因果推論本『Causal inference: What if』のまとめページ(Part III)
Part III: Causal inference from complex longitudinal data
このPartでは、時間変動(Time-varying) な状況下、つまり複数時点の処置(曝露もしくは介入)、および共変量の情報があり、ある時点の曝露(介入)が共変量や次の時点の処置に影響を与えていく状況で、因果推論する方法を説明しています。
従来の解析手法(層別化や回帰モデル)ではバイアスを取り除くことができないので、g-methodを利用します。
最後に、Estimandを明確にし、RCTを模倣した観察研究デザインの考え方であるTarget trialについて説明しています。
Chapter 21(前半)では、これまでのおさらいもしています。
Chapter 19 Time-varying treatments
これまでのChapterは処置、共変量やアウトカムが1時点のデータ(Time-fixed)を扱ってきました。最後のPart IIIでは、複数の時点で処置、共変量を測定するデータ(Time-varying)を扱います。
このChapterは基礎として、処置の種類、time-varyingでのexchangeabilityの取扱い、diagramとしてのSWIG(Single-world intervention graph)を学習します。
このChapterのみでは多くの疑問点が生じるかもしれませんが、Chapter 19, 20と勉強していくと、Time-varyingの輪郭がはっきりしてきます。
Chapter 20 Treatment-confounder feedback
このChapterでは、シンプルな解析手法である層別化や条件付けでは、因果構造に注意しながら推定しても、バイアスが入ることを学びます。Chapter 21の動機付けとなるChapterです。
Chapter 21(前半) G-methods for time-varying treatments
Chapter 21は前後半に分かれています。この動画は前半です。
まずPart IIで学んだ、g-methodを復習します。その後それらの方法をtime-varyingな状況に適用していきます。このChapterで扱うg-methodは、g-formulaとIPWです。二重ロバスト(Doubly robust)についても扱います。
Chapter 21(後半) G-methods for time-varying treatments
Chapter 21は前後半に分かれています。この動画は後半です。
前回は、g-formula, IPW, そして二重ロバストを学習しました。今回はg-estimationを主に学習します。より柔軟なモデリングが可能となります。
Chapter 22 Target trial emulation
このChapterでは、RCTおよび観察研究で因果推論を統一的に考える方法を学びます。Target trialとはRCTを模倣(emulation)した観察研究デザインの考え方です。
Time-varying、ITT effect、Per protocol effectがキーワードです。
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