アーキテクチャーの言い換えを考える
私は「アーキテクチャー」という用語には二つの問題点があると考えています。
アーキテクチャーの欠点
無意味に長い
「ソフトウェア」は「ソフト」に、「アプリケーション」は「アプリ」と略されるようになったのに、「アーキテクチャー」は「アーキテクチャ」表記が一般的になっただけです。
ソフトウェアとアプリケーションは、それぞれパソコンとスマホの普及によって省略するのが当たり前になっていった記憶があるので、未だ専門用語のままのアーキテクチャーはその機会が無かったのだと思います。
意味が微妙にあいまい
アーキテクチャーはプログラムの設計段階によく用いる用語であるにも関わらず、解釈が人によって少し異なるという問題があります。
特に「少し異なる」という点が困りどころで、過去に他のプログラマーと共同開発する案件の最初の話し合いにおいて、以下のようなことがありました。
相手「今回の開発のアーキテクチャーはこれ、デザインパターンはこれが良いと思っていて…」
私「アーキテクチャーはともかく、設計段階でデザインパターンの選定は早いのでは。そこまで厳格さの必要な開発でもないですし…」
相手「いやでもデザインパターンも重要なので…」
という会話が数分続いた後に、お互いのアーキテクチャーの意味が違っていることに気付きました。
当時、私はアーキテクチャーをプログラム全体の設計に関わるデザインパターンのことだと考えていました。
一方、相手はMVCやMVVMのような、ModelとViewの分離が主目的のデザインパターンを指すのだと考えていて、それ以外はプログラムの主要な設計に関わるものであってもアーキテクチャーではないという考えのようでした。
誤解の解けた後はすぐにアーキテクチャーの選定に移ることが出来ました。
分野によってはアーキテクチャーの定義にもっと違いがあるようで、データベースの設計もアーキテクチャーの一部として説明している記事を読んだことがありますし、組み込み系のソフトウェア開発においては更に多くの意味があると聞いたことがあります。
アーキテクチャーの言い換え案
三文字に省略する
ソフトとアプリの流れに沿うと「アーキ」になるのではないかと思います。
欠点は現時点だと通じないことです。
私「今回のアーキは〜」
相手「アーキって何ですか?」
近い意味の日本語を用いる
アーキテクチャーと完全に対応する日本語はありませんが、状況次第で通じる言葉があります。
最近は試しにアーキテクチャーとは言わないようにしていますが、今のところ「設計手法」と言えば問題なく通じています。
文脈によっては「開発手法」や、単に「設計」で通じる状況もあると思います。
これらはアーキテクチャーと違い、漢字なので意味のずれが生じにくいという利点もあります。
その一方で、完全に置き換えられる言葉が無いので使い分けが必要であり、通じない事例もありうるという欠点があります。
結論
個人的には「設計手法」と「アーキ」で通じるようになって欲しいです。
前者はプログラミングを初めたばかりの人にも伝わりやすく、後者は打つのが非常に楽です。
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