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エンジニアに必要なマインド: 提案力を“WHY”でレベルアップ

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はじめに

私はエンジニアの端くれとして、設計や技術的な提案をすることがたまにあります。この間先輩エンジニアに簡単な設計のレビューをいただきに行ったのですが、「あと一歩欲しいよね」と言われてしまいました。その理由は、私は設計の際に念の為複数案持ってくのですが、「結局あなたはどれがいいの?」が抜けていると言われてしました。
先輩エンジニアがおっしゃるには組織で物事を前に進める人は、指摘にとどまらず“提案”という形でコミュニケーションしているとのこと。
しかし「提案しよう!」と思っても、具体的にどうレベルを上げればよいのかは案外むずかしいもの。
本記事では、私が 1on1 で得た気づきをもとに “提案レベル × WHY” フレームワーク を紹介します。

提案レベル × WHY フレームワーク

以下の表は、典型的な声かけとともに「WHAT」「HOW」「WHY」を整理したものです。

レベル 典型フレーズ WHAT (やること) HOW (具体的アクション) WHY (狙い・価値)
0 どうすればいいですか? 課題を指摘 課題と影響範囲だけ共有 学ぶためのスタート地点
1 どれにしましょうか? 複数案を提示 Pros/Cons・リスク対策を列挙 選択肢を用意し意思決定を支援
2 自分はこれが良いと思います ベスト案 + 自分の意見 評価軸を示しスコアリング 議論の深度とスピードを向上
3 これで進めていいですか? 意思決定案を完成 関係者の観点を統合し実行計画まで提示 承認をワンアクションに短縮

レベル0 → 1 : 「選択肢を持ってくる」練習

最初の壁は 案を複数出す力 です。
次の 2 ステップでトレーニングしてみましょう。

  1. 制約を洗い出す —— 「○○は変えられない」「△△は期日までに」
  2. 制約をずらして小さく試す —— 例: コストを最小化する案 / 速度を最優先する案

レベル1 → 2 : 「評価軸を言語化する」

自分の意見を決めるには、評価軸を宣言することが不可欠です。

  • 速度を重視するなら「リリース時期」
  • 品質を重視するなら「障害発生確率」
    軸を決めたら案をスコアリングしてみましょう。

レベル2 → 3 : 「意思決定のラスト 5% を埋める」

関係者の視点を織り込み、実行計画 (スケジュール・リソース) まで描けば、
承認者は「OK」と言うだけで済みます。
ここまでやると組織のスピードが劇的に上がるため、
自分がコントロールできる範囲が広がり精神的にも楽 になります。

WHY から逆算する 3 ステップ

  1. 目的 (WHY) を 1 行で書く
  2. 評価軸を WHY と直結させる
  3. アウトプットをレベルアップさせる習慣を作る

さいごに

提案力は筋トレと同じで、回数と負荷 が物を言います。
今週の 1on1 やレビューで、レベル 2 以上の提案を 1 つ実践してみませんか?
そして「WHY が明確だったか?」を自己チェックし、周囲からフィードバックをもらいましょう。


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