❤️
エンジニアに必要なマインド: 提案力を“WHY”でレベルアップ
はじめに
私はエンジニアの端くれとして、設計や技術的な提案をすることがたまにあります。この間先輩エンジニアに簡単な設計のレビューをいただきに行ったのですが、「あと一歩欲しいよね」と言われてしまいました。その理由は、私は設計の際に念の為複数案持ってくのですが、「結局あなたはどれがいいの?」が抜けていると言われてしました。
先輩エンジニアがおっしゃるには組織で物事を前に進める人は、指摘にとどまらず“提案”という形でコミュニケーションしているとのこと。
しかし「提案しよう!」と思っても、具体的にどうレベルを上げればよいのかは案外むずかしいもの。
本記事では、私が 1on1 で得た気づきをもとに “提案レベル × WHY” フレームワーク を紹介します。
提案レベル × WHY フレームワーク
以下の表は、典型的な声かけとともに「WHAT」「HOW」「WHY」を整理したものです。
レベル | 典型フレーズ | WHAT (やること) | HOW (具体的アクション) | WHY (狙い・価値) |
---|---|---|---|---|
0 | どうすればいいですか? | 課題を指摘 | 課題と影響範囲だけ共有 | 学ぶためのスタート地点 |
1 | どれにしましょうか? | 複数案を提示 | Pros/Cons・リスク対策を列挙 | 選択肢を用意し意思決定を支援 |
2 | 自分はこれが良いと思います | ベスト案 + 自分の意見 | 評価軸を示しスコアリング | 議論の深度とスピードを向上 |
3 | これで進めていいですか? | 意思決定案を完成 | 関係者の観点を統合し実行計画まで提示 | 承認をワンアクションに短縮 |
レベル0 → 1 : 「選択肢を持ってくる」練習
最初の壁は 案を複数出す力 です。
次の 2 ステップでトレーニングしてみましょう。
- 制約を洗い出す —— 「○○は変えられない」「△△は期日までに」
- 制約をずらして小さく試す —— 例: コストを最小化する案 / 速度を最優先する案
レベル1 → 2 : 「評価軸を言語化する」
自分の意見を決めるには、評価軸を宣言することが不可欠です。
- 速度を重視するなら「リリース時期」
- 品質を重視するなら「障害発生確率」
軸を決めたら案をスコアリングしてみましょう。
レベル2 → 3 : 「意思決定のラスト 5% を埋める」
関係者の視点を織り込み、実行計画 (スケジュール・リソース) まで描けば、
承認者は「OK」と言うだけで済みます。
ここまでやると組織のスピードが劇的に上がるため、
自分がコントロールできる範囲が広がり精神的にも楽 になります。
WHY から逆算する 3 ステップ
- 目的 (WHY) を 1 行で書く
- 評価軸を WHY と直結させる
- アウトプットをレベルアップさせる習慣を作る
さいごに
提案力は筋トレと同じで、回数と負荷 が物を言います。
今週の 1on1 やレビューで、レベル 2 以上の提案を 1 つ実践してみませんか?
そして「WHY が明確だったか?」を自己チェックし、周囲からフィードバックをもらいましょう。
Discussion