はじめに
学校のテストでよく目にする「偏差値」ですが、一般的には25〜75くらいの間に収まるのですが、75より大きくなることがあるか、計算してみました。
平均・標準偏差・偏差値の求め方
平均は以下の式で求められます。
「平均」=\dfrac{「個々のデータの合計」}{「データの個数」}
標準偏差は以下の式で求められます。
「標準偏差」=\sqrt{\dfrac{(「個々のデータ」−「平均」)^2 を足したもの}{「データの個数」}}
偏差値は以下の式で求められます。
「偏差値」=\dfrac{「個々のデータ」−「平均」}{「標準偏差」}
極端な例
テストの点数について、極端な例ですが、仮に以下のように定義します。
・人数をx人
・(x−1)人は全て0点、1人は100点とする。
この場合の平均・標準偏差・偏差値はxを使って以下のように求められます。
「平均」=\dfrac{0+0+ … +0+100}{x}=\dfrac{100}{x}
「標準偏差」=\sqrt{\dfrac{(0−\dfrac{100}{x})^2 + (0−\dfrac{100}{x})^2 + … +(100−\dfrac{100}{x})^2}{x}}
=\sqrt{\dfrac{(0−\dfrac{100}{x})^2 ( x -1 ) +(100−\dfrac{100}{x})^2}{x}}
=\sqrt{\dfrac{\dfrac{10^4}{x^2}(x-1)+10^4-2×\dfrac{10^4}{x}+\dfrac{10^4}{x^2}}{x}}
=\sqrt{\dfrac{\dfrac{10^4}{x}-\dfrac{10^4}{x^2}+10^4-2×\dfrac{10^4}{x}+\dfrac{10^4}{x^2}}{x}}
=\sqrt{\dfrac{10^4-\dfrac{10^4}{x}}{x}}
=100\sqrt{\dfrac{1}{x}-\dfrac{1}{x^2}}
=100\sqrt{\dfrac{x-1}{x^2}}=\dfrac{100}{x}\sqrt{x-1}
テストが100点の人の偏差値は以下のように求められます。
「100点の人の偏差値」=\dfrac{100−「平均」}{「標準偏差」}×10+50=\dfrac{100−\dfrac{100}{x}}{\dfrac{100}{x}\sqrt{x-1}}×10+50
=(\dfrac{100}{\dfrac{100}{x}\sqrt{x-1}}-\dfrac{\dfrac{100}{x}}{\dfrac{100}{x}\sqrt{x-1}})×10+50=(\dfrac{x}{\sqrt{x-1}}-\dfrac{1}{\sqrt{x-1}})×10+50
=(\dfrac{x-1}{\sqrt{x-1}})×10+50=(\sqrt{x-1})×10+50
テストが0点の人の偏差値は以下のように求められます。
「0点の人の偏差値」=\dfrac{0−「平均」}{「標準偏差」}×10+50=\dfrac{0−\dfrac{100}{x}}{\dfrac{100}{x}\sqrt{x-1}}×10+50
=(-\dfrac{1}{\sqrt{x-1}})×10+50
xの数により100点の人の偏差値が変わります。
x=2のとき・・・偏差値 60
x=5のとき・・・偏差値 70
x=26のとき・・・偏差値 100(!)
Discussion