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『1on1ミーティング』読書メモ

KIDANI AkitoKIDANI Akito

はじめに

p.1 2017年のヤフーの1on1から3年半たった続編
p.2 1on1の目的は「対話によって部下のやる気を引き出す」であり決まったやり方はない
p.3 目的:部下のやる気を引き出す、能力を伸ばす、組織に成果をもたらす
p.4 信頼関係があって初めてパフォーマンスが上がる。1on1で信頼関係が作れる
p.8 会話の質を向上させるにはスクリプトレベルで振り返る必要がある

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第1章 1on1とは何か

1 「対話の質」を上げる

p.16 部下のための時間。上司は傾聴する。
p.17 上司として、必ず「今日は何の話をする?」と聞くことから始める。考え方を押し付けたり、何かを決めつけたりはしない。
p.18 上司と部下がともに、より確からしいものを探すために必要なコミュニケーション
p.21 社員の才能と情熱を解き放つ、がヤフーの1on1の中心理念。ただし、1on1の目的は各社各様なので、あくまで一つのモデル。
p.22-:対話1。傾聴のテクニックがいろいろ生かされている。言い換えたり、待ったり。
p.26-:対話2。上司からのツッコミや提案、決めつけっぽいものが目立つ?
p.35 対話2では権力が発動されて、学びが深まらない。部下が自分で考えるチャンスを奪っている
p.36 部下の沈黙はゴールデンタイム:思考が回っている、発言を待つべき
p.37 マネージャへの部下の期待:チームを鼓舞し、成長を支援し、メンバーの仕事の質を上げる
p.37 大前提:部下に関心を持つ、人となりを知る。そのためのツールとしての1on1
p.38 健全な領空侵犯(チーム外のことでもおかしいことは指摘する)
p.39 経験学習を回す場としての1on1:次の行動を約束し、職場で実際に行動する、フィードバックを受けて修正する。上司の役割は次の打席に立たせること

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2 1on1の目的

p.40 目的は経験学習:対話の流れによっては部下からの相談にも上司からのフィードバックにもなり得る
p.41-:代表的な目的の整理

  • 部下との信頼関係を構築する
  • 部下の経験学習を促進する
  • ホウレンソウの機会とする
  • フィードバックとそこからの学びを得る
  • 部下のモチベーションを高める
  • 意思決定に必要な組織の情報を得る

p.43 真摯に聞いてくれる人の話に対してなら、逆に聞く耳が持てる。本音を話す心境になり、上司の話を聞く準備が整う
p.43 適切な言葉選び、いいまわしによって物事を迅速かつ的を射た方向に進められる
p.44 学びの比率、仕事経験:他者:研修/書籍=7:2:1。経験を学びに変換するプロセスとしての1on1の活用
p.45 ちゃんとした1on1をやると業務時間のすべてが研修になる(学びの時間になる)
p.45 経験を掘り下げ、他に適用できるよう概念かし、新しい状況に適用するサイクルを回してアウトプットの質を上げ成長に繋がる
p.46 部下が学んだことを活かす新たな機会を作るために上司が協力する(振り返りだけではない、未来志向)
p.47 ゴールは社員と会社の成長なので、時として目の前の仕事をやっつけるホウレンソウの場となっても良い
p.51 案外自分のことを知らない、フィードバックをうけて調整し、学んでいく必要がある(一人では難しい)
p.53 人的資源(社員)はモチベーションによって成果が大きく上下しうる特性がある
p.54 基本的にはモチベーションコントロールは本人の問題だが、上司は維持・向上に貢献できる

