TODOCUサポーターのつくりかた
こんにちは。
207株式会社でCTOと配達効率化アプリ「TODOCUサポーター」のPM(プロダクトマネージャー)を兼務しております、福富(@fukutomy)です。
この頃開発メンバーから「CTOらしく、採用に時間を使ってください」と言われることが増え、「そういうものか」と思ってこの記事を書き始めています。闇雲にスカウトメールを乱発する前に、まずは弊社について知ってもらうことが大事だと考えました。
本記事では、「207で働くってどんな感じ?」を少しでもお伝えできれば幸いです。
207がやっていること
207(ニーマルナナ)は、「いつでもどこでもモノが届く」というミッションを実現するために、直近では物流のラストワンマイルにフォーカスした3つの事業を展開しています。配達員向け業務効率化アプリ「TODOCUサポーター」、法人向けに各種データ連携機能などを提供する「TODOCUクラウド」、そして「TODOCUサポーター」によって蓄積されたデータを使って誰もが効率的に配達できる世界を目指す「スキマ便」です。
TODOCUサポーターとは
ここでは3つの事業のうち、最も僕と関わりの深いプロダクト「TODOCUサポーター」のつくりかたについて紹介させていただきます。
TODOCUサポーターは主に個人事業主として宅配業務をされている方に向けて、配達業務の効率化を目指してリリースしたスマートフォンアプリです。個人事業主として活動されている方々の報酬は日々の配達完了数によって決まるため、業務の効率化(=決まった時間内に配達できる荷物の数が増える)は報酬の多寡に直結します。
↑IVSでTODOCUサポーターを紹介したときの動画です。
具体的な機能としては、例えば以下のようなものを含みます。
・伝票から荷物の情報を瞬時に読み取る、OCR機能
・お届け先と在宅時間などについてやりとりするコミュニケーション機能
・登録した荷物の緯度経度、時間指定情報などから効率的な配送順をおすすめする機能(β版)
などなど。
TODOCUサポーターのつくりかた
207ではクォーター毎に会社としての最優先事項(=カンパニーベット)を定義し、隔週の経営会議でカンパニーベットに従った進捗ができているか、また、カンパニーベットに修正が必要かについて確認しています。スタートアップとしては珍しく3つの関連事業を同時展開する207では、各事業のメンバーが局所最適に陥るのを防ぐため、全社的な視点をできるだけリアルタイムに更新・共有する必要があると考えているからです。
その中で、現在最も重要とされている項目のひとつであり、かつ僕がコミットしているのがTODOCUサポーターの翌週アクティブ率改善です。
情報が散らばると集中力が切れてしまうので、最近はMiroの1枚絵にいろいろまとめるのがマイブーム。
TODOCUサポーターにおいて翌週アクティブ率はカンパニーベットのひとつであり、プロダクトとしてのNSM(=北極星指標)でもあります。僕たちはこの北極星指標を追いかけるためのデザインプロセスとして、「ダブルダイヤモンド」を採用しています。(実際にはこのフローを採用してしばらく経た後に、このフレームワークの存在を知りました。)
1つめのダイヤモンド
1つめのダイヤモンドは、正しい問題を見つけるためのプロセスです。弊チームでは問題発見のための仮説検証プロセスを、カスタマーサクセス、データサイエンティスト、PM(僕)の3人が集まる週次開催のMTG「UXリサーチ定例」でまわしています。
UXリサーチ定例でポップアップのABテスト結果を吟味。
ここでは各メンバーが、以下のような役割を担っています。
・カスタマーサクセス
主にユーザーの目線から定性的な情報収集・分析を担当。マーケティングツールを駆使してユーザーインサイトを獲得したり、エンドユーザからの問い合わせ内容のサマリをレポーティングしたりします。
・データサイエンティスト
主に定量的な情報収集・分析を担当。弊チームではRedash上からあらゆるデータソースアクセスできるようになっており、発見された課題はデータサイエンティストによって即座にダッシュボードに反映されます。
・PM
発見された仮説に基づいて、プロダクトバックログの優先度を決定する。リリース予定の機能には検証したい仮説が紐付いており、リリース後にカスタマーサクセス、データサイエンティストが持ち寄った情報に基づいて即座に検証されます。
