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グリーン関数とは

2025/01/19に公開

初めてグリーン関数に出会った人向け。そんなに数学に厳密ではないけど物理や工学に使う分には十分だと思う!

グリーン関数の定義

グリーン関数 G(x, t) は次を満たす関数として定義される。

\boxed{ LG(x, t) = -\delta (x-t) }

ただし、 L は線形微分演算子、 \delta はディラックのデルタ関数である。

使い方

微分方程式 Ly(x) = -f(x) のグリーン関数を G(x, t) とするとその微分方程式の解は

\boxed{ y(x) = \int G(x, t)f(t)dt }

である。これは微分演算子 L を作用させることで確かめることができる。実際、

\begin{aligned} Ly(x) &= L\int G(x, t)f(x)dt \\ &= \int LG(x, t)f(x)dt \\ &= \int \delta (x-t)f(x)dt \\ &= -f(x) \\ \end{aligned}

となって y(x) は微分方程式の解になっている。
(補足)次のディラックのデルタ関数の公式を使った

\int \delta (x-a)f(x) = f(a)

グリーン関数についていろいろ

グリーン関数があれば微分方程式の解を計算を頑張るだけで求めることができ便利であることが分かるがどうやって求めるのか気になると思う。これは一般に求める方法はなく個別の例について発見するものである。具体的な微分方程式についてそれぞれの解法がある。物理によく出てくるものでは例えばポアソン方程式のグリーン関数やヘルムホルツ方程式のグリーン関数などがある。また、グリーン関数はこの記事に書いたグリーン関数以外のものもグリーン関数と呼ばれているものがあってややこしい。

Discussion