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第2章 企業の取り組みを知る

Case 1 パナソニック

p.58 組織課題:事業環境、ビジネスモデルの変化や、社員の価値観の多様化に合わせ、上司と部下のコミュニケーションの質を上げていく必要がある
p.59 2019年、NHKのニュース7でパナソニックの1on1開始が報じられた
p.59 元々上司が部下を育てる風土が強い会社
p.60 既存の評価面談では一方通行で固い面談になりがち:さまざまなテーマで、対話の頻度を上げて量を増やして質を向上させる試みとしての1on1
p.64 製造業で機械を動かしているので、機械の横でちょっと立ち話スタイルとか、2週間に1度とか。
p.65 スタートから1年で実施率は7割、月1で実施していない人も多い
パナソニックソリューションテクノロジー
p.73 300人体制のところに本体等から400人が移籍してクラウド事業をやることになり、社員の融合がテーマだった
p.76 フリーアドレスで1on1をやる、みんなが気が付く。常務と社長の1on1に向けて社長への提言が集まる
p.80 フォーマルな場では言いづらいこと、後輩がいると言いづらいことも言える場
p.82 バッドニュース・ファーストのスタンス。フラットに現場を知るための1on1
p.83 そのために、怒らないように我慢して「ありがとう」と言う。いきなり怒ってはいけない。
p.86 実施率が100%でないからといって、いいからやれ!と言わないところのセンスが素晴らしい
p.86 トップが考えること、戦略の意味意図なおdを浸透させ、行間を埋める場としても有用

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Case 2 日清食品

p.87 組織課題:営業組織が活気を失っていて、社員に成長実感を持って欲しかった
p.89 PDCAのCA。なぜうまくいったか、うまくいかなかったか、他の方法はなかったかを振り返ることでもっと強くなれる。それが1on1の効用
p.92 中原淳先生のいう、ストレッチ経験の量と、上司同僚との関わりの量の2軸で、両方の量が多い場所=成長実感のある職場、を目指そうとしていた
p.93 そのために、まずはコミュニケーションの量を増やし、第2段階としてチャレンジ目標制度・成長実感会議(評価レビュー)の導入を実施
p.94 本間さんのいう「オウム返し」をやってみるとうまくいく。部下がいろいろ話してくれる。
p.94 直属の上司以外との1on1も増えている
p.97 社長と1on1をする若い管理職もいる

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Case 3 静岡銀行

p.100 組織課題:上司から部下への一方向のコミュニケーションを一因としてチャレンジ精神が失われた
p.102 顧客にとっての最適解を示すためにWILLを持った部下と上司が忌憚のない対話をすることが不可欠
p.112 エドガー・シャイン『Helping』:マサチューセッツ通りはどこか、と聞かれたらまずどこに行きたいのか聞け

Case 4 札幌渓仁会リハビリテーション病院

p.113 組織課題:部下の育成支援という形でリフレクションの場が必要だった

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第3章 なぜ1on1なのか

p.130 経営トップのサポートは必要条件ではない。あると良いが、人事責任者の気持ち次第。
p.131 エンジニアはややコミュ障的なところもあるが、言葉をちゃんと考えて話す能力はある、1on1でいいこと言ってくれる
p.135 評判が下がる、怒られる、バカにされる、そういう心配がなくなるだけでモチベーションが上がる可能性がある
p.139 部下の才能と情熱を解き放って、成果を上げ続けられるチームを作るのがマネジャーの役割
p.141 人の成長と組織の成長が一致することが、1on1の目指すゴール
p.147 部下のやる気スイッチを知ることが成果を上げるための第一歩:「あなたがやりがいを感じる瞬間ってどんなとき?」と聞いてみる
p.149 信頼感を高めていくためには、それなりの頻度が必要。週に1回かならずやる
p.151 「信頼」が組織の成果を高めるためのキーワード。心理的安全性の確保のための不可欠な前提。
p.151 心理的安全性

  • 他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰を与えるようなことをしないという確信を持っている状態
  • チームは対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態
  • イノベーションにつながる意見対立、創造的な摩擦

p.151 心理的安全性 ≠ メンバーが自ずと仲良くなるようなん居心地の良い状況、仲良し集団
p.152 心理的安全性を高めるためのリーダーの行動

  • 直接話のできる、親しみやすい人になる
  • 現在持っている知識の限界を認める
  • 自分もよく間違うことを積極的に示す
  • 参加を促す
  • 具体的な言葉を使う

p.153 リモートーワークで欠きがちになるコミュニケーションを補うために1on1の重要度が増す
p.156 相手がいる会話だから自分自身の考えを言語化する機会を得られるというのが最大の効用
p.156 頭の中にある考えや思いを具体的に言葉に出してみることが、その人の内省を加速させ学びをもたらすだけでなく、主体性すらも生み出す仕組みが体内に備えられている

