【英数字パスワード vs 数字パスワード 】強度の計算をしてみた(H27年情報セキュリティスペシャリスト試験午後Ⅱ問2解説)
やること
英数字(62種類)x桁と、数字のみ(10種類)16桁のパスワードにおいて、英数字の方が強度が高くなるには、最低限、英数字は、何桁(x)必要なのかの計算を、H27年情報セキュリティスペシャリスト試験午後Ⅱ問2の問題を元に解説します。
出典:IPA 2015年度秋 情報セキュリティスペシャリスト試験(SC)午後Ⅱ問2
パスワードの総数の計算
まず、それぞれのパスワードの組み合わせ総数を計算します。
英数字62文字のパスワード(長さ:x)
各文字には62通りの選択肢があります。
パスワード全体の総数は
数字16文字のパスワード:
各文字には10通りの選択肢があります。
パスワード全体の総数は
方程式
英数字62文字のパスワード総数が、数字16文字のパスワード総数よりも大きくなる
x を求めます。
この条件を式で表すと:
対数を使った計算
この不等式を解くために、両辺の対数を取ります。一般に、指数の不等式は対数を使って解くことができます。
対数の性質により、上記の式は次のように変形されます。
次に両編をlog(62)で割ってxを求めます。
さて、ここで、対数の性質を使って分母のlog(62)を次のように考えて計算します。
まず積の形で表現する
次にこの式は以下のように変形できます。
以上をまとめると以下の式は、、
このようになります。
ここで、問題文をみると、
\log_{10} 2 ≒ 0.301 \log_{10} 31 ≒ 1.491
と記載がありますね。
これは、計算で利用するから書いてあるに決まっている!ということでこれを使います。
※log(10)は1のため、16 * 1 = 16
となり、
と計算することができます。
結果
桁数は整数である必要があり、その最小の数、つまり最低限何桁必要なのかは、9桁となります。
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