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情報系学生の応用情報技術者試験対策

2024/10/21に公開

※ この記事の筆者は大学で出席を怠ってサークルに没頭し、なぜかその知識だけで単位を修得してきた不届き者です。この記事を読んだ情報系の学生は「あ、何もしなくても応用情報の試験合格できるんだ」といった勘違いを起こさないようにご注意ください。

こんにちは。情報通信学科4年で応用情報技術者試験(2024年10月)を受けたのでその時の所感や、情報系学生向けの対策方法をまとめてみました。これから応用情報技術者試験を受ける人にとっては参考になるかもしれません。

自己紹介みたいなもの

  • 情報通信学科 学部4年
    • 情報理工学科の必修科目もほぼ全部取っていたので実質情報理工学科の学生みたいなもの
  • 競プロ経験:なし
    • 学科でのプログラミング授業では上位20~30%以内にはいたはず
  • 組込みシステム開発経験:結構ある(在学中に航空機の操舵・計測部などを作ってた)
  • ネットワーク開発経験:あんまない(ルーター操作したり、クラウドサーバー利用するくらい)
  • セキュリティ的な知識:多少(ハッシュ、暗号に関する理論だけは分かる)

応用情報技術者試験の概要と受験目的

情報処理推進機構が年2回実施する国家試験です。4択問題の午前試験と記述式の午後試験から構成されており、近年の合格率は20~30%程度です。

情報系学生の場合、就活時のアピールというよりは知識の補強や趣味、高度試験の前座といった理由で受験する人が多いでしょう。また、この試験に合格することで教員資格認定試験の高等学校(情報)を受験することができる[1]ので、諸事情で大学の教職課程を履修できなかったが教員免許を取得したいといった人には必須となる試験です。

参考書について

試しに午後試験の過去問から自分の得意そうな問題を読んでみて「なんだ、簡単じゃん!」と感じるのであれば参考書は不要です。逆に「何言ってんだこいつ」となる人は参考書を利用すると良いでしょう。

ここで参考書についてあまり詳しく述べることはしませんが、現時点での知識水準が高いほど本の厚さが薄い参考書を選択すると良いです。厚い参考書は初学者向けに作られているため、ある程度知識がある人にとっては効率が良くない場合があります。逆に薄い参考書はある程度知識があることを前提に解説しており、解説事項も要点まとめのような部分が多いので事前知識がある程度ある人にとってはおすすめです。

午前試験対策

いわゆる足切り用の試験です。4択問題が80問出題され、48問以上正答すれば通過です。試験範囲としては、テクノロジ、マネジメント、ストラテジ系からそれぞれ50問、10問、20問出題され、各設問自体は学部初級レベルの難易度ですがとにかく範囲が膨大です。それに加えて用語を問うような問題が多いため実務ではほとんど聞かないような語句もそれなりに問われます。そのためいくら自信があるからと言って無対策で突っ込むと高確率で撃沈します。私も1度完全初見で午前試験の過去問を解いてみましたが、50点しか取れませんでした。

午前試験では20~25題程度の問題は過去6年程度の問題から使いまわされています[2]。つまりここをきっちり抑えれば安定して60点を超えられる可能性が高いです。

試験対策には過去問道場を利用して、直近1年の問題を除いた過去6年間の問題をきちんと解けるようにしましょう。理解が難しい分野については丸暗記で問題ありません(理解したところで午後試験では選択しないと思うので)。ここで高得点を取っても午後試験には何も影響がないので75~80点を目標にしておけば十分です。

午後試験対策

午後試験は記述式となっており(用語問題や記号問題もある)、11問の大問から5問を選択して解答します(ただし情報セキュリティのみ必答)。問題を任意に選択できるため、テクノロジ系の問題のみを選び、マネジメント、ストラテジ系の問題を全く選択しないといったことも可能です。ただし各設問では多少深い理解を問う問題になっているので注意してください。難易度としては学部初級と中級の間、内容は実務基礎程度のものなので、開発経験がある人にとっては特に対策をせずとも解答できる人もいます。目指せ90点以上!(90点以上で上位0.1~0.2%以内)

私の場合、午後試験の過去問を3分程度読んでなんとなく簡単そうだと感じたので何も対策せずに突撃しました。(は?)

試験当日

午前試験

試験15分前から試験の説明が始まります。携帯が鳴ったら退場、受験番号や生年月日のマークミスは未採点、退出禁止時刻(試験終了10分前以降)に退出したら未採点とするなど結構ルールに厳しいです。

午前試験は普通にやっていれば時間が余るので、見直しをしたら途中退出することを推奨します(試験終了まで待つと答案チェックなどで10分程度余計に拘束されるため)。受験番号や生年月日の記入ミスやマークミスが無いかは確実にしましょう。

昼休み

午前試験を途中退出した場合、試験終了時刻までは会場に入れないため、基本的には外食しながら待機します。この際、解答速報を使って自己採点すると不安を抱えたまま午後試験に突入してしまうので午前試験の事は忘れてのんびりするか、午後の過去問でも眺めていると良いです。

