人体に優しいはんだを調べる
鉛は皮膚に付着して、体に入ると有毒。なので、RoHSでは鉛フリーハンダが推奨されている。
しかし、鉛フリーはんだでも、銀などの金属を使用しているため、それが体の中に入ることは鉛よりは大丈夫だが、有毒ではある。なので、はんだの作業の後は手洗いが推奨されているようだ。
分類
フラックスには、ハロゲン化合物を含んだものがあるため、ハロゲン化合物が気化して体内にはいると残留して危険。そのため、はんだの煙を吸わないように、吸煙機などが売られていて、推奨されている。
フラックスにはIPC分類があり、使用する素材、腐食レベル、ハロゲン化合物の割合で分類される。
- 素材: RO(ロジン)
- 活性化レベル: L/M/H
- ハロゲン化合物の割合: 0(0.0%)/1(<0.5)
ハロゲン化合物の割合で言えば、ROL0 を選ぶと良い。
販売されているはんだ
ROL0 の表記があるはんだ/フラックスは以下が発見できた。
日本アルミット
やに入りはんだ SRS-ZL J-STD-004B ROL0準拠の高信頼性フラックス
残念がら市販はなさそう日本スペリア
鉛フリーはんだリスト
SN100C(030) 鉛フリーやにいりはんだ(焦げ付き対策)
フラックスRMA
SN100C(040)完全ハロゲンフリー
044の前の品っぽい。購入できる。しかし、煙は吸うなとはかいてある。
SN100C(044)完全ハロゲンフリー高作業性鉛フリーやにいり半田
10個単位でしかうっていない モノタロウSN100C(510) 鉛フリーやにいりはんだ 飛散対策
これらはROL0準拠であるが、040,044 が、完全ハロゲンフリーらしい。
044は市販品が見つかるが、10個単位。040は1個単位で買えるが、オーディオ用で1.0mm。
goot
SF-N0408 ハロゲン鉛フリーはんだ 45g 0.8mm
手軽に安価で買えるが、家庭用で 45g しかない。
kester
278 Flux-Cored Wire Lead-Free Zero-Halogen
市販品がみつからないやっぱり家庭用として goot SF-N0408 をちまちま買おう……
JIS AA/A/B級 というのがあり、AAならばハロゲン含有0.1%以下に対してつけられる。
- AA級: 0.1以下
- A級: 0.1を超え0.5以下
- B級: 0.5を超え1.0以下
ROL0 のほうが、AA級より厳しい規格になる。
この AA級 がつけられた商品を探してみる。
エンジニア
SWF-03 鉛フリーハンダ
日本スペリア
SN100C-030 鉛フリーやに入りはんだ
SN100C-044 完全ハロゲンフリー 鉛フリーやに入りはんだ
SN100C-032 は 記載はないがA級(ハロゲン含有0.3%のため)?
日本アルミット
DB1-RMA LFM-48 RMA JIS-AA級、RMAタイプ、デュアル活性フラックス
千住金属工業
エコソルダー LSC F3 M705
普通に買えるものが該当する。
ハロゲン対策としては、吸煙器を使う
goot SF-N0408 を使ってみてるが、「15分に一度くらい、はんだが飛散して、アチッてなる」。
はんだメーカーの商品に「飛散対策」とあるので、「鉛フリーはんだは飛散するもの」なのだろう。
有害物質について
フラックスの煙
はんだ付けのときに発生する煙は、フラックスが燃えることによるもの。これはハロゲン化合物を含んでおり、人体に有害である。よって、煙を吸わないようにしたほうが良い。
逆に言うと、人体的には煙を吸わないようにすれば良い。
鉛
鉛を主成分とするはんだでは、鉛の成分が手に付き、そのまま食事をしてしまったりして、経口摂取になることが問題のようだ。あとは、ゴミなどから自然環境に鉛を含む成分出てしまうのは良くない。
逆に言うと、人体的にははんだ作業の後はよく手を洗うようにしていれば良い。
煙を吸わないようにするには、吸煙機が有効である。
これをかってみたが、結構大きくてうるさいが、思ったより広範囲の煙を吸い込んでくれる。
鉛Pbは、鉛フリーのハンダを使うしかない。高いのはAg銀を含むからで、低Agのはんだも出ている。