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アイデアの作り方を読んだ感想

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感想

アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない という有名な一説から、この本を手に取りました。
とても古い本で、前書きや表現に時代を感じましたが、文章はわかりやすく意外と読みやすかったです。
本文にあたる箇所は実質50ページ程度であり、帯にある通り本当に1時間で読めました。
何度も読み直したくなるような面白い本でした。

まず、普遍的な心構えとして印象に残ったのは、「心を訓練すること」の章にある 「どんな技術を習得する場合にも、学ぶべき大切なことはまず第一に原理であり第二に方法である。」 という言葉です。
様々なビジネス書籍や自己啓発本にあるような再現性の高そうな方法に飛びつく前に、一度この言葉を思い出すようにしたいです。

次に、アイデアのつくり方としては、インプットの重要性が印象に残っております。
ただ広く情報を集めるだけでなく、それぞれを深く追求して、多角的に深ぼっていくことが重要でした。
最近は、AIで簡単に情報が集められるようになっており、そればかり活用していた自分にとってはつき刺さる内容でした。
中でも、タクシードライバーのお話から、タクシードライバーをタクシードライバーとしか捉えられない自身の未熟さを痛感しました。
このタイミングで、データ集めやデータの咀嚼の重要性を感じられたことは非常に良い学びになりました。

最後に、本書は薄い本ながら、アイデアを生み出すための本質的な学びが詰まっていました。
古い本でありながらその一説が様々なところで今も見られる理由がよく分かりました。

私自身、アイデア作りには苦手意識があり、この本を読んだ後でも、アイデア作りが得意な人に対して才能があるからという気持ちは残っています。
ただし、この本を読んだからこそ、得意な人と私の一番大きな違いは、才能ではなく様々なことに興味をもって深堀り、体験したインプットの量、そのインプットに向き合った時間だと思います。
さらに、その差は少しずつでも埋めていけると希望を感じています。


備忘録

作品情報

  • 著者
    • ジェームス・W・ヤング
    • アメリカ最大の広告代理店の常任最高顧問、アメリカ広告代理業協会会長などを歴任
  • タイトル
    • アイデアのつくり方
    • A Technique for Producing Ideas

https://books.cccmh.co.jp/list/detail/963/

目次

  • まえがき
  • この考察をはじめたいきさつ
  • 経験による公式
  • パレートの学説
  • 心を訓練すること
  • 既存の要素を組み合わせること
  • アイデアは新しい組み合わせである
  • 心の消化過程
  • つねにそれを考えていること
  • 最後の段階
  • 二、三の追記

概要

アイデア作成の一般的原理

  1. アイデアは1つの新しい組み合わせである

    • 完全に新しいものは存在せず、すべては既存要素の組み合わせから生まれる
  2. 新しい組み合わせを作り出す才能は事物の関連性を見つけ出す才能によって高められる

    • 物事の関連性を見抜く力こそが、アイデア創出の鍵となる
    • 著者曰く、これを修練する方法は社会科学を勉強することらしい

アイデア作成の手順(5段階)

  1. 第1段階:データ集め

    • 特殊資料(製品とそれを売りたい人についての資料)と一般的資料(幅広い知識)を収集
  2. 第2段階:データの咀嚼

    • 第1段階で集めた資料を様々な角度から検討し、関連性を探る
  3. 第3段階:データの組み合わせ

    • 問題から完全に離れ、無意識に任せる
    • 音楽を聴いたり、映画を見たりして感情を刺激する
  4. 第4段階:ユーレカ(発見した!)の瞬間

    • 日常の予期しない瞬間にアイデアが浮かぶ
  5. 第5段階:アイデアのチェック

    • 生まれたアイデアを現実の条件に適合させて、評価する
    • 信頼できる人に批判を仰ぐ

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