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Getting Things Doneでススメ

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この記事について

大学院生の時からずっと自分のタスク管理をGetting Things Done(GTD)を使って実行している。今一度初心に帰って、そもそもどういうフレームワークなのか思い出しながら記事にしてみる。

また自分の実践経験も踏まえてところどころで実際はどうしているのかも書き込むので、興味のある方は最後まで読んでいってほしい。

GTDとは

GTDとは、著書『仕事をお成し遂げる技術-ストレスなく生産性を発揮する方法』(著: Devid Allen)で提唱した個人向けのワークフロー管理手法である。
GTDの目的は、頭の中にある「気になること」を全て外部に追い出し、精神的な負担を減らすことで、目の前のタスクに集中し、ストレスなく生産性を高めることにある。

基本原則

GTDの中核をなすのは「頭はアイデアを出すところであり、覚えて置く場所ではない」と言う考え方である。私たちは仕事やプライベートに関する無数の「やること」「考えること」を頭の中に溜め込みがちである。これが精神的なノイズとなり、集中力を妨げ、ストレスの原因となる。
GTDはこれらの雑多の情報を脳から取り出して客観的に整理し、次に取るべき行動を明確にするための具体的なフレームワークを提供する。

GTDを実践するための5つのステップ

GTDは以下の5つのステップを継続的に繰り返すことで実践する。

収集
頭にある「気になること」を全て書き出す。アイデア、タスク、悩みどんな些細なことでも構わない。書き出す場所はノート、スマートフォンのメモアプリ、専用のツールなど、いつでもアクセスできる「インボックス」と呼ばれる場所に一元化する。
この段階では整理や判断はせず、とにかく全て出し切るようにする。

自分の場合は付箋とTodoistというアプリを利用している。基本的に収集の段階ではほとんどを付箋に記載し、手元に付箋がないときや日を跨ぐ場合にはTodoistに記載していくようにしている。

完全に個人的な感覚だが、アプリは便利な反面、全てのテキスト情報が並列で並んでしまうため印象に残りづらい。また何を記載したかを確認するためにはアプリが画面上に出てないといけない。これに対して付箋は1つ1つの「気になること」にちょっとした区別(大きく書く、走り書きする、追加情報を小さく書くとか)が可能なのと、机の上に貼っておけばいつでも見返せる点が利点だと思う。

仕事終わりには付箋を全て片付けて、「忘れ物」がないか確認するようにするため、そのタイミングでTodoistに再整理をしている。

見極め
インボックスに集めたものを確認し、それが何であるかを見極める。そして以下の質問に従って分類する。

  • これは行動を起こす必要があるか?
    • いいえ→「ゴミ箱(不要なもの)」「いつかやる(参考資料)」「資料(参照したい情報)」のいづれかに分類する
    • はい→次の質問に進む
  • 次に取るべき具体的な行動は何か?
    • 2分以内で終わるか?→YESならその場で実行する。
    • 2分以上かかるか?
      • 自分でやるべきか?→「次の行動リスト」に追加する。
      • 他の人に任せるべきか?→「連絡待ちリスト」に追加する。
      • 特定の日にやるべきか?→カレンダーに記入する。
  • 複数の行動が必要か?→それは「プロジェクト」と定義し、「プロジェクトリスト」で管理する。

私はこの見極めと収集は並走してしまっていることが多い。収集したタイミングで必要か不必要か、それはどれくらいかかるのかはわかっているため、2分以内に終わるような作業はすぐに取り掛かってしまう。

整理
「見極め」のステップで分類したものを、それぞれ適切な場所(リストやカレンダーなど)に整理して格納する。

  • カレンダー: 期限が明確な予定や行動
  • 次の行動リスト: 次に取るべき具体的な行動
  • プロジェクトリスト: 複数の行動を伴う目標。定期的に進捗を確認する。
  • 連絡待ちリスト: 他の人に依頼したタスク。
  • いつかやるリスト: すぐに着手しないが、忘れたくないアイデアやプロジェクト。
  • 資料: 行動は不要だが、後で参照する可能性のある情報。

