Claude CodeのWindows対応を試してみた - WSLから脱却した開発環境
はじめに
2025年7月にClaude CodeがWindows対応を実現し、これまでのWSL依存から解放されました。「Added support for native Windows (requires Git for Windows)」という一文を見た時は、正直「本当に動くの?」と思いましたが、実際に試してみて感動しました。
この記事では、実際にWSL環境からWindowsネイティブ環境に移行してみた体験と、エンジニア目線でのメリット・注意点を共有します。
本記事について
今回の移行検証および記事執筆は、Claude Code(Anthropic社のAI)との協業で進めました。
AI時代の新しい技術探求スタイルの実践例として参考になれば幸いです。
自己紹介
ホネグミ代表、応用情報技術者の資格を持つエンジニア×マーケターです。
これまでIT系の会社役員を4年、独立して4年目になります。
クライアントワークでは「こうしたい」を技術で形にすることを専門としていますが、最近は思想駆動型サービス開発の第一人者として、AIを活用した様々なサービス開発を続けています。
Claude Code Windows対応の概要
従来の課題
これまでWindows開発者がClaude Codeを使うには、3段階の起動が必要でした:
wsl # WSL環境起動
ubuntu # Linuxディストリビューション起動
claude # Claude Code起動
毎回この手順を踏むのは、正直面倒でした。特に急いでいる時の「あ、WSL立ち上げなきゃ」という感じ、Windows開発者なら共感してもらえると思います。
Windows対応で変わったこと
2025年7月のアップデートで、PowerShellから直接実行できるようになりました:
claude # これだけでOK!
必要な条件:
- Git for Windows(必須要件)
- Node.js v18以上
- Windows 10 (Build 19041以降) または Windows 11
実際に試してみた結果
移行手順
1. 現在の環境確認
# WSLの状況確認
wsl --list --verbose
# Node.js確認
node --version
npm --version
# Git for Windows確認
git --version
2. Windows側にClaude Codeをインストール
npm install -g @anthropic-ai/claude-code@latest
3. 動作テスト
claude --version
最初のつまづきポイント
初回起動時に「No suitable shell found」エラーが発生しました。原因はGit for Windowsの設定不備でした。
解決方法:
- Git for Windowsを再インストール(Git Bashオプションを確実に選択)
- PowerShell完全再起動
- 環境変数PATHの確認
3回目の挑戦で成功。その瞬間の「あ、本当に動いた!」という感動は今でも覚えています。
VS Code統合の改善
Windowsネイティブ対応により、VS Codeとの統合も改善されました:
{
"terminal.integrated.defaultProfile.windows": "PowerShell"
}
従来のWSL設定では時々発生していたプロセス終了エラーも解消されました。
エンジニア目線での考察
このアップデートの価値
開発体験の向上:
- 起動手順の大幅簡素化
- システムリソースの節約(WSL不要)
- 設定・管理の複雑さ軽減
チーム開発への影響:
- 新人エンジニアへの説明が簡単に
- 環境構築ドキュメントの簡素化
- Windows環境統一によるトラブル減少
クライアントワークでの効果:
- 打ち合わせ中の即座な検証が可能
- 非技術者への説明ハードル低下
- 環境構築時間の大幅短縮
活用シーン・応用例
日常開発:
思いついたアイデアをすぐ検証できるようになりました。これまでは「後でまとめてやろう」と思っていた小さなタスクも、気軽に取り組めます。
教育・指導:
「まずWSLをインストールして...」という説明が不要になり、Claude Code自体の活用に集中できるようになりました。
プロトタイプ開発:
クライアントとのディスカッション中に「ちょっと試してみますね」と、その場で検証できるスピード感が生まれました。
注意点・制約
新機能ゆえの課題:
- 環境によっては初期設定でつまづく可能性
- Git for Windowsの正しいインストールが必須
- WSL環境の方が安定している場合もある
移行判断のポイント:
- WSLを他用途で使用している場合は慎重に判断
- Claude Code専用でWSLを使っていた場合は移行推奨
- 新規環境では最初からWindows版を選択
活用のコツ・ポイント
スムーズな移行のために
事前確認:
# Git Bashの存在確認
Test-Path "C:\Program Files\Git\bin\bash.exe"
# PATH環境変数の確認
$env:PATH -split ';' | Where-Object {$_ -like "*Git*"}
トラブル回避:
- Git for WindowsはデフォルトインストールでOK
- PowerShellの完全再起動を忘れずに
- 初回エラーでも数回試してみる
他プロジェクトでも使える知見
開発ツールのWindows対応トレンド:
この動きは他のAI開発ツールでも見られる傾向です。WSLが「必須」から「選択肢の一つ」に変わっていく流れを感じます。
チーム開発での統一戦略:
新規プロジェクトでは最初からWindows版を採用することで、チーム全体の環境統一が図れます。
まとめ
Claude CodeのWindows対応は、単なる機能追加以上の意味がありました。Windows開発者にとってAI協業開発がより身近で日常的なものになったと感じています。
得られた学び:
- 開発環境の簡素化は想像以上に大きなインパクト
- 新しい技術は実際に試してみることが重要
- 小さな改善が積み重なって大きな効率化に
エンジニアにとっての価値:
- 思考→実装のタイムラグ最小化
- 環境構築・管理コストの削減
- AI協業開発の心理的ハードル低下
今後試してみたいこと:
この簡単さを活かして、より多くの場面でClaude Codeを活用していきたいです。特にクライアントワークでの即座な問題解決や、新人教育での活用に期待しています。
Windows開発者の皆さん、まだ移行していない方はぜひ試してみてください。きっと開発体験の変化に驚くと思います。
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