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Beamer でポスターを作る
概要
Beamer でポスターを作る方法.
特に次のことについて簡単に解説.
- 日本語で作る方法
- ポスターを好きな大きさにカスタマイズ
- テーマはそのままに,色だけ変更
基本的な使い方
プリアンブルに以下のものを書けば大体 OK.
\documentclass[final]{beamer}
\usepackage[
orientation=portrait, % 横書きの場合は `landscape` を指定
size=a0paper, % a1paper 等も指定可能
scale=1.4 % フォントサイズ.この例では 1.4倍.
]{beamerposter}
% ポスターにおいて不要な部分を削除(人によっては必要かもしれない)
\setbeamertemplate{navigation symbols}{}
\setbeamertemplate{footline}{}
\setbeamertemplate{headline}{}
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
% 以降,日本語を使う場合の設定.
% 日本語でポスターを作るときは次のパッケージも追加.
% この辺は他の記事を参考にすると良い.
\usepackage[japanese]{babel}
% デフォルトの日本語フォントをゴシック体に変更.
\renewcommand{\kanjifamilydefault}{\gtdefault}
注意点
-
\documentclass[draft]{beamer}
と指定すると,図がうまく配置されない限り表示されない.
(白 Box と図へのパスが描画される.draft
→final
で解決) - フォントサイズはデフォルトで A1 サイズに合わせたものになっている.
- A0 サイズは対角線の長さが A1 サイズの
倍なので,上の例では 1.4 を指定.\sqrt{2} - 他のサイズにするときは同様に対角線の長さを計算して,その比に合わせてやれば良い.
- A0 サイズは対角線の長さが A1 サイズの
タイトルの作り方
通常の文書のように,\maketitle
を書くと beamerposter
のオプションで指定したサイズのタイトルスライドができてしまう.
beamer
の Block 環境をうまく使って作るのが良さそう.
例えば,次のようにすれば良い.
- プリアンブルで次のような環境を定義する:
\newenvironment{title}[1]{ % Block 本文のテキスト色を黒,背景色を白にする. \setbeamercolor{block body}{fg=black,bg=white} % Block 環境の開始 \begin{block}{#1} }{ % Block 環境の終端 \end{block} % 元の色に戻す. \setbeamercolor{block body}{fg=default,bg=default} }
-
- で定義した環境を使って,タイトルを実際に作る.
\begin{title}{% % ここにタイトルを書く. \centering \Huge Poster title } % 著者を並べる. \begin{columns}[c] \begin{column}{.30\linewidth} \centering {\large Author name 1} \\ {% {\footnotesize Affiliation} \\ {\footnotesize \texttt{e-mail address} } \end{column} \begin{column}{.30\linewidth} \centering {\large Author name 2} \\ {% {\footnotesize Affiliation} \\ {\footnotesize \texttt{e-mail address} } \end{column} \begin{column}{.30\linewidth} \centering {\large Author name 3} \\ {% {\footnotesize Affiliation} \\ {\footnotesize \texttt{e-mail address} } \end{column} \end{columns} \end{title}
大学等のロゴを入れたい場合は,列をもう一つ追加して \includegraphics
を使えば良い.
(ロゴの使用許可を取ることを忘れずに)
本文の書き方
基本的には,block
環境ごとに話をまとめて書く.
\begin{block}{セクション1のタイトル}
セクション1の本文
\end{block}
しかし,これだとセクション内で定理を主張する際に,
\begin{block}{セクション1のタイトル}
セクション1の本文
\begin{theorem}{〇〇の定理}
XX の条件のもと,次が成立: ...
\end{theorem}
\end{block}
と書くと,テーマによってはセクションと定理の見分けがつかなくなってしまう.
次のコード片は解決策の一つ.要は,環境を定義し直せば良い.
\renewenvironment{theorem}{
% Theorem 環境において,色だけ変更.
\setbeamercolor{block title}{fg=my-color1, bg=my-color2}
\setbeamercolor{block body}{fg=my-color3, bg=my-color4}
\begin{block}
}{
\end{block}
% 終わったら,元の色に戻す.
% これを書かないと,残りの block も同じ色になってしまう.
\setbeamercolor{block title}{fg=default, bg=default}
\setbeamercolor{block body}{fg=default, bg=default}
}
このコード中の my-color1
~ my-color4
はそれぞれ自分が好きな色で置き換える.
テーマを使いまわしつつ,色だけ変える
「このテーマは好きだが,色だけ別にしたい」といった場合には,次のようにすれば良い.
- 使いたい色の RGB 値を調べる.
- プリアンブルにて色を定義.
% R G B \definecolor{my-color}{RGB}{131,2,61}
- 次の一文をプリアンブルに追加
\setbeamercolor{structure}{fg=my-color}
こうすると,enumerate
や itemize
環境の番号や点の色も全て変わる.
structure
の代わりに local structure
を使うと,enumerate
や itemize
の点・番号の色はそのまま.
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