなハードウェアイノベーションからGemini 2.5の思考モデル、そしてマルチエージェントエコシステムの構築まで、一連の発表は単なる機能追加ではなく、AIの基盤的な変革を表しています。

「うさぎさんの目から見ても、これはただの進化じゃなくて、AIの使い方そのものが変わる大きな転換点だぴょん!」

企業や開発者にとって、これらの新技術は次世代のアプリケーションとサービスを構築する強力な基盤となるでしょう。AIはより効率的に、より正確に、そしてより協調的に動作するようになり、ビジネスの変革を加速させることが期待されます。

Google Nextの発表内容は、技術的な進歩だけでなく、AIが私たちの働き方や生活をどのように変えていくのかという大きな物語の一部でもあります。次回のGoogle Nextでは、今回の発表がどのように進化し、実世界でどのような成果をもたらしたのかを見ることができるでしょう。

楽しみに待ちましょう!ぴょん!

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