IT 読書記録「IT立国エストニア」
最近読んだ主にIT関連の本を紹介する。必ずしも全章よんでいない。
タイトル
基本情報
著者:前田陽二/内田道久
発行元:慧文社
発行年:2008年
価格:2500円+税
概要
IT立国として有名なエストニアのIT政策やその効果を時系列と共に紹介している本。
2008年の本なので情報としてはかなり古いが、その時点ですでに先進的な取り組みがなされていたことが分かる。
また、そもそもエストニアの独立が1991年とのことなので、独立から20年弱でのIT政策の効果を考えているととれば情報が古くても価値ある本と思う。最新の情報と比較できたらなおよいですね。
ポイント
1991年の独立直後に、国としてIT及びバイオテクノロジーに注力することを決めたとのこと。思い切って絞った甲斐があり、IT分野では有名になりましたね。指針通りにIT化をすすめ、2000年には閣議を電子化したとのこと。選挙投票の電子化が始まったのは2005年。20年前と考えると驚きではないでしょうか。
2002年にはeID(エストニアID)といういわゆる「マイナンバー」の国民への配布が始まっている。日本はまだどう転ぶかというところですね。
印象に残った点
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国民へのネット教育
2002年4月から人口の10%(10万人)に対して民間企業が無料でインターネッとの基礎教育を行っている。8時間 x 2日間のもので、1日目にコンピュータとOSの基礎知識、2日目にインターネットの使用方法という規模のわりにかっちりした研修。
インターネットの利用方法だけでなくコンピュータの基礎についても入れているのが素晴らしいと思った。自分はある程度基礎をやらないと表層だけやってもね、と考える派なので。
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選挙の電子化
2005年に地方政府選挙にてインターネット投票を導入。
すべての投票と勘違いしていましたが、実情は「投票方法の選択肢を増やすためのもの」らしい。投票日前にインターネットから投票できることはもちろん、あとでアナログ投票をしてインターネットでの投票結果を書き換えることも可能だということ。拡張型の期日前投票。なお、二年後には国会総選挙でも導入されている。早い
選挙についてインターネットにもより詳しい情報があるので面白いです。20年の実績があるのが何より勉強になります。世界のインターネット投票 ~エストニアの選挙法とオンライン投票システム
世界で唯一すべての国民がインターネットで投票できるエストニアの投票環境とは? -
eIDの構造
日本のマイナンバーの数字とは仕組みが違い、出生情報依存となっている。Wikipediaなどでも解説されているが、下記のような形式例 47302200234
各数字の意味:
4:女性
73: 1973年
0202: 2/20生まれ
0234: 数値識別日本だと人口的に桁が足りなそうですね。なお、2021年のエストニアの出生数が約14000人(40人/日ぐらい)なので下4桁が枯渇することはなさそうですね。
感想
最新の情報が知りたくなった。いい本あるかな?
紹介は主に前半から抽出しているので、より深く知りたい方はぜひ読書を!
導入が早い方が試行錯誤で知見が得られていいですよね。うまくいけば。。
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