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Salesforce画面カスタマイズ入門:「ページレイアウト」と「レコードページ」の違いを徹底解説!

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こんにちは、**アクセンチュアの北海道オフィス(AIH)**で働いている高橋です。

最近Salesforce学び始めて、ずっとつまづいていたことがあります。それが、「ページレイアウト」と「レコードページ」です。
「画面をもっと業務に合わせて使いやすくしたい」と考えたとき、多くの人が出会う非常に紛らわしい二つの設定です。

どちらもSalesforceの画面を構成する重要な要素ですが、これらの違いと使い分けについて、皆さんはすぐに説明できるでしょうか?

そこで今回は、この二つの機能の違いと正しい使い分けについて、分かりやすく解説します。この記事を読めば、二つの役割の違いがスッキリ整理でき、あなたのSalesforce画面はもっと見やすく、使いやすくなるはずです。

ページレイアウトとは?

一言でいうと、ページレイアウトはレコードの詳細情報エリアの“中身”を整える機能です。
家づくりに例えるなら、部屋のインテリアコーディネートに近い役割です。部屋(詳細エリア)の中に、どんな家具(項目やボタン)を、どの順番で配置するかを決めるのがページレイアウトです。

【ページレイアウトでできること】

  • 項目の表示/非表示:不要な項目を隠して画面をスッキリさせる。
  • 項目の並び替え:よく使う項目を上部に配置する。
  • 項目の必須化:必ず入力してほしい項目を必須項目に設定する。
  • 関連リストの選択:そのレコードに関連する他の情報(例:取引先に関連する商談リスト)の表示/非表示や表示順を決める。
  • ボタンの配置:「編集」「削除」などの標準ボタンや、独自に作成したカスタムボタンの表示を制御する。

主に、レコードの詳細タブの中身をコントロールするのがページレイアウトの役割だと覚えておきましょう。

レコードタイプとは?

同じオブジェクト上で複数のビジネスプロセスや画面構成を使い分けたいときに利用するのがレコードタイプです。

  • ピックリストの選択肢セット(値の一覧)をレコードタイプごとに切り替え
  • レコードタイプごとに異なるページレイアウトを割り当て
  • ユーザーがレコードを作成するときに適切なレコードタイプを選択

例:商談オブジェクトで「新規商談」「更新商談」という二つの業務プロセスを定義し、それぞれ異なるステージ値セットやページレイアウトを割り当てる。
これにより、同じオブジェクト内で複数の業務要件に応じた画面と選択肢を効率よく管理できます。

レコードページとは?

「Lightningレコードページ」(単にレコードページとも呼ばれます)は、ページ全体の“骨格”を決める機能です。
家づくりでいうと、家の「間取り設計」そのものにあたります。

  • レコード詳細コンポーネント:従来のページレイアウト設定で管理していたフィールド表示・並び順・必須設定を一括表示。
  • 動的フォーム(Dynamic Forms):カスタムオブジェクト向けに、個々のフィールドやセクションをコンポーネント単位でページ上に直接配置し、表示条件や必須化をレコード値やプロファイルに応じて制御。
  • その他コンポーネント:関連リスト、レポートグラフ、Chatter、カスタムAura/LWCコンポーネントなどを自由配置。

【レコードページでできること】

  • コンポーネントの自由な配置:2分割・3分割レイアウトなど、好きな場所に「レコード詳細」「関連リスト」「Chatter」を配置。
  • ページレイアウトの詳細設定:レコード詳細コンポーネントや動的フォームを使い、フィールドの表示/非表示、並び替え、必須設定を直接制御。
  • 動的な表示制御:ユーザーのプロファイルやレコードの項目値に応じて、特定コンポーネントを表示/非表示。(例:マネージャーにだけ「承認履歴」コンポーネントを表示)
  • タブの活用:情報をタブで整理し、クリックで切り替え可能に。
  • モバイルとPCの最適化:デスクトップ用・モバイル用それぞれに最適化したレイアウトを作成。

「ページレイアウト」と「レコードページ」の違いを整理

比較項目 Lightningレコードページ ページレイアウト
役割 ページ全体の構造コンポーネント配置を定義(間取り) レコードの詳細エリアに表示される項目・ボタン等を制御(インテリア)
設定ツール Lightningアプリケーションビルダー 各オブジェクトの「ページレイアウト」設定
カスタマイズ性 高い。 間取りからフィールド単位の動的フォームまで柔軟にデザイン可能 中程度。 詳細エリア内の項目・関連リスト・ボタンの制御が主
優先順位 高い。 レコードページの設定が優先 低い。 レコードページで指定された「詳細」コンポーネント内で有効

重要なのは、この2つは連携して機能するということです。

  1. レコードタイプで業務プロセスごとのページレイアウトを切り替え
  2. レコードページでページ全体の骨格と動的フォームをデザイン
  3. ページレイアウトで詳細エリアのインテリアを整える

という流れで考えるとわかりやすいです。

実務での使い方イメージ【こんな時はどっち?】

Q1. 取引先を作成する時、「業種」の項目を必ず入力させたい。
→ ページレイアウトで対応。該当のページレイアウト設定で「業種」項目を必須化。

Q2. マネージャー職のユーザーにだけ、商談レコードに「売上予測」のグラフを表示させたい。
→ レコードページで対応。レポートグラフコンポーネントを配置し、「ユーザーのプロファイルがマネージャーの場合」という表示条件を設定。

Q3. お客様との電話内容を記録する「活動履歴」を、常に画面の右側に固定で表示したい。
→ レコードページで対応。Lightningアプリケーションビルダーで2分割レイアウトを作り、右側領域に「活動」コンポーネントを配置。

Q4. 商談のフェーズが「受注」になったら、これまで入力不要だった「納品予定日」を必須項目にしたい。
→ レコードページの動的フォーム+ページレイアウトの組み合わせ技。

  1. 動的フォームで「フェーズが受注の場合のみ納品予定日を表示かつ必須にする」設定を追加
  2. ページレイアウトでは常時表示すべき関連リストやボタンの制御を行う

おわりに

今回は、Salesforceの「ページレイアウト」「レコードタイプ」「Lightningレコードページ」の違いと使い分けについて解説しました。

  • レコードタイプで業務プロセスごとの画面切り替えを定義
  • レコードページでページ全体の「間取り」と動的フォームをデザイン
  • ページレイアウトで詳細エリアの「インテリア」を整える

この3つを組み合わせることで、ユーザーにとって最適な画面体験を提供しつつ、必要に応じた柔軟なカスタマイズが可能になります。ぜひあなたのSalesforce環境でも、これらの機能を活用してみてください。

Accenture Japan (有志)

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