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RubyとSeleniumを使用して重なった要素をスクロールする方法

2024/06/28に公開

はじめに

Webアプリケーションのテスト自動化において、Seleniumは非常に強力なツールです。しかし、モダンなウェブデザインでよく見られるドロワー(drawer)のような重なった要素をスクロールする際に、意図しない動作が発生することがあります。本記事では、RubyとSeleniumを使用して、このような状況に対処する方法を解説します。

問題の背景

通常の画面要素であれば問題なくスクロールできますが、ドロワーのように画面上に重なって表示される要素の場合、単純なスクロール操作では背面の画面がスクロールしてしまい、期待通りの動作が得られません。

解決方法

1. JavaScriptを使用したスクロール

最も効果的な方法は、JavaScriptを直接実行することです。以下に2つの方法を紹介します。

方法1: window.scrollTo()を使用する

これは一般的なスクロール方法ですが、特定の状況下では背面の要素もスクロールしてしまう可能性があります。

driver.execute_script("window.scrollTo(0, #{[element].location.y});")

方法2: scrollIntoView()を使用する

ドロワーのような特定の要素だけをスクロールしたい場合は、この方法が効果的です。

driver.execute_script("document.getElementById('xxxxxxx').scrollIntoView();")

'xxxxxxx'の部分には、スクロールしたい要素のIDを指定します。

2. Seleniumのネイティブメソッド(非推奨)

以前は、Seleniumのネイティブメソッドを使用する方法もありましたが、現在は動作しない可能性が高いです。

# 以下のコードは現在使用できない可能性があります
driver.find_element(:id, 'id-name').location_once_scrolled_into_view

まとめ

重なった要素、特にドロワーのようなモダンなUI要素をスクロールする際は、JavaScriptを直接実行する方法が最も信頼性が高いです。scrollIntoView()メソッドを使用することで、特定の要素だけを正確にスクロールすることができます。

Seleniumのネイティブメソッドは時間とともに変更される可能性があるため、常に最新の情報を確認し、必要に応じて手法を更新することが重要です。

おわりに

Seleniumを使ったテスト自動化は常に進化しており、新しい課題に直面することがあります。本記事で紹介した方法を参考に、より安定したテスト自動化を実現してください。

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