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テクノロジーレーダーのホールドを学ぶ

に公開

Technology Radar by Thoughtworks

https://www.thoughtworks.com/radar

各種テクノロジーを
「Technique」「Tools」「Platforms」「languages & Frameworks」に分野分けし、さらに推奨度の観点で分類してくれているチャートです。

推奨度は正確には「Adopt:真剣に採用を検討するべき」「Trial:完全には実証されていないがすぐ使える」「Assess:注意してみておくべきだがまだ使用しなくてよい」「Hold:採用は保留で慎重に。」の四段階で、レーダーという名前の通り図の中心に近いものが採用するべき「Adopt」のものとなっています。

私はオライリーの本でおすすめされているのを見て知りました。

Holdのものを覗く

対象: Vol. 32 | April 2025

Techniques

ツールなどではない分示唆に富むものも多いです


  • AI-accelerated shadow IT
    shadow IT とは情報システム部門、IT部門などが把握していない、社員が独自に導入したIT機器、サービスなどのことを指します。

    AI-acceleratedとあるのは、生成AIサービスの登場でそのような社内アプリケーションがだれでも作りやすくなっているという指摘の様ですね。「気をつけなきゃ」という文脈での紹介でした。

  • Complacency with AI-generated code
    complacency は「独りよがり」「自己満足」的な意味の言葉。AIで生成したコードについての指摘でしょうか。

    radarの紹介しているこちらの記事「AI Copilot Code Quality: 2025 Look Back at 12 Months of Data」によると、AIの影響でプログラム中に同じコードの繰り返しが爆増しているようです。DRY原則違反につながるかも。「プロトタイプや他のタイプの使い捨てコードなどには適切かもしれないが、本番コードには使わないように強く注意する。」とのこと


  • Local coding assistants
    機密情報が漏れる恐れから、ローカルでLLMの実行をするということを指しているようです。現実問題どこまでできるのか。。

  • Replacing pair programming with AI
    ペアプロの相手をAIにということですね。radarの説明としては「完全な置き換えは無理」とありました。チームコラボレーションの利点を置き換えることはできないでしょう、とのこと。


    個人的な経験から、ペアプロ自体はペアの実力差がある程度に収まっていないとうまくいかないと思っています。(私は「低すぎて相手についていけなかった」側です。)


    最近のAI使ったコーディングは青写真以上のレベルで書かせてしまうので、平等なペアでもない気がしています。

  • reverse ETL
    そもそもETLが何か調べると、データ分析における処理の流れで、データソースから抽出(E)し変換(T)後、ストレージなどに書き込む(L)ことを表すそう。


    reverseがつくと、分析用のツールなどに向けて集めたデータを外に送り出すプロセスを表現するようになる(場合によってはETLの逆工程になる)ようですね。


    参考: リバースETL(Reverse ETL)とは?


    なぜ「Hold」なのかは、「product vendors use Reverse ETL as an excuse to move increasing amounts of business logic into a centralized platform — their product. This approach exacerbates many of the issues caused by centralized data architectures」とのこと。
    まだ呑み込めないので勉強中です。


  • SAFe(Scaled Agile Framework®)
    Atlassianの解説を読みました。


    大きな規模でアジャイルを導入・実践するためのフレームワークです。そもそもとしてアジャイルをチームにとどまらずほかの組織含めて応用/適用する「アジャイルの拡張」のための方策がいくつか提案されており、SAFe, LeSS, DA, Spotify(企業名をそのままアプローチ名にしている),S@Sなどがある模様(https://www.atlassian.com/ja/agile/agile-at-scale)


    複数のチームがかかわる場合、企業全体で継続的なデリバリーを目指す場合など、単なるアジャイル、そのフレームワークでは囲いきれないところに対処するためのテクニックということでしょうか。組織への提供が難しすぎて、まだまだ一筋縄ではいかないところがあるようで、そこがHoldなのかも。

    Thoughtworks社では100人以上のコンサルタントをトレーニングし、より良いサポートを提供しているとのこと。

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