プログラミング初学者の教師付き学習モデル
プログラミングやコーディングの学習教材は、
今やインターネット上で無料で手に入るものがたくさんあり、
誰でも簡単に技術を学ぶことができるようになっています。
単純な趣味や好事としての学習なら好きにやればOKですが、
仕事として、キャリアの一部として、の技術学習は、
効率性がとても重要になってくるのではないのかと思います。
技術学習を効率的にすすめるためには、一人でガリガリ頑張るよりも
知見のあるメンター等を側においてすすめる「メンター付き学習」が非常に効果的です。
独学や一人での学習と「メンター付き学習」との違いをざっとまとめておきたいと思います。
「メンター付き学習」の流れ
「メンター付き学習」は大きく以下の 3つのステップに分かれます。
- 課題の設定
- 制作の進行
- 振り返りの実施
課題の設定
純粋な技術知識の詰め込みよりも制作知識の向上には、何かしらの課題を決めての制作が非常に効率的です。
「課題の設定」では学習上の課題設定を行い、期間内に「何を作るか」を設定します。
この「課題の設定」のフェーズは、学習者の希望をベースにメンターが主導して行うと良いでしょう。
「何を作るか」の制作要件は、ある程度明確に決めておくほうがスムーズです。
研修基準として、xxx ができること、xxx の技術を利用すること、などの他、
「yyy は不要」といったやらないことの定義も、制作をスムーズに進める上で重要です。
「何を作るか」の制作要件が決まったら今度は制作期間をいくつかの期間に分割し、
それぞれをスプリントとして各期間でのアウトプット目標を定義していきましょう。
各スプリント期間の目標達成は MUST として目標認識を併せ、
スプリント期間完了のたびにレビューを行って進行状況のチェックや制作上のアドバイスを実施します。
- スプリント期間は制作の中で 少なくとも 4 程度は確保できることが好ましいでしょう。
- スプリント期間中の作業時間は、初学者の場合 10-20 h 程度以内に収まるようにすると良いでしょう。
制作の進行
課題の設定が完了したら実際の制作進行を始めていきましょう。
実際に作業を進める前に、目下のスプリント目標達成までの作業フローを作成し、
タイムライン形式で、いつまでに、どこまで完了させる、の目標を立てていきましょう。
作業フローに遅れが生じたら(理想は遅れる前に)メンターに相談を実施し、
制作上のアドバイスや、制作スピード向上の相談などを受けましょう。
学習者は、
- 作業フローのタイムライン遵守のため、複雑な問題は、検索せず即座に質問しましょう。
- 作業上で時間のかかる箇所などを明確に記録し、効率化のアドバイスを受けましょう。
メンターは、以下の点に注意しながらアドバイスを実施します。
- ぐぐれ、という形で自己解決を促すのではなく、検索の仕方などをアドバイスしましょう。
- 単純な作業指示は学習効果が薄いため、答えを明示するのではなく、エラーからの解決のステップを示してあげましょう。
- 説明に時間の掛かりそうな課題などは、メモしておき制作完了後に説明 or 調査させるように促しましょう。
スプリント期間が完了したら、制作の進捗を評価して、次のスプリントにつなげてください。
振り返り
全てのスプリント期間が完了したら振り返りを実施します。
学習者には以下のようなことを記録させておくと良いでしょう。
- 学習期間中のコード記録
- 制作上で気になったところ、より深く知りたい箇所
メンターは以下のようなことを最後にアドバイスします。
- 学習での制作と実務上での制作で異なる点の共有
- 制作上でより改善可能な部分のアドバイス
メンター付き学習の目的
メンター付き学習では、初学者に「実務制作なみのスピード感」で「時間効率を意識した制作」を
メンターによる補助をベースとしながら完走させると言うところに目的が置かれています。
これは、独学をすすめる上での、以下のような問題点を解決することを企図するものです。
- 独学での知識詰め込みは、制作上の目的な不明瞭で、実務適用しづらい場面も多い
- 実際の制作を一人で進める場合、「調べる」と「制作する」が混在し、なかなか前に進まない
メンター付き学習ですすめる学習は、実務上重要な進行管理の意識を頭に強く留めた状態で制作を行うため、
課題達成までの道のりを計画し、それに沿って作業を進め、遅れを早めにアラートする、といった
実務上非常に重要な習慣を早くから身につけることが可能になります。
また、メンターの補助付きとはいえ、一旦の制作フローを完走すれば、
そこからの学習効率は(ゼロからの学習と比べ)非常に高いものとなります。
メンターの対応コスト等はあるものの、制作の実務的経験も身につき、
未経験者の実務教育には非常に高いパフォーマンスを発揮できる手法ではあるため、
是非一度、新入社員の教育プロセスに取り入れてみてはいかがでしょうか?
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