カレンダーはGoogleカレンダーに収集、資料はメモ帳(アプリ)に置くようにしている。Googleカレンダーは仕事で利用しているので別のアプリを使うより一元化しておきたい意図がある。資料については1ヶ月以内で消えて問題ないものはメモ帳へ、そうでないものは然るべきところがあるので、そこに記載するようにしている。例えば社内で利用しているConfluenceやnotionなど。

更新
作成した各リストを定期的に見直し、システム全体を最新の状態に保つ。特に「週次レビュー」はGTDの中核となる習慣で、以下のことを行う。

  • インボックスを空にする。
  • カレンダーや各リストを確認し、タスクの進捗をチェックする。
  • プロジェクトリストを見直し、次の行動が明確になっているか確認する。
  • 「いつかやるリスト」を眺め、今始めるべきことがないか検討する。
    このレビューにより、システムへの信頼が維持され、安心して目の前のことに取り組むことができる。

私はこの更新の作業をGTDのルール通りにやってない。私にとってインボックスは「付箋」にあたり、毎日の締め作業でTodoistに上げ直す作業が「インボックスを空にする」作業となっている。

個人的にタスクの単位は小さく切り出して置くべきだと考えているので、タスクの進捗管理はそんなにない。小さく切り出したタスクは消化するたびにDONEマークをつけていくようにしている。つまりタスクの数が今の進捗となる。

プロジェクトリストというものは最初は用意していたが、今はやめてしまっている。プロジェクトリストが必要なほどの作業については個人で管理することがなく、チームで管理している別のボードで管理するようにしている。(そしてそちらはスクラム開発というアジャイル開発手法を用いて管理しておりGTDの範囲外となる)

同じく「いつかやるリスト」についてもチームで管理するボードに行くようになる。大抵の場合「いつかやる」みたいなものはチームメンバーも思い付いていることが多いため、個人で管理するよりチームで管理した方が共通認識ができる。また「いつかやる」と決めた内容が実は有用だったり、何かが原因で実行できない課題があったときでもメンバーがパッと解決してくれたりすることがあるため、このリストはチームメンバーの目に入るところにおいて置くことをお勧めする。

実行
状況に応じて、整理された「次の行動リスト」の中から最適な行動を選択し、実行する。その際の判断基準として、以下の4つの要素が挙げられる。

  • 状況: 今いる場所や使えるツールで実行可能か。
  • 時間: その行動にかけられる時間があるか。
  • 優先度: 最も重要なことは何か。

自分の場合は全てのタスクに期日を割り振っている。そのため、リストをぱっと見ればとりあえず今日やらないといけないタスクが目に入り、そうでないものはさっぱり忘れるようにしている。
優先度については付箋であれば星マークをつけたり、Todoistであれば優先度をつける機能があるのでそれで対応し、優先度の高い順で消化するようにしている。

実行時に時間がかかりすぎる場合、タスクが大きいか、実際の作業は少しで待ち時間が長いかのどちらかだと思う。前者の場合は複数に分割する。この時の目安として1日で必ず1個は消化されるぐらいの小ささにしておく。後者の場合は、明日に持ち越せるなら明日の朝イチに実行し、そうでないなら優先的に早く実施してしまう。

まとめ

いろんなタスクツールがある中で「管理手法」はあまり取り上げられることがない気がしている。もし日々の仕事や私生活の中でやるべきことを忘れてしまう、期日を過ぎてしまうことが多い人はかなり改善されると思うので、一度実践してみてほしい。

また、最初は付箋が良いと思う。タスクが発生したりアイデアが湧いた時にいかに早く頭から追い出せるかは1秒でも早い方が良い。この時に何も考えずパッと手に取ってかける付箋は大変便利なので、騙されたと思って付箋を使ってみてほしい。

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