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IPアドレスがわけわからん人向けの解説

2024/01/06に公開

本記事の対象者

グローバルとかプライベートとか変化するやつとかしないやつとかIPアドレスわけわからん!
という方向けの記事です。
本記事はマスタリングTCP/IPを参考に、なるべく専門用語を知らなくても理解出来るよう、IPアドレスについて解説しています。
間違いがあれば教えていただけると幸いです。

IPアドレスとは

それぞれのホストを識別するために、IPアドレスと呼ばれる識別子を使います

[マスタリングTCP/IP 入門編 第6版 Ch2.4.4]

つまり、ネットワーク上で通信を行うコンピュータやスマホ、IoTデバイスやプリンターなど(これらをホストという)のそれぞれの住所を表すのがIPアドレスです。
ホスト同士が通信してデータを送受信する際、ここに対して送ってね!と指定するためにIPアドレスを使用します。

図解

IPアドレスの種類

結論から言うと、IPアドレスには以下のような種類があります。

但し同時にすべてのIPアドレスを持つ訳ではありません。
例えば私のiPhoneが家庭内のWiFiに接続したとき、動的プライベートIPが自動的に割りあてられます。
キャリア通信するときは動的プライベートIPが割り当てられます。
この割り当てられたプライベートIPをNATでグローバルIPに変換し、インターネット上でデータの送受信を行うことが出来ます。
モバイルデバイスは基本的に静的IPを持ちませんが、自分で設定することができます。
またレンタルサーバーなどで毎回IPアドレスが変わってしまうと困る場合、静的プライベートIPを設定できます。
IPv4のIPアドレスとIPv6のIPアドレスを同時に持つ場合もありますが、そう出ない場合もあります。
例えば、あなたが今使っているデバイスがIPv6通信しているかどうかは下記のサイトで調べられます。
https://test-ipv6.com/index.html.ja_JP

IPアドレスの範囲

IPアドレスを見ればそれがプライベートかグローバルか4か6か分かります。
わかりやすい図を見つけたので引用させていただきます。

https://www.khstasaba.com/?p=431

例えば私が使用しているVPSでは、162から始まるIPアドレスが管理画面に表示されています。
これはいつも変わりません。
上図を見ると、162から始まるIPアドレスはグローバルであるため、このアドレスは静的グローバルIPであるとわかります。

なぜこうなったのか?

IPアドレスが通信するためのデータの送り先を示すなら、各ホストにオンリーワンのIPアドレスをつければいいですよね。
実際私たちの住所はみんなオンリーワンです。
自分の住所を相手が知っていれば、郵便物は確実に自分の元に届きます。
しかしIPアドレスはグローバルとかローカルとかなんやかんやたくさんあります。
何故でしょうか。

もともとインターネットでは、すべてのホストやルーターにユニークなIPアドレスを設定しなければなりませんでした。
ところが、インターネットの急速な普及により、IPアドレスが不足し始めました。

[マスタリングTCP/IP 入門編 第6版 Ch4.3.8]

リアルの住所は土地に限りがあるため枯渇しませんが、インターネットにホスト数を制限するものは無いため、ホストは無制限に増え続けられます。
そのためインターネットが急激に普及したことによってIPアドレスは足りなくなってきたんですね。

そこですべてのホストやルーターにユニークなIPアドレスを割り当てることをやめて、必要なところに必要な数だけユニークなIPアドレスを割り当てるようになりました。

[マスタリングTCP/IP 入門編 第6版 Ch4.3.8]

そこでIPアドレスをグローバルIPとプライベートIPに分けました。
プライベートIPは家庭内、学校内ではオンリーワンです。
それぞれの使い分けは以下の引用を参照してください、

現在では、家庭や学校、企業内ではプライプライベートIPアドレスを設定し、インターネットと接続するルーター(ブロードバンドルーター)や、インターネットに公開しているサーバーにだけグローバルIPアドレスを設定することが一般化しています。

[マスタリングTCP/IP 入門編 第6版 Ch4.3.8]

グローバルIP同士は絶対に重複しません。
しかしある家庭内のホストとほかの家庭内のホストではプライベートIPが重複する場合もあります。
自宅のあるPCから自宅の他のPCにデータを送信する場合、プライベートIPを使ってきちんとデータを送信できます。
でも自宅のPCから友人宅のPCにデータを送信したい場合、きちんと宛先を指定できない場合があります。
この問題を解決するのがNATです。

プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの間でアドレス変換をするNAT技術が誕生し、プライベートアドレスを割り当てたネットワーク上のホストから、グローバルアドレスを割り当てたインターネット上のホストと通信ができるようになりました。

[マスタリングTCP/IP 入門編 第6版 Ch4.3.8]

NATを使えばプライベートIPをグローバルIPに変換できるんですね。

しかしNATとプライベートIPを組み合わせた方法では出来ないことが生まれてきてしまいます。(何が出来なくなるのか、詳しくは省略します)

これを解決するためにIPv6が作られました。IPv6は特定用途での利用は広まっているものの、企業や各家庭の通信の置き換えには至っていません。このためIPv4のグローバルIPアドレスが枯渇した現在は、数々の工夫を施してIPv4とNATを使い、なんとか間に合わせて運用されているのが、現在のインターネットの実情です。

[マスタリングTCP/IP 入門編 第6版 Ch4.3.8]

全部がグローバルIPでないことによる弊害を無くすために、全部グローバルIPでもいけるくらいたくさんのIPアドレスを使えるIPv6が生み出されました。
現状は完全にIPv6は普及しきっていないので、IPv4とNATを使って運用されています。

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