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第4章 1on1の「場外効果」

1 1on1のスクリプトと解説

p.160 第一声で直近の成果をねぎらう声かけができたら理想
p.161 「話したいテーマはありますか?」はクローズドクエスチョンなのでNG(特にないですと返して終わってしまう危険性)。「何から話します?」というオープンクエスチョンから始めよう
p.161 内省のきっかけを与える。例「うまくいった要因を一つ挙げるとしたら?」
p.162 テーマの選択幅を広げる質問(スライドアウト)。「他にはどうです?今頭を占めている事柄3つくらい挙げるとしたら?」
p.162 レコグニション大事。相手の名前を発言に挟む、直近の成果をねぎらう、など。
p.162 言い換えることで部下の発言への理解を伝える、Iメッセージで自分(上司)を主語にして関心を示す
p.163 1on1は傾聴の場。「やるって言ったよね」「ダメでしょ」など良し悪しの評価を含む表現はNG。「なんでできなかった?」などもだめ。「出来なかったんだね」と繰り返すことで内省を進める
p.164 沈黙を破っても部下の思考を遮るだけ。待つのが吉。相手の表情を観察して、何も出てこなくても失敗ではない。考えが次に進むよう手助けするのが仕事。
p.166 部下の発言からキーワードを取り出して反復する
p.169 感情に関わる表現が出てきた時は掘り下げどき。例「楽しそうだし」
p.170 部下の行動に対して上司としてコミットメントを示す。共犯関係の申し出により行動を強く後押しする。例「私の方で何か手伝えることはないかな」
p.171 最後は感謝。話してくれたこと自体が礼を述べるに値する行為だととらえたい。

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2 1on1以外の時間につなぎ込む

p.172 1on1の中でのアプローチばかりでは1on1の効果を高めることにはならない:1on1の目的は業務の質を上げて成果に結びつく行動を行うためのきっかけを得ること
p.173 30分の1on1の中だけで成長するのは無理、上司の対話技術を披露する場ではない
p.175 1on1が終わって目の前に上司がいない時にふとしたきっかけで内声が回り出す、行動に移す、習慣化できる
p.180 上司も1on1を振り返ることで得られるメリットがある:部下の抱えている課題感、先々のキャリアなどを考える
p.181 部下がどう考えて行動したか、に焦点を当てて話を聞く場の確保が重要になる
p.183 研修や1on1の問題:折角得られたこと学んだこをと現場で活かせない行動できない
p.186 1on1で話したキーワードなどを使って職場での小さな接点を頻繁に作る
// リモートだとSlack? DMを使うべきだろうか?
p.187 こうしたコミュニケーションの機会を組織的に設ける、1on1という名前をつける価値がある
p.188 部下の習慣化:1on1の時間だけでなく、前日から振り返りができるようになる
p.190 上司の習慣化:日々の観察による情報収集が1on1の成否を分ける
p.193 ただし、上司が事前に情報を集めたとしても部下の話を聞く時間。どうしてもテーマが出てこない場合とかに使う。

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第5章 専門家の知見に学ぶ

対談I 組織開発と1on1

p.198 シンプルな、短い質問を投げかけて相手が考える。ぐるぐる頭を回転させることが大事。オープンな質問。
p.198 真向かいに座ってパワーを感じさせるようなやり方よりは、寄り添うような、横に並んで座るようにして、部下が語ることを大事にする
p.200 具体的なところを細かく聞かない:細かく説明していくと部下が何を問題と感じているかがぶれてしまう、報告モードになってしまう
p.201 相手が次にどう行動するかを短い時間で明確にすることが目的なので、丁寧に細かく共感するとかその状況をはああくするということは不要
p.201 ディテールは聞かないけど、相手が何をしたくて、どんな行動ができそうか、ということに関心を持って聞くのが良い
p.202 ヤフーの上司の役割の定義:部下が経験学習を進めるのを支援すること。監督し評価する人間ではない
p.204 評価する、業績を出させるというマインドセットから、一緒に探求して、部下がチャレンジしてみて、それで生産性が上がるというマインドセットへのシフトが必要
p.205 リレーション自体について会話できるとさらに良くなる
p.208 適応課題。問題がこれとわかっていて直すだけの技術的課題とは異なる。経験したことのない課題。既存の問題解決の方法を外から持ってきても、適応課題ではうまくいかない
p.208 1on1をただ導入すればいいわけではない:自分と部下の間で何が起こっているかを探求することが大事。どうしたらいいんだろうねと上司も一緒に探求しながら本人に考えてもらう。
p.214 3段階のリレーション:信頼関係、共同関係、切磋琢磨関係
p.217 テーブルの下にある、言葉になっていないこと。今どんなふうに感じているか、というところに働きかけないと効果、健全性は上がらない
p.218 人は感情的な生き物だから、感情的になるのはいいけど、なぜ感情的になったかだけは振り返っておくべし。その振り返りの主観こそがビジネスやリーダーには必要。

