なぜ技術記事を書くのか
ありがたいことに、投稿している記事を多くの方々に読んでいただけるようになり、新しく入ってきた社員の方と1on1をするときに「なぜ記事を書くんですか?」とよく聞かれるようになりました。多くの方がこの手の記事を書いていると思いますが、自分なりの整理の意味も含めてまとめてみます。
コミュニティへの還元
誰しも最初は1年生です。これは結構な方が感じている事かと思いますが、育ててもらったコミュニティに恩返しをしたいという思いがあります。特にITのみならず技術コミュニティは本当に技術好きな人たちが集まっているので、他の業界では有料レベルの情報も惜しみなく公開してくれる方々が多いです。自分もその一員となってこれからコミュニティに参加される人のお役にたてればと思っています。
議論のスタートラインを揃える
例えばXXXというテーマについてお客さんと話をする場合、お客さんの中でもメンバーによってXXXのスキルレベルがバラバラです。その状態で議論に入ってしまうと、置いていかれる人が出てきたり、逆にそんなことはもうわかってるよ、という方が出てきたりします。インターネットに公開している基礎的な記事のURLを事前にお送りして「これを前提に話すので読んでおいてください」とメールを1通送るだけで対面の議論がスムーズに進むことはよくあります。URLだけで共有できるというところもミソで、お客さんの中で社内展開や会話する場合もURLを記載するだけで良いのでPDFなどの資料に比べて扱いやすく情報流通もしやすいです。
世界最強の検索エンジンを使う
ナレッジを記しておく場合、例えばOneNoteやNotionに書いておく選択肢もあると思います。しかしそうすると情報が分散してしまいますし、検索するのも大変です(Copilotの登場で少しマシになるかもしれませんが)。ZennやQiitaに書いておいてBingやGoogleで検索するだけで世界中のナレッジを含んだ自分のナレッジが検索されてくるって最高ですよね。しかもすべて無料です。実際に検索をして「ありがとう過去の自分」と思うことは数え切れないくらいあります。
資産の社外依存
私はエンジニアの人生には転職がつきものだと思ってます。もちろん社外秘や顧客情報を持ち出すのはNGですが、自分が得た汎用的なナレッジは社外に依存させておくと仮に会社を離れた場合でも”人に紐づく”情報になるので今後のエンジニア人生でずっと使える情報になります。
これは転職をする人だけではなく、実は元職の同僚にとっても良い事だと思っています。社内にいる間は社内の同僚への共有はしやすいですが、退職すると個人データが消されて社内の同僚もその情報にタッチすることができなくなる状況が発生します。情報がゼロになるならたとえ汎用的でもネット上で確認できた方がいいですよね。
仕事につながったりする
現在の私の仕事は自分ができる案件を案件プールから拾ったり、自分で売り込んだり、営業とのコネクションでもらったり、などなど手段はあるにせよ口を開けていれば降ってくるというものではなく、自分で仕事をとってくる必要があります。技術記事をインターネットに公開していると、お客さんが「このブログを見たんだけどもう少し詳しく知りたい・支援してほしい」とお客さん担当の社員に仰っていただくことがあり、そうなると私に仕事が降ってきます。つまり、技術記事は寝てても働いてくれる営業ツールでもあるわけです。(ただ、このケースは非常に稀なので、これだけをモチベーションにするのはおすすめしません。)
周囲のエンジニアが凄すぎる焦り
これだけちょっとネガティブな理由ですが、社内にいると周囲のエンジニアが凄すぎて焦ることがあります。多くのイベントに登壇していたり、商業技術誌を執筆していたり。
現在の仕事は文字通り「Indivisual Contributor」な側面が強く、自分で仕事をとってくる必要がある部分もあります。そうした中で自分のプレゼンスを出していくためにはスケールするような方法で情報発信をしていく必要があると考えました。
Discussion
コメント失礼いたします!
技術記事を私も書いていて、自分なりに書く意味を持って行ってきましたが、
特に"資産の社外依存"の考えは私にはなくてその視点もあるのだなと学ばせていただきました...!
ありがとうございます(^^)
ありがとうございます!また一つコミュニティに知見を共有できたようで嬉しいです!