とはいえ課題発見のプロセスについてはきれいに役割を区分けしているわけではなく、例えばデータサイエンティスト以外のメンバーがRedashでクエリを書いて分析したり、PMである僕がTODOCUクラウドの営業に同行して現場の配送員の方の横乗りをしたり、エンジニアが配送業務を疑似体験して洞察を収集する場合もしばしばだったりします。あくまで「主に」それぞれの役割に軸足を置いているだけで、メンバー全員が時と場合に応じて自律的に動けるのが弊チームの強みと自負しています。
2つめのダイヤモンド
2つめのダイヤモンドは、正しい解決方法を見つけるためのプロセスです。弊チームではグルーミングされたバックログの上から順に、まずデザイナーとPM間でおおまかな方向性について議論したのち、エンジニアを交えて詳細仕様に落とし込んでいきます。
配送進捗の表現方法について、議論を重ねながらプロトタイプを作成中。
エンジニア陣で詳細仕様の検討中。最適なタスクの切り方や取り掛かる順番、バックエンドエンドとフロントエンドの境界をどこで定義するか、などをここで議論しています。
コード品質をコードレビュー、サービス品質をQAである程度担保する前提で、具体的な開発の進め方については各メンバーにお任せしています。弊社のバリューでもある "Speed With Quality" を達成するためにサポートが必要であれば社内のあらゆるメンバーが手をさしのべてくれますし、生産性への投資も惜しみません。開発を進めるうちに新たな問題が発見されて、スピード感とのバランスを見ながら仕様に再反映することも多分にあります。
月次でやっているKPTの様子。ビルドでめちゃめちゃ時間がとられていることが判明したので、この日のうちにビルドマシン注文した。
207を支えるアーキテクチャ。小さなチームがそれぞれ自律的に開発を進められるよう、サービスごとにリポジトリと環境が区分けされています。
207の働き方
ここからは207社内の雰囲気をより肌で感じてもらうため、僕が「207ならでは」と思う働き方のポイントをいくつか紹介させていただきます。
レコーディング文化
弊社バリューのひとつ "Be Open" を体現する習慣のひとつとして、レコーディング文化があります。採用面接や1on1を含むすべてのミーティング動画が流れてくるので、最初はびっくりするかも?
#mtg-recording にMTGのレコーディング動画がつぎつぎと流れてくる図
フルフレックス/フルリモートワーク
コロナ渦となってからは当たり前となった感もありますが、「働く時間と場所は会社が画一的に定義するよりも、各自で決めたほうが生産的になれるはず」という信念の元で、207では働く時間も場所も完全に自由です。
↑半年前に提出した "remote-jp/remote-in-japan"リポジトリ への Pull Requestとはいえこれはあくまで生産性を高めるための働き方なので、もちろん必要に応じて集まって議論することもありますし、障害が発生したら対応するし、どうしても譲れないスケジュールがあるときは一丸となってめちゃめちゃ頑張ります。笑
メンバーが運営しているコワーキングスペースに集まったり
たまに、大きなタスクを持ってるメンバーがプチ合宿的に集まってワーケーションすることもあります。
下馬ハウス
自律的に生産的な働き方を追求する文化が表出したひとつの例として、下馬ハウスがあります。「もっと仕事を楽しく、生産的に。」を考えて、エンジニア陣でお金を出し合って自発的に共同生活を始めました。
最近ではコワーキングスペースとして利用する他メンバーからの差し入れやカンパも増えて、日々仕事のしやすい環境にアップデートされてきています。(Kyashの共有口座を運用中)
いろいろ買い揃え中。二酸化炭素濃度が一定値以上に上がったらアラームを出したり、終業時刻に学校のチャイムが鳴ったり、IoT化も続々進行中です。
Discordで常時部屋の様子を配信していて、フルリモートのメンバーともシームレスにコミュニケーションできる
SS会
弊社バリュー最後のひとつ、"3S(先生であり、生徒であり、科学者であれ)"を体現する施策のひとつとして最近始めたのが、週次で開催する社内勉強会(SS会)です。この会は別名(Shimouma Sushi会)とも呼ばれていて、各自の発表とディスカッションが終わった後はみんなで寿司を食べるのが通例となっています。
たまにはピザを注文することも。
業務に関係する書籍であれば基本的に経費で購入可能。メンバーの学習を後押ししています。
We're Hiring
207ではTODOCUサポーターを圧倒的に使われるプロダクトに成長させるため、全方位で絶賛募集中です。
副業からの関わりも大歓迎なので、
少しでもこの記事が琴線に触れた方はぜひお気軽にお声掛けいただけると嬉しいです!
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