また、午後試験は午前と同じで鉛筆かシャープペンシルでの解答です。ボールペンではありませんので間違えないように。

午後試験

午後試験は解くスピードにもよりますが途中退出せずに150分使う人が多いです。私が選択したのは以下の5題です。情報系の専攻だとこの5つにデータベース、情報システム開発の2つを加えた7問が選択肢になってくると思うのでお好きな問題をお選びくださいませ。

  1. 情報セキュリティ(必答)
  2. プログラミング
  3. システムアーキテクチャ
  4. ネットワーク
  5. 組込みシステム開発

以下に私が解いた各大問の所感を記載します。

情報セキュリティ(必答)

この問題だけ必答問題なのでセキュリティ分野から逃げることはできません。ただ選択問題と比べるとやや難易度は低めに設定されているように思えます。情報系の勉強をしてきた学生にとって、記述や計算については難なく解けると思います。語句を答える問題については苦戦するかもしれませんが、合格点は60点なのでそこまで焦る必要はありません。

プログラミング

純粋な手書きプログラミングの他、オーダーの計算やアルゴリズムに関する問題が出題されます。競プロをやっている人にとってはボーナス問題ですが、そうでない人にとっては歯ごたえのあるような問題難易度です。問題難易度としては、大学のプログラミング中級レベル程度です。問題をまともに読まずにコードだけ見て解いてしまう人もいますが、問題の要求通りにコーディングしないとプログラムは正常に動くのに不正解になる場合もあるので問題文はきちんと読みましょう。

システムアーキテクチャ

システム構築の技術的な分野全般からの出題です。計算や記述問題が中心となっており、比較的基礎的な知識で解けるので思考力があれば比較的解きやすい問題になっています。

ネットワーク

ネットワークシステム構築を事例とした問題です。家で普段からルーターを操作して独自のネットワークを構築している人や研究室や仕事でネットワークに関する作業を行っているような人には解きやすいです。プログラミングと同様、経験の数が多い人ほどボーナス問題になる専門性が強めの問題です。

組込みシステム開発

IoTや組込みシステムの事例に関する問題が出題されます。それほど知識が無くてもある程度解ける場合がありますが、高得点を狙う場合はある程度開発経験が欲しいところです。ある程度開発経験があると問題を適当に読み流しても現場の感でなんとなく解けてしまう場合もありますが、それに頼りすぎると問題の条件を無視した解答をしてしまうことがあるので問題文はきちんと読みましょう(2回目)。

結果と採点所感

試験の2カ月半後、試験結果が公開されました。

午前、午後共に79点前後でした。得点分布表が公開されていたので見てみたところ、午前試験は受験者44,243人中2,689位(上位6~8%程度)、午後試験は採点対象者26,048人中740位(上位3~5%程度)でした(得点分布は10点刻みの人数のみ分かりますが、今回のように得点の境界-1点(午前は-1.25点)だと順位が算出できます)。全く対策せずに突撃した午後試験でしたが、想定よりも得点が取れていました。各大問ごとの得点は公表されませんがIPAによる解答例を元に推測したところ、以下のような評点になっていたのではないかと思います。

問題 得点(推定)
情報セキュリティ 15/20
プログラミング 15/20
システムアーキテクチャ 17/20
ネットワーク 15/20
組込みシステム開発 17/20

ネットワークはそこまで得意ではありませんでしたが、当日のネットワーク問題がかなり簡単だったのでそこそこ得点できました。他の分野では、単に語句問題が分からなかったりケアレスミスなどもあり、各大問の点数が7~8割程度に収まった感じです。(ちなみに組込みシステム開発は激ムズだったらしい。まあ経験ないと分からないよなあという問題も結構あったし設問2はかなり計算条件が複雑で私も間違えた)

IPAが公表している解答例を読んでみたところ、記述問題に関しては単純な解答が多かった印象があります(字数制限の割にこんな単純な解答でいいのか、用語の内容を説明させる問題の答えに具体例を使ってもいいのか、など)。おそらくですが、解答例を単純にすることで解答に幅を持たせ、多くの答案に得点を与えられるようにするためではないかと思います。記述問題の解答でどこまで踏み込んだ解答をするのかは受験者によって変わってくるでしょうから。上の推定得点でもほとんどの記述問題を〇とした場合の得点になっています。

感想

IPAは毎年よく考えて午後問題を作っているんだなぁというのが率直な感想です。現実で起きそうな事例を題材とした問題にしているので、経験の多さがそのまま得点に繋がりやすいようになっています。ある程度実務基礎的な側面を持っている試験で解くのも楽しいような問題が多いので興味のある方は趣味半分勉強半分で受験するのも良いと思います。高度試験については...合格できる可能性がある試験はエンベデッドシステムスペシャリスト試験くらいですが、まあ気が向いたら受けますかね。

脚注
  1. 令和6年から再開された試験。受験資格は22歳以上で高卒以上かつ応用情報技術者試験(高度情報処理技術者試験、情報処理安全確保支援士試験も可)の合格者 ↩︎

  2. なぜかは分かりませんが直近1年の問題からは使いまわされません ↩︎

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