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Qiskitを用いた量子コンピュータの勉強メモ

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quantum-hardware-pulses (1/n)

初めに

量子コンピュータはqubitに対して初期化、ゲート演算、測定(読み出し)を行うことで量子計算を実行する。超伝導方式の量子コンピュータでは、物理的にはこの一連の操作は超伝導qubitに外部からマイクロ波を打ち込むことで実行される。
IBMのQiskitではこのマイクロ波レベルでの量子コンピュータの制御が可能である。
テキストは
Investigating Quantum Hardware using Microwave Pulses。このテキストに従い、実際にマイクロ波の制御を行った際のメモを記す。

Calibrating qubits using Qiskit Pulse

量子コンピュータの制御装置が出すマイクロ波の品質やqubitの特性、制御環境(温度、電気的ノイズなど)は時間経過に従い少しづつ変化する。そのため、定期的にこれらの変化を補正を行い、常にqubitの共鳴周波数とマッチしたマイクロ波を制御装置が出せるようにしておく必要がある。このための作業をCalibrationと呼ぶ。
通常、calibrationはIBMがおこなう作業だが(参考:About calibration jobs)、似たようなことをユーザー自身が実際にやってみる、というのが本節の内容。

1. Getting Started

  • In[2]の記述が古いので次のように書き換えました。manilaはもう引退しているので、今稼働中の実機(今回はosaka)を選択。正直に言うと、qiskit backendのことをよく理解していないので、勉強したほうがよさそう。
provider = IBMProvider()
backend =provider.get_backend('ibm_osaka')
  • In[4]を実行した結果、osakaでのパルスのsampling timeは0.5nsとのこと。

2. Finding the qubit Frequency using a Frequency Sweep

超伝導qubitを制御するマイクロ波は何でもよいというわけではなく、個々のqubitがもつ共鳴周波数と同じ周波数をもつマイクロ波でなければならない。共鳴周波数はqubitのハードウェア構造に依存する設計項目の一つであり、通常は数GHzの値になるように設計されるが、実際のqubitがもつ共鳴周波数は製造時の誤差や上述の特性変化などにより、設計値と若干ずれてしまう。そのため、qubitを期待通り制御するには、共鳴周波数の実測が必要になる。

なお、IBMの実機は個々のqubitの共鳴周波数はその製造時点で決まってしまう固定周波数方式であるが、Googleなどの実機は後から共鳴周波数を調整できる周波数可変方式を採用している。