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対談II 経験学習と1on1

p.232 1on1は認知的徒弟制。言語化させる(アーティキュレーション)と新しく探求させる(エクスポラレーション)と他者と比較しながら評価する(リフレクション)といった一連の教育的行為をおこなう。
p.232 伝統的徒弟制(職人):モデリング(やってみせる)+フェイディング(上司の関与を少なくする)
p.234 認知的徒弟制でも、モデルは必要。モデルを見せて、注意点をしめし、やってみせてリフレクションを促す。「どう思いましたか?」言語化の指導。
p.236 ドラッカーの『マネジメント』:「成果への意欲を培うためには一人一人に強みを存分に発揮させる必要がある」
p.239 強みだけ伸ばしさえすればいいというものではない、強みを活かして社旗に役立てなければいけない
p.240 日本は「恥の文化」だからバランス型にする。ビジネスは集団競技なので、他の誰かが補ってくれればいい。それがチームワーク
p.240 弱点を補強しなくていいのかというと程度の問題はある
p.245 どんな人にも火種はある、思いが志がなさそうな人でも、扇げば蝋燭くらいの日にはなる。思いをどう喚起させるか。リーダーの影響や職場のつながり。
p.248 本音ベースの話ができる基本的な信頼関係を作るための1on1。30分なくてもいいから週1必ずやれ。

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対談III カウンセリングと1on1

p.256 部下としても1on1で何か用意しておかなければ、となるかも。悪いことじゃない。1週間何してたかふりかえることができる。
p.257 評価を気にした発言に傾かないように、関係性が重要
p.258 相手を気遣う、関心を向ける。入ってきた時の様子を見ておく。
p.259 別の人間なのだから、共感、同じように感じるは無理。感じたことを口に出す。関係性の土台作り。
p.262 その人の言ったことを絶対に否定せず、どんなことでもポジティブに受け取ることを表明する。「大変だね」「それいいじゃん」「よく話してくれたね」「話してくれて嬉しい」
p.268 沈黙に我慢できない上司が考えない部下を作る。答えを出してしまうと主体的でない社員との依存関係が出来上がってしまう
p.269 相手が黙っていることについて、私は気になっているということを伝える「何か考えていたら話してもらえるとありがたい」
p.276 ドゥーイング(やってること)を褒めるだけじゃなくて、ビーイングも重要。あなたがいてくれてよかったと一言言えるかどうかが重要。

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対談IV コーチングと1on1

p.284 「なぜ」は未来に使うようにしている。目的を持ち、過去の足らないものを埋める努力をする人が伸びる
p.288 指導者ならばできるまで教えるのが仕事。お願いして改善してもらわないといけない
p.291 サッカーで「声出せ」はレベルの低い観客の少ないところだからできること。世界で勝つにはアイコンタクトが必要。トッププレイヤーを育成する、最終的なモデルをイメージする。
p.292 目標を持たせる。願望ではなく意志を持つ。トッププレイヤーをモデル化して、文字化して、自分と比較して、足りないところを埋めていく。サッカーでも仕事でも一緒。
p.293 基本、基礎練習は楽しくない。退屈でもいかに楽しく、集中してやらせるかが指導者の仕事。基礎練習でミスしても怒らないで、次はハードルを下げて、ちょうど良いチャレンジを探していく。
p.295 「頑張れ」で終わりにしてしまいがち。何を頑張るのか、頑張ったらどうなる、がないとだめ。

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