HoVerNetで細胞のインスタンスセグメンテーション

HoVerNetで細胞のインスタンスセグメンテーション

病理画像や顕微鏡写真で細胞レベルの定量的解析を行いたくとも、やはり画像上の小単位(細胞や構造)を分離するという画像処理技術の限界があり、定性的に解析されていることも多い。細胞形態や陽性細胞率、細胞種を見た目で判断してスコア化するのが現実的であろう。 より定量的に解析するために、蛍光画像を用意するということも良く行われるが、長期保存できない割りに広い視野のデータ取得が困難である。また組織の形態学も失われてしまう。 深層学習を使って、病理画像から細胞(主に細胞核)を個々にセグメンテーションするという試みが行われている。有名どころとしてはStarDistやHoVerNet、CellPoseが挙げられる。我々が見た目に分類できるレベルであれば、深層学習モデルを使って細胞を分離することが可能となりつつあり、顕微鏡画像/病理画像が定量的に解析可能となってきている。 本書ではHoVerNetモデルを使って顕微鏡画像から細胞核をインスタンスセグメンテーションする方法を紹介する。 TensorFlow版、PyTorch版を用意している。どちらかを読んで頂く想定なので、説明は重複している。 🔴:TensorFlow 🔵:PyTorch ⚪:共通のPython処理 ⚫:共通のQuPath処理 -------------------- 機械学習用のローカル環境としては以下を使用した。 ・Windows 11(16コア/32スレッド、128GBメモリ、CドライブにM2.SSD) ・NVIDIA GeForce RTX3090 ------ 今後、バーチャルスライドへの応用例も公開予定です。

Chapters
Chapter 01無料公開

はじめに

Chapter 02

⚪ 配布するpythonファイルについて

Chapter 03無料公開

⚪ デモデータ

Chapter 04無料公開

⚪ 16bit画像の読み込み

Chapter 05無料公開

⚪ Distance mapの作成

Chapter 06無料公開

⚪ Distance mapからインスタンスラベル作成(post process)

Chapter 07無料公開

🔴 TensorFlowの環境構築

Chapter 08無料公開

🔴 TensorFlowの一連のワークフロー

Chapter 09

🔴 Distance mapの作成

Chapter 10無料公開

🔴 Dataset① - ファイルパスのDataset作成 -

Chapter 11無料公開

🔴 Dataset② - 画像の読み込み -

Chapter 12無料公開

🔴 Dataset③ - データ拡張/値の範囲変更 -

Chapter 13

🔴 Dataset④ - インスタンス画像をDistance mapへ変換 -

Chapter 14

🔴 Dataset⑤ - 全ての関数を適応したDatasetの作成 -

Chapter 15無料公開

🔴(モデル自作の事前知識)モデルの構造を視覚的に確認

Chapter 16無料公開

🔴(モデル自作の事前知識)Functional APIのモデル構築例

Chapter 17

🔴 HoVerNetモデル作成① - encoder -

Chapter 18

🔴 HoVerNetモデル作成② - decoder -

Chapter 19

🔴 HoVerNetモデル作成③

Chapter 20

🔴 Loss① - クロスエントロピー、Dice -

Chapter 21

🔴 Loss② - Distance mapの誤差、勾配誤差 -

Chapter 22

🔴 Metrics

Chapter 23無料公開

🔴 (モデルの訓練の事前知識)compile()メソッド, fit()メソッド

Chapter 24

🔴 (モデルの訓練の事前準備)モデルの精度確認plot

Chapter 25

🔴 モデルの訓練

Chapter 26

🔴 モデルの訓練【カスタムトレインループ】

Chapter 27

🔴 訓練済みモデルの保存と読み込み

Chapter 28

🔴 予測とpost process

Chapter 29

⚪ インスタンス画像の保存とImageJでの読み込み

Chapter 30無料公開

🔵 PyTorchの環境構築

Chapter 31

🔵 Distance mapの作成

Chapter 32

🔵 Dataset① - Datasetでの処理内容 -

Chapter 33

🔵 Dataset② - 自作Datasetの定義 -

Chapter 34

🔵 DataLoader

Chapter 35無料公開

🔵(モデル自作の事前知識)モデルの構造を視覚的に確認

Chapter 36

🔵 HoVerNetモデル作成① - encoder -

Chapter 37

🔵 HoVerNetモデル作成② - decoder -

Chapter 38

🔵 HoVerNetモデル作成③

Chapter 39

🔵 Loss① - クロスエントロピー、Dice -

Chapter 40

🔵 Loss② - Distance mapの誤差、勾配誤差 -

Chapter 41

🔵 モデルの訓練

Chapter 42

🔵 モデルの保存と読み込み

Chapter 43

🔵 モデルの訓練2

Chapter 44

🔵 早期終了、ベストモデルの保存

Chapter 45

🔵 予測とpost process

Chapter 46

⚪ インスタンス画像の保存とImageJでの読み込み

Chapter 47

----- バーチャルスライドへの応用 -----

Chapter 48

⚫ QuPath - 可視化・ラベル付けツール -

Chapter 49

⚫ 正解ラベル付け

Chapter 50

⚫ 正解ラベルの手修正

Chapter 51

⚫ 正解ラベル(訓練用タイル画像)の書き出し

Chapter 52

🔴 訓練

Chapter 53

⚫ 予測用タイル画像の用意

Chapter 54

🔴 予測処理の実行

Chapter 55

⚪⚫ 予測後データをインスタンスラベル画像として保存 ➔ QuPathに反映

Chapter 56

⚪⚫ 予測後データを細胞輪郭座標として保存 ➔ QuPathへの反映

Chapter 57

⚫ タイル重複領域に作られた細胞の処理

Chapter 58

⚪ [予測後データ処理] 細胞輪郭座標 ➔ 重複細胞処理

Author
Ryota Chijimatsu
Topics
公開
本文更新
NEW
文章量
338,